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日常回1

久しぶりにこの部屋で目を覚ました気がした。ムンクっと起き上がり、両目を擦りながらスマホの画面を点灯させると、通知を捌いてからスマホを脇に置いて、もう一度目を瞑ろうとした。すると突然トイレのドアが開き、「オ、シツキくんおはようございます」と㌁の声がした。どうやらもうここに定住するつもりらしい。こいつを警察や色んなところに持っていくのもめんどくさいし、そもそも俺のピンチに急に現れたと思ったら知らない間に一応解決して毎話の始まりが『目を覚ますと〜』になるし、こんな奴が普通の人間なわけなくねと言い聞かせ、怠慢の言い訳にしておいた。

アルファに視線をやると、なにか姿が変わっているきがする。この前相対したときのコイツはもう少し、なんというか、チー牛のようななりをしていた気がするのだが、今日の㌁くんはオナサポシチュボのショタのような見た目だった。いい感じに日焼けしてるし茶髪だし毛は生えてないし、というか、声も違う。このガキが㌁だという根拠はどこにも消えてしまったのだが、なぜか俺の脳は彼がアルファだと思い込んでいた。いやー本当に可愛い。

「DLsiteから出てきたみたいだ...」

つい、布団の上で寝転がりながらこんなことを漏らしてしまった。いっけね(´>∀<`)ゝ

「DLsiteって、なに?」

お前の故郷だよぉとはさすがにいえなかった。

「ていうかお前、その格好どしたのよ!」

先程までのDLsiteの話題と㌁の容貌とを無関係に装おうとして、わざとらしく質問した。

「ばれた?これイメチェンネ」

イメチェンって.骨格ごと変わってる気がするけど....

「はいこれ、僕がつくった朝ごはんさんだよ」

なんと㌁は、遅起きの俺のためにブランチを作ってくれていた。なんていいやつなんだろう。

ただ、味噌汁の横にオムライスというのは、些かよく分からない組み合わせではある。

昔から、味噌汁はワカメから食べ始めるのが癖になっている。ン!これは非常に美味い。何より、塩加減が絶妙なのである。汁も飲むよ、豆腐も食う。㌁は俺の向かいに座って、俺が食事するのを頬杖ついて見てる。かわいい。うま。オムライスはどうだろう。こっちはまぁ、普通かな。でも悪くないよ。俺より美味しく作れてるし。


♪「おおブレネリ」

ふと携帯に電話がかかってきた。なんなんだよ、せっかく㌁とのダウナー午前を堪能していたのに。誰だ。妹からか。またあの事でごちゃごちゃ言うつもりなのかな。1度箸を皿に置き、スマホを持ち上げ受話する。視界の隅で、㌁が俺の箸をとって、オムライスをつまみ食いしようとしているのが見えた。俺は、スマートフォンを耳に当てて


「お兄ちゃんを返して!!!!返してよ!!!!!返してええ返せ!!!!返せ!返せ!返プしてよおおおおおおおドおスおリッおムおおおおお返してエ返してよ返ししてよ返してよ返して返して」




----------



「誰からの電話?」


「俺の妹。ほんとにブラコンが過ぎて困る」


「可愛い?」


「㌁ほどじゃないけど、顔は悪くないよ、あと胸もいい感じ」


「え、きもちがわるいな」


「ははは、軽い冗談だよ、冗談」





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