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遂に来ました異世界に

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 



 遂に来ちまった異世界に………

 今俺の目に明らかに俺の世界と違う世界が広がっている。



 その30分前


 ユーグさんが、トイレのドア前で待っていた。

 あちらの世界の衣装を持って来たそうだ。

 確かに変わった服を着ていたら、目立ってしょうがないもんな。

 いそいそと着替える俺達。

 しかし着た服は………


「ねぇ。おじちゃんこの服、貴族が着てる服だよね?」


 祥太が確認のために聞いてきた。


「ショウゴさん達は、私どもの客人として来て頂きますので、今日は選りをかけて、料理を作って貰います。とても舌の肥えた人達だから、粗相のない様にと伝えています。」


 それを世の中では、脅しというんじゃないだろうか。


 城の料理人たちに合掌した。




 やっぱり世界が違うといろいろと違うんだな。

 始めに思ったのはズボンだった。

 ゴムがないから紐で縛る。

 時間が経つとズボンがずり落ちないのだろうか?

 それは祥太も思ったのだろう。


「ヒルトおじちゃん。このズボンだとずり落ちたりしない?こう戦っている時とか」


 そんな祥太に、ヒルトはうんうんと頷きながら


「もちろんあるさ。あのドラゴンの時がそうだ。ただ逆にそれで、助かったんだけどな♪」


 笑いながら話すヒルト。

 つまりズボンがずり落ちたから、かすり傷で助かったという事か。

 どちらにしろゴムを大至急探してくれと、俺はユーグに言った。

 ズボンがずり落ちて助かるならいいが、それが原因で死ぬのは嫌だろう。

 それから、紐パンを男どもが穿いているのはキモい。

 ふんどしではなかった。


 俺と祥太は、パンツと下着と靴下だけは多めに持って行った。




 ******************




 始めの異世界は武器庫から始まる。

 祥太は武器を見たくて仕方ないらしい。

 それもグレートソードという物を見たいらしい。


「ヒルトおじちゃんの剣もなかなかの大きさだね。なんで大きいの選んだの?」


 疑問に思った事を聞いているようだ。

 ユーグさんも武器を所持していて、細身の剣のようだ。


「俺は細いと直ぐ折れちまうからだな。ぶんぶん振っている方が好きだしな♪」


「私はコントロール重視ですからね。それとスビートです。」


「面白武器もあるんだぜ。せっかくだから見てみるか?」


 そう言って案内されたところには、野球ボール位の球が幾つも置いてあった。


 なんだこれ??


「ヒルトおじちゃん これって爆弾?」


「やっぱりそう思うよな。でもこれは爆弾じゃないんだ。」


 祥太に持たせるヒルト。

 重いのかなと思って見ていると、軽々持っている祥太。

 あっちこっち眺めて見ている。

 そんな祥太に「投げてみろ」と言うヒルト。

 オイオイ、ここで投げたらダメだろう?!

 ユーグさんも頭を抑えている。

 そこら辺はしっかり者の祥太。

 ちゃんとヒルトに、そんな事したら危ないだろうと言っている。

 子供に叱られる騎士団長。

 この国大丈夫か?

 俺がそんな事を思ってユーグさんを見ると、むっつりとした顔でヒルトを睨みつけていた。

 常日頃からいろいろ思う所があるようだ。



 最終的に一つ持って、騎士の練習場で投げてみる。

 もちろん投げたのは祥太。

 ちょうど野球のボールと同じ大きさだから、ピッチャーのフォームで投げる。

 少し軽い分、投げづらそうだ。

 球はクルクル回って、段々と球その物が()()()なっていく。


 ” ドカーン!! ”


 そして落ちた所は大きく抉れていた。

 球はクルクル回りながら、その場で穴を掘っている。

 球はハリネズミの様に棘だらけになっているからだった。


「スゲーなぁ祥太!めちゃくちゃコントロールいいじゃねぇか♪」


 そりゃあ祥太は野球チームに所属しているからな。


「えへへ褒めてくれてありがとう。とても面白い武器だね。楽しかった♪」




 祥太は騎士達に投げ方を教えている。

 腰を使った投げ方はなかなかのモノだったそうだ。

 笑い合い、次々とただの玉を投げていく騎士達。

 祥太とそう変わらない者もいる。


 ”あんな歳から仕事してんだな”


 しみじみと尊敬し見ていた。


「ショウゴ」


 声をかけられそちらを見ると、クラウドさんが王様の姿で現れた。

 これはちゃんとご挨拶しなければならない場面じゃなかろうか?!

 わかっちゃいるけどわからない。

 だって俺こっちの挨拶の仕方知らないから………


「ショウゴ気にしなくていい。お前とは友人で相談役だからな(笑)」


 俺がワタワタしているのがわかったのだろう。

 クスクス笑って握手を求めて来た。

 俺が手を出すとしっかりと握る。


「来てくれてありがとうショウゴ。ホントに嬉しいよ。いろいろと迷惑かけるけどよろしく頼む。それから滞在時間なんだが………」


 困った顔で俺を見るクラウド。


「わかってる。俺は想定として、明日の今ぐらいまでと思ってるんだ。」


 俺は頷いて自分の予想と予定を言う。

 クラウドさんもそれに頷いてため息をついた。


「中々の強行な判断を強いられそうだな」


 何分ホント時間が短い。

 クラウドさん達も帰ってから、少しずつやり方を変えたりしているらしい。

 でもそう簡単に変わらないのが現実だった。


「そろそろ暗くなります。私どもの世界は暗くなったら、何も見えなくなりますからね。」


 そう言ってユーグさんが城内へ戻る様に言った。

 祥太とヒルトも、こちらに向かってきている。

 その後ろには、祥太と同じくらいの子がいる。

 そして高校生くらいの子が2名。

 もう友達になったのかな?


「おじちゃん、こっちのお兄ちゃん達はヒルトおじちゃんの子供なんだって、僕より1つ上のお兄ちゃんがクラウドおじさんの子供。」


 そう言って紹介する。

 ヒルトは俺を見て


「こっちが長男のクリス、そして次男のアランだ。」


 と伝える。

 だから俺も名前だけ伝えた。


「初めまして省吾といいます。祥太がお世話になったようでありがとう」


 ニッコリと笑って隣に来た祥太の肩に手を置いた。


「おじちゃん、クリス兄ちゃん、もう騎士の隊長さんなんだよ。アランお兄ちゃんは学生さんなんだって」


 ニコニコ笑って大きい兄貴が出来て嬉しいようだ。

 ついでに片方は憧れの騎士だからな。

 そんな祥太を微笑ましくみているヒルトの息子達。


 ”ヒルトよりしっかりしてなくないか”


 俺はそう思うユーグさんを見る。

 するとユーグさんは俺の気持ちが判ったのだろう。

 俺の目を見てしっかりと頷いたのだった。


「ショウゴそして私の息子のシリウスだ。」


 クラウドさんに言われ、一歩前に出て挨拶するシリウス君。

 そんなシリウス君に、ニッコリとほほ笑んで手を振っている祥太。

 それを見たシリウス君は、お澄まし顔からニヤリと笑った。


 ”うん、クラウドさんの息子だな。あのニヤリは確かにクラウドさんだ”


 俺が遠い目で見ていると、ユーグさんは手を口に当て隠れて笑ったのだった。




 ******************




 食堂では3人衆の家族と会う事になる。

 ユーグさんは奥さんと6歳になる娘さん。

 クラウドさんは奥さん二人と息子3人に娘2人。

 そしてヒルトは息子2人。

 祥太はキラキラした目で子供達を見ている。

 もちろんそれは向こうも同じ。

 一応祥太や俺に関して話しているそうだ。

 祥太は8歳、あの中では下から2番目になる。

 テーブルには、所狭しと並べられた料理。

 並べ終わるとクラウドさんの近くに料理人が2人待機している。

 クラウドさんが言うには料理長ってヤツだ。


「ショウゴ、これが俺達の国の料理だ。忌憚なき感想をよろしく頼むぜ。この二人は美食の国の出身者

 だ。料理長、昨日ショウゴの手料理食べたが、美味かったぞ。俺が寝ぼけてボーとしている間に作っちまった。すげぇだろ♪」


 俺は顔を引きつらせる。料理長の目がマジこえー。


「ヒルトおじちゃん、僕もお味噌汁とカレー作れるんだよ」


 祥太は小3になり、料理を始め今はカレーの級になったらしい。

 うちの実家は、出始め米炊きからおにぎりと段階的に料理を教える。

 なんでも祖父が、料理ができると損をしないからと教える様になったそうだ。

 実際親父も料理を教わり、損をしない処か得しかないと子供の俺達にも施した。

 一般的日常生活に困らない程度の料理だ。

 それ以上は独自でってのがポリシーだ。

 だから姉はエスニック料理にハマり、俺は簡単お手軽料理にこだわる。

 親父はキャンプ飯。

 みんな独自に進化していくのだ。

 祥太はまだ進化前の基礎段階、これから少しずつ変わっていくのだろう。


「祥太、カレーは茶色ソースの香辛料を使った料理だよな?お前アレが作れるのか?」


 ビックリした様に聞くアラン。

 クリスも興味深げに見ている。

 そういやカレーパン食べたんだな。

 クラウドさんとユーグさんも、驚いて祥太を見ている。

 それ以外の家族は何のことかわからない。


「カレー何それ??」ってヤツだ。


「祥太お前カレーが作れるのか?実はこの前カレールーを買ったんだ」


 クラウドさんは祥太に言う。

 パッケージの説明書は日本語、いざ使うとわからないのだろう。


「僕もう3回は作ったよ。バッチリねって言われた♪」


 ニコニコ笑いながら言う祥太。

 という事は次の段階ハンバーグとポトフに行くだろうな。


「ショウゴ、祥太にカレーの作り方を教えて貰ってもいいか?」


 ユーグさんが俺に聞く。


「祥太次第でしょ。祥太カレーの作り方を知りたいらしいけど大丈夫か?」


 俺は祥太に聞いてみる。

 コイツはこだわると結構質こだわるタイプだ。

 もしかしたら、カレールー無しも知っている可能性がある。


「もちろん大丈夫だよ。お母さんにカレーのルー作りから教えて貰ったもの。僕にもこだわりがあるんだ

 よ。僕独自のカレールーを作るのが楽しみなんだ。」


 やっぱりな、祥太はそんな奴なんだよ。


「祥太お前すげー奴だな!!」


 キラキラした目で見るヒルト。

 好きだもんなカレー、実家で何回もおかわりしていた。


「ヒルトおじちゃんが食べたのは、お母さんのカレーなんだよ。僕のはまだまだお子様カレーなんだ」


 謙遜しながらも、凄いだろうと胸を張る祥太。

 他の人達はそのカレーが、美味なるものというんのはわかるのだろう。

 好奇心いっぱいで祥太を見ている。

 しかし困ったな。

 料理まで手を回すと、ホント帰れなくなるぞ。

 料理は恐ろしい程の吸引力があるもんな。


 そしてもう一つ気になる事がある。

 みんなが時々チラリと俺の腕を見るのだ。

 そうヒルトから貰った腕輪だ。

 なぜだろう………嫌な予感がする。



 なんだかんだと、やる事が増えていく。

 大丈夫なのか?全部中途半端でさようならなんてしたくないぞ。

 祥太だってそうだ。


 ”コイツ職人気質だからな。こだわったら面倒な事になる”


 俺は食事中なのに胃がキリキリしてきた。


「それじゃ明日野外カレーなんかどうかな?」


 突然祥太が提案している。


「「「野外カレー??」」」


 三人衆が首をかしげる。


「そうだよ。大きなお鍋で作るんだ。外で食べるカレーは凄くおいしいんだよ♪」


 目をキラキラして言っている。

 俺は更なる不安に苛む。

 隣に座る側室の奥さんにコソッと聞く。


「あのすみません。少しお伺いしたいのですが………」


 突然話しかけられ驚かれたが、チラッと周りを見て頷かれた。


「あの香辛料の価値って如何ほどなんです?」


 俺の意味不明な質問に戸惑う奥さん。

 すみません。俺はそれが今とても気になる。


「あのカレーという料理は、香辛料を使う料理なのでしょうか?」


 奥さんの話の流れで、俺の懸念がわかったようだ。

 俺が頷いていると


「香辛料を使う事は、商家のお金持ちのステータスと言えばわかり易いかしら」


 俺は少し考えて、商家と貴族の金持ち具合が分かりづらい。


「大店、他国に支店があるお店位なら気楽に使えますわね」


 更にわかりづらくなる。

 しかし一般庶民には食べれないという事はわかった。


「ありがとうございます。」


「いいえ、お役に立てたようで良かったですわ」


 ニッコリとほほ笑んでくれた。

 よし美人さんの笑顔を貰ったが、話はどんどん進んでいた。

 野外カレーは、異世界のルーを使って子供達で作るようだ。

 料理を作るという事に興味を持ったようで、うちの実家の方針を聞き決めたようだ。


 そして香辛料を使った方は、料理人に教える事になったようで、ヒルトの息子たちが付き添いに付く。


 俺はその間3人衆と、執務室で話し合いってな感じなんだが………

 ホント間に合うのかね。

 俺は不安で仕方ない。



 早速異世界料理を食べてみる。

 始めにサラダから、味付けは柑橘系に塩と胡椒、油はなし………

 スープを飲む。なんかコクが足りないだよなぁ。


「ねぇ。料理人のおじちゃんコレだし取ってるの?」


 ウワ~~~…… 疑問に思った事は素直に聞く。

 現代日本では褒められることだが………


「祥太、とりあえず食べよう。まとめて聞いた方がいいだろう?」


 俺はとりあえず、先送りという手を使う事にした。

 それまでに対策を考えればいい。

 俺の胃はさらなる苦痛に苛むのだった。


 胃に穴が開きそうだ。マジで………



 そこから祥太は黙って食べてくれる。

 ただその前にメモ帳を要求してきたけどな。

 食べながら、審査員のようにいろいろと書いている。

 まあ日本語だから見ても判らないけどな。

 ただこちらの世界の人は、紙にチャカチャカと書いている祥太に興味津々だ。

 隣に座っているユーグさんの奥さんが何か聞いている。

 それに笑って答える祥太。

 娘さんは鉛筆を、祥太に借りて眺めていた。

 一見穏やかな光景なんだけどな。

 クラウドさんの隣にいる料理長らの顔を見たら、そんな事言えないよな。

 そんな状態を、愉しげに見ているのは三人衆だ。

 もう愉しみですってオーラが半端ない。

 だから、おのずと祥太は注目の的になる。

 そんな状態でも我関せずな祥太は、黙々と味を見てはメモっていた。

 多分使命感で頑張っているんだろうな。

 行く前にヒルトに言われていたんだ。


「祥太お前もよろしくな!少しでも良くなるようにしたいから、気づいたら何でも言ってくれ。()()()()()()()()()()()()()()()


 その時の祥太は、ホントに生き生きとした表情で頷いていた。



 ”やる気に満ちているな”


 そんな祥太の邪魔はしたくないし、横やりも入れさせたくない。

 だから俺は料理長らに牽制の意味を込めて、意味深な微笑みを浮かべて料理を食べた。

 そんな俺に気がついたのだろう。

 少しずつ俺に注目が集まっていく。

 でも俺は何事もない様に少しずつ、食べては頷いて時には首を傾げて、そして手を止め料理長らを見た。

 ヒルト達はそんな俺をニヤニヤしながら見ている。


 ”ホントに面倒くさいんだけどな”


 俺は痛む胃を宥めながら、ニッコリと笑い言った。


「祥太、肉を食べてどう思った。」


 俺は祥太に聞く。


「臭いし硬かった。味も微妙」


「どうしてだろうな?」


 的確に答える祥太に更に聞く。


「動物臭いから、古いお肉なのかな?」


「いえ、それは今日仕留めた肉です。」


 祥太の疑問に料理長が答える。


「へえーここでは熟成期間とかしないんだね。でも何で臭いんだろ?」


 熟成がないか、冷蔵庫がないからな。


「なんでだろうな」


 更に質問をする。


「なので香辛料などを使い味を付けてます」


 料理長が答えた。


「その味が微妙なんだよね」


 がそれに関して感想は美味しくないと言っている。


「それは子供なので」


 料理長の意見に祥太は吠える。


「子供がいる事わかってるのに、何で同じにしてるの?普通別に作るもんじゃないの。お母さんはちゃんと大人の味と子供の味を作ってるよ」


「確かにな。祥太一人の為に、ちゃんと分けて作っていたな。どれも美味かったな(笑)」


 実家でカレーを食べたヒルトはその時の感想を言う。

 というかお子様カレーも食べてたのかよ!


「料理長は、沢山の部下がいるから作れるでしょ。僕以外の子供もこんなにいるんだよ。パーティーでは、ちゃんと大人用・子供用って分けてる?」


「パーティーではあまり食べられることないので………」


 その質問は、料理長も思う事があるのだろう。

 表情がとても辛そうだ。

 だから祥太は周りにいる大人に言う。


「それじゃ何で料理を置いているの?勿体ないし、せっかく作ったもの食べないとダメだよ。だって料理になるまで、たくさんの人が関わって目の前にあるのだから、ありがとうと思って食べないとね。だからね。料理をする人はそんな食材を無駄にしない様に、食べて貰える様に美味しく作らなきゃダメなんだ。とても責任重大なお仕事なんだよ。日々研究って言ってたよ。僕の知ってる料理人は」


 怒涛の如く思った事を言う祥太。勿体ない事は許せない。

 そして日々精進。日々研究。うちの実家の口癖と近所のラーメン屋のおっさんの言葉だ。

 祥太は親父と、よくその店でラーメン食べている。

 裏で骨の処理を見ては、時々手伝って(遊んで)いるようだ。

 だから祥太は気づくだろうな。

 ラーメン屋のおっさんはよく言っていた。

 ()()()が味の決め手だよ。()()はしっかり取らないとな。

 これだけでここの料理の味も、大分変わると思うのだ。


「何とも耳の痛い話だな」


 クラウドさんは苦笑交じりに言う。

 他の者達も同じようで、ユーグさんの娘さんなんかキラキラした目で見ている。


「祥太、すげーじゃねえか!そうだよな、出されたものは食べないと勿体ないよな!でも美味しくないと食えねぇよ。ホント料理人は責任重大だな!!」


 ヒルトはそう言って、うんうんと満足気に頷いている。

 その息子達もそうだそうだと、祥太に笑って言っている。

 概ね賛同を得たようだ。

 いろいろ言われた料理長らも、優しい目で祥太を見ている。

 パーティーで作る料理は特別な物だ。

 ある意味、国の威信をかけているので、手を抜くことはできない。

 それでも残されるのが、ほとんどとわかっている料理。

 なんとも気持ちのいいものではないだろう。

 そこを祥太が食べないとダメだと言い、やる気を失いつつある心に活を入れたのだ。


 ”ホントお前は凄い奴だよ。祥太”


 祥太のフォローをするつもりでした事が、斜め上に祥太が解決した。


「祥太様、後でいろいろと教えてください。品評楽しみにしております。」


 料理長達はそう言って、ニッコリとほほ笑んだ。


「僕が知っている事を教えるね。ラーメン屋のおじちゃんにも、いろいろ教えて貰ったからね♪」


 祥太の嬉しそうに応える。

 しかし………


「「「ラーメン!!!」」」


 祥太の何気ない一言に、凄い反応をする3人衆。

 オイオイ、テーブルから立ち上がるのはマナー違反じゃないのか?!

 祥太に話かける内容は、ラーメンも作れるのかというもので

 祥太は隣でよくお手伝いをしているから基本のスープは知っていた。

 それを聞いて泣いて喜ぶ3人衆。


 はっきり言ってそれ以外の皆はドン引きした。(使用人含めて)



 というか………ホントに明日帰れるのか??

 何とも不安な幕開けだった。






 ******************

 実家の料理級


 10:ご飯級 米とぎ・炊き おにぎりを作る。  

 9:だしの級 鰹節と昆布だしを作る。一番だしはあえ物 

 8:味噌汁の級 煮干しだしや調味料だしで味噌汁・スープを作る。

 7:焼きの級 素材のものを焼く。(卵焼き含む)

 6:炒め物の級 いろんな野菜で炒め物をする。

 5:カレーの級 カレールーを使って作る。サラダも作る。

 4:ハンバーグとポトフ級 ハンバーグとポトフを作る。

 3:煮物の級 二番だしを使って作る。

 2:気になるの級 自分の知りたい料理法を知る。

 1:1汁2菜級 朝食を作ってみよう。






読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

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