ひま
「GMコールか、会社側で対応してくれないみたいだな、仕事しろよ8時間なんだから」
思わず現実世界に戻されるGMコールに返事をする。
「あのう、良いですか」
「どうぞ」
「死んだの3回目なんですけど30年で」
プレーヤーからの言葉に、すぐロストして成人になってロストでもう一度、ゲームだからと不用意過ぎるのか運が悪いのか何かなと思っていると、
「赤ん坊をもう一度しなきゃいけないなんて苦痛です。生まれた家も今回なんか貧民でおっぱいも満足に出てこない代物で後15年生活しなきゃならないなんて苦行ですよ」
時間的に言えば数分なのだが、
「それがこのゲームの醍醐味ですし、子供が生まれれ孫以降ならその子に転生が可能ですし」
「それが苦痛なんだよ、何とかしろ、それかログアウトさせろ」
「何とも出来ませんし8時間たつまでは緊急事態にならなければログアウトできませんよ」
そう言うと悲鳴と罵詈雑言になったので回線を切断した。
「楽しめないときついのか8時間だけど2000年だし」
今更ながらにこのゲームの過酷さを身に染みる。実際は8時間だが体感の時間は2000年で私もそれぞれのNPCは結婚して子供を育てあげて2代目が活躍し始めており鍛冶屋と商人そして薬師のキャラクターも息子や娘に譲っており商人はNPCの妻だが薬師はクリックと、鍛冶屋はファイターと結婚しており、ギルド長は受付の金髪の職員を口説き落として子供を育てていた。
☆
「おやじもう引退しても良いんだぞ」
息子が気を使ってくれているのはわかるがまだまだ負けんと言う自負はあるので、
「お前がペネトンの素材をわしより上手く扱えたらな」
「上手くって親父の技がすごいから、この世の鍛冶屋の中でもマスターと呼ばれてるくらいだから無理に決まってるだろ、だから隠居しろっていってんだよ」
何時ものように何時もの喧嘩を始めてしまい妻から、
「ベントウレも来年結婚するんだからいい加減にしなさい」
そう言われて私は店を出ると酒場に向かった。
「まったく息子も息子だが妻もわしを邪魔物にしおって」
席に座ると勝手に何時もの度数が高いエールが出てくるのを1杯先ずは飲み干す。
もう一杯直ぐに出され掴むと両脇に座ったので、
「かわりばえしないのうお前らは」
「それはお互い様」
「邪魔ですからね」
そう言ってギルド長と薬師が私をはさんで座りその前に同じエールが出された。
「引退しろってうるさいんだよな」
「うちの嫁も」
「なんか良いことないかな」
3人の男達はエールをおかわりしながら1人が、
「言われ無いようにすれば良いんだよ」
そう言うと今さらどうやっても言われるのに何て事をと言いかけ次の瞬間歓喜にかわる。
「冒険者になってしまえば言われないですむ」
結果的に引退になるがそれよりも小言を貰うのが我慢できずにいたので3人とも同意した。
☆
「内緒に決まってるだろ、手紙はギルドに依頼してだ」
唯一幸せな商人がやって来て仲間が嬉しそうにしているので聞くとそう答えたので驚く、
「お前は真面目だからな、良いぞ来なくても」
そう言われて真面目と言われればその通りだが私も妻から引退を言われて計画通り進めている。
「計画だと、そんなことばかりしてるから真面目が取り柄だけの息子なんだよ」
「わかった。それなら今夜出発しよう、倉庫に委託を受けた装備もあるし」
売り言葉に買い言葉で計画なしに出発することを決めそれぞれの家に戻りこっそりと準備すると私の店に集まった。
「今夜は我々だけで話し合いをするから早くあがって良いよ」
店員を早めに部屋に返すと3人が到着して装備を決めていく、
「わしはファイター、ギルド長もだな、薬師は回復、商人はスカウターだな」
商隊を率いて時に弓は使っていたにで同意してついこないだ購入した軍馬4頭がいたので引き出すと食料や水を積込み出発した。
「しかし最近の神聖教会は何かしてるよな」
「ギルドでもそうだが上位に近いところまで介入しているみたいで対応するか」
「プレーヤーもだがNPCも成長し続けてる」
「兵器としては良いと言うことかな」
私の操るNPCは見事に育ったようでそのような話をする。
必要以上にシステム介入はしたくはないがまあそのうちにとこの四人の行動を見ながら新たな世代へ継ぐものとして楽しんだ。
「本日は丁度600年がたちました」
システムからのコールにあきらめがある。
「3時間もたっていないが私達は600年、この監獄にいること自体耐えられないと言うことか」
プレーヤーあきらめが中にも記憶が残ることによる弊害が大きくなり数世代前に記憶をリセットしてしまった。
その事によりプレーヤーの優位性が落ちてきたと言う事とNPCが独自の文化などを発展させ神聖教会はシステム介入を神の恩恵と呼び生き返らせたり等と言うのを発展させ今やギルドを越える勢力になりつつある。
当然神聖教会にも私のキャラクターはいるが制御をかけると感ずかれて面倒になるので様子見を続けている。
「この者は神聖教会の権威をおかした。許されざる冒涜であり挑戦である。よって死刑を言い渡す」
プレーヤーの一人が力をつけTOPクラスの戦闘力を得た。
称賛に値するものでドラゴンを討伐してドラゴンスレーヤーの称号を得たが神聖教会は聖騎士になるようにと言ったが拒否をしてと言うところだ、
「ふざけるな何で拒否で死刑なんだ」
プレーヤーはそう叫ぶが気にもせずに執行しようとしているので私が出る。
「申し訳ありません、ギルド会員を我々に相談せずに刑罰を与えるのはどうかと思いますが」
「ギルド長か、我々がする事は神の意思なのですよ」
鼻持ちならない司教は神の名を語るがギルドの権利を守るために引けない、
「何度も申し上げているでしょう。冒険者である間は我々の大切な者達ですから譲れません」
「我々に挑戦すると言うのか、破門にするぞ」
逆らえば破門、人として生きる権利を奪われ奴隷としてと言うことだがギルドも脈々と力をつけてたので無視できる存在ではない、魔王が復活して魔物が出没しはじめると冒険者が居ないと聖騎士だけでは押さえられずにいるにが現状だ。
「破門にすると言うなら神聖教会の依頼を受けることは一切ありませんがよろしいですね」
そう言うと取り巻きが司教になにか言うと、
「今回はギルド長の顔を立てよう、次回はないぞ」
そう言うと引き下がり私はプレーヤーをつれてギルドへ戻った。
「クラウス、ギルドとしてお詫びをする」
私の不在の間にあの司教が行動を起こし処刑にぎりぎり間に合ったと言うことで謝罪をする。
「あれはまずいよな、NPCだろ連中」
「ゲームの中での進化と言うか成長だから、いずれ次の何かがおきるさ、所で提案なんだがギルド職員にならないか」
こんな提案をしながら了承してもらいこの件はと言うことだった。
「ラザンで暴動が起きたようです」
ギルド会議で各支部長と水晶経由で話をしている。
神聖教会は国王の力さえも押さえつけており勝手に徴税を行い結果、重税になり暴動が起きている。
「また国王が軍を編成してと言うことか、督戦として聖騎士」
救い様の無い状態にギルドとしてどうすると言うのが議題で皆沈黙する。
「我々は依頼があって始めて動けると言うことです。魔物の依頼討伐を行うことにかわりはない」
支部長あの中にも徐々に取り込まれているのも見受けられるので不用意なことは言えない基本的な事だけを伝えて終わった。
「神聖教会が死人を甦らせたって」
システム介入で失った魂のデータを呼んで元に戻したと本当なら聞き捨てならない、
「反乱分子に襲われて亡くなった司教を生き返らせたと、それと」
ギルドの諜報を司る頭は呆れたように、
「聖騎士があのドラゴンスレーヤーに完勝したと」
「強いのが出てきたってことだろ」
「いえ、最低ランクの騎士が翌日にと言うことで」
どんなチートを使ったんだ坊主どもが、
「引き続き調べてくれ」
そう言うとドラゴンスレーヤーであるクラウスを呼び出して事を確認した。
「全く訳がわかりませんよ、さんざんこけにした奴が翌日に剣圧も剣技も圧倒的で叶わなかったんですから、どんなチートを」
苦情を聞きながら一度調べてGM権限で修正なり封印なり必要かなと思いながら様子を見ることにした。




