最終話 バッドエンドとハッピーエンド
これが真のラストです。
どうぞお楽しみください!
妖術師も消え誰も居なくなった一室でバレロッグはゆっくりと目を閉じる。
王が消えた後と同じ世界をもう一度作り上げてしまったという後悔と王を殺せたという嬉しさが混じり微妙な感情になっていた。
「王よ。いい仲間を持ったな......」
王が居なくなってから創造神は一人でここまで来た。確かに妖術師に手を貸して貰ったが仲間ではない。少しばかり羨ましく思う。
「確かに私はいい仲間を持ったようだよ」
どこからともなくトレースの声が聞こえた。それが分かっていたかのように目を開けそちらを見る。
「やっと来たか。ちょっとばかり遅かったのでは?」
「王がこの世界で死なないって知ってたんだ。こっちは死んでやっと知ったのに」
「ああ、だからお前はこの世界を作った後向こうの世界へと行った」
本当は今すぐにでも創造神を殺したい気持ちで一杯だった。ただそれをしても意味がないと察した。ここまで共に歩んできたティグリスやミュリエルはもういないのだから。
「ねぇ、ティグリスとミュリエルを生き返らせることってできないの?」
「プレイヤー、NPC、神、それら全ては死ねば消える。人間だってそうだろ?」
「そう......だよね」
「この後どうするんだ?もう一度向こうの世界に戻るか?」
トレースは暫く考えた後近くの部屋に行き椅子についた。そしてゆっくりと目を閉じる。
「ここにいようかな。もう目標も無くなったし。プレイヤーがこの世界でどう楽しむのかここで見ているよ」
「そうか。なら私はここを去ろうか」
「ありがと」
バレロッグは部屋を出ようとした時トレースが話しかけた。
「ねぇ、本当に私の物語はバッドエンドだったと思う?」
トレースは左腕を気にしながらバレロッグに話しかける。バレロッグはその場に立ち止まった。
「どうだろうな。あれで終わっていたらバッドエンドだったかもしれんが今生きてる以上まだ終わってないのでは?」
「やっぱりそうだよね。でも、もうハッピーエンドには繋がらないね。みんな死んじゃったし......」
「質問いいか?」
「立ち話もあれだし座りなよ」
ドアの前で立っているバレロッグを座らせようとする。それに同意してバレロッグは近くにあった椅子に腰かける。
「それで?質問って?」
「ハッピーエンドを望むかこのままエンドを迎えるか」
「このままエンドでも別に構わない......けど、」
トレースが言葉を惜しんだ。そして涙を零しながら言った。
「もう一度、会えるなら、会って......礼を言いたいな。トレースって、名前......くれたの、ティグリスだから......」
言葉が続かない。わかっているのに言いたいことが分かっているのに言葉が出ない。
「ありがとって......」
この世界にきて最初にあったのがティグリスだ。そしてここまで一緒に来たのもティグリスが居たから、そしてミュリエルもいたから。
その人達に一度でいいからお礼を言いたい。まだ言ってない。
無き左腕を抑えながらトレースはかがみこんだ。
「そうか。ならここで私を殺してこの世界ごと崩壊させるか?そしたらトレースも死と同じ状況に至る。そこでティグリスに会えばいい」
「ふざけないで。そんなことで気が済むなら戻ってきた瞬間に殺してる」
「それじゃ私は失礼するよ」
そう言うとバレロッグは立ち上がりドアを出て行った。
その部屋にはトレース1人。向こうにいた時と全く変わらない一人の生活。それはこの世界にきて忘れたものでもあった。なぜならこの世界にきて一人が無かったからだ。
そう。この世界にきてずっと近くに誰かいた。
トレースは創造神が作った場所で一人で暮らす。
それはこの先ハッピーエンドが待っているのか。またはこのまま何もないバッドエンドなのか
それを知るのはトレースだけがわかるトレースの物語である。
おっと。誰かがトレースのいる部屋のドアを開けようとしている。
「おいトレース。なに下向いてんだよ。顔上げろトレースらしくねえな」
END
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おまけコーナーではなくあとがき
今回はおまけコーナーはないです。よくあるあとがきです。
まず最初に冒険者で異世界ををここまでご視聴いただき本当にありがとうございます!
ここまで続けられてきたのも見てくれる人が居たからこそだと思っています。
ここからは長くなるので見たい方だけどうぞ!作者の感想等です。
この作品自体遊び半分で最初始めましたが、やっていくうちに楽しくなり気づけば最終回を迎えているという自分でもかなり驚いています。
終わり良ければ総て良しといいますが実際自分で書いてて少しばかり感動しています。多分見ている側は感動するで終わるかもしれません。もしかしたら「おー終わったか」だけの感想かもしれませんが作者は最終回書いててよくここまで来れたなとか色々な思い出が過って結構感動しています。
本作では伏線を多少入れて行動してきましたがその伏線を回収できてない場合があったりします。そこの所は各自の想像にお任せします。みんながどう思うのかそれを考えるものまた面白いです。
実際自分で一話を読み返すと少し黒歴史感が出てすごい嫌なんですけどもう一度一話から読み直してみようかなと思います。ただ一つ言えることは一話に比べて物凄くよくなったと感じています。
本作はここで終了ですが小説は来年辺りからまた新しいのを書こうかなと思っています。
え?終わりが続編ありそうだって?いやいや、その先は皆さんのご想像にお任せします。最後一体誰が来たんでしょうね。
最後になりますが本当にここまでご視聴いただき誠にありがとうございます。
次回作もよろしくお願いします!
見ていただきあありがとうございます。
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