表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/27

古代語

サトゥルドス子爵邸で過ごす休暇は、学院とはまったく違う時間が流れていた。

学院では、朝を告げる鐘と共に一日が始まる。

決められた時間に教室へ入り、教師の講義を聞き、実技場で魔法を使う。

食事の時間も、消灯の時間も決められていた。

けれど、子爵邸では違う。

朝は鳥の声で目を覚ました。

窓を開ければ、庭園にはまだ白い霧が薄く残り、朝露をまとった草木が柔らかな光を反射している。

顔を洗い、簡単な服へ着替えると、俺はアークを連れて庭へ出た。

『主! 今日はあっちまで競争です!』

アークが広い庭園の端を鼻先で示す。

「昨日は負けたくせに」

『昨日は地面が滑りやすかったんです』

「晴れてたけど」

『風向きが悪かった』

「関係ないよ」

『今日は負けませんで!』

言うが早いか、アークは芝生を蹴って走り出した。

「あ、ずるい!」

俺も、その後を追う。

朝霧を切り裂くように、黒と白の毛並みが庭を駆け抜ける。

アークは花壇を飛び越え、植木の間をすり抜け、時折こちらを振り返って得意そうに尻尾を振った。

『遅いですな、主!』

「まだ着いてないだろ!」

『勝負は既に決しました!』

「言ってろ!」

屋敷の使用人たちは、最初こそ庭を走り回る客人と犬を驚いた顔で見ていた。

だが数日もすれば慣れたらしい。

庭師は笑いながら道を空け、侍女たちは遠くから手を振ってくれるようになった。

ひとしきり走り回った後は、庭の噴水近くで息を整える。

アークは舌を出し、芝生の上へ大の字になって寝転がった。

『朝から走った後の水は格別ですな』

「犬が酒飲みみたいなことを言わないで」

『水の味が分かる犬です』

「そうですか」

朝食を終えると、俺は屋敷の書庫へ向かった。

サトゥルドス子爵家の書庫は、屋敷の北棟にあった。

分厚い木の扉。

壁一面を埋め尽くす書棚。

天井近くまで並ぶ本。

領地経営に関する記録。

歴代当主の日記。

税や作物の収穫量を記した帳簿。

魔物の図鑑。

軍事書。

そして、遺跡から発掘された古代文献。

部屋へ一歩入れば、乾いた紙と革、埃の混じった独特の匂いが鼻をくすぐった。

子爵家が保管している古文書の多くは、千年以上前に作られた羊皮紙だった。

年月を経て黄ばんだもの。

端が崩れかけているもの。

水濡れの跡が残っているもの。

文字が薄れ、光へかざさなければ読めないものも少なくない。

一冊でも失われれば、同じものは二度と手に入らない。

そのため、扱いには細心の注意が必要だった。

机の上には柔らかな布が敷かれ、文献を直接硬い木へ置かないようにしてある。

手の脂や汗が羊皮紙へ付かないよう、薄い手袋も用意されていた。

ページをめくるのは、古文書の管理を任されている老執事の役目だった。

彼が一枚ずつ慎重に持ち上げ、俺は隣へ置いた新しい羊皮紙へ文字を書き写す。

一文字。

また一文字。

線の長さ。

角度。

点の位置。

わずかな違いも見逃さないように、目を凝らす。

「そこは文字が欠けていますな」

老執事が、文献の一部を指差した。

羊皮紙の端が欠け、文章の一文字分が失われている。

「……ええ」

俺は前後の文字を眺めた。

この時点では、古代語を完全に理解できるわけではない。

それでも何冊も転写を続けるうちに、文法や語尾の規則が少しずつ見えるようになっていた。

同じ形で繰り返される文字。

文章の最後に置かれる記号。

数を示しているらしき並び。

人や物を区別する接尾語。

現代語とはまったく異なる。

しかし、言葉である以上、そこには規則がある。

「前後の並びからすると、この文字だと思います」

俺は別の頁にあった同じ表現を探し、老執事へ見せた。

「ここにも似た文章があります」

「ほう」

老執事は目を細めた。

「確かに形が同じですな」

「断定はできません。後で欠損部分だと分かるよう印を付けておきます」

「それがよろしいでしょう」

勝手に補えば、後世の人間がそれを原文だと誤解してしまう。

だから、欠けているものは欠けていると残す。

推測は推測として記録する。

地味な作業だった。

数時間かけて、数頁しか進まない日もある。

指は痺れ、肩は固まり、目の奥が痛くなる。

それでも不思議と苦ではなかった。

意味の分からない文字の中から、少しずつ法則を見つけ出す。

遠い過去に生きた者が残した言葉へ、僅かに近付いていく。

その感覚が面白かった。

昼になれば書庫を出て、レオンや子爵家の者たちと食事をする。

午後も書庫へ籠もる日があれば、気分転換に外へ出る日もあった。

サトゥルドス子爵が領内視察から戻ってからは、何度か狩りへ同行することになった。

子爵は、レオンよりさらに洗練された狩人だった。

馬の扱い。

弓を構える速さ。

獲物の足跡を読む目。

どれを取っても一流だった。

その日は子爵と数人の騎士、俺とアークで森へ入った。

朝露に濡れた下草を踏み、森の奥へ進む。

誰も必要以上に話さない。

馬の蹄には布が巻かれ、音を立てないようにしてある。

時折、子爵が拳を上げれば、全員がぴたりと止まる。

「右前方」

子爵が小さく呟いた。

「鹿だ」

木々の隙間。

かなり離れた場所に、若い雄鹿が立っていた。

風はこちらから鹿の方へ流れていない。

まだ気付かれてはいない。

子爵が俺を見る。

「モーリ。やってみろ」

「俺がですか?」

「客人だからといって見物だけではつまらんだろう」

子爵は自分の弓を差し出した。

俺がレオンへ贈った弓とは違い、貴族らしい美しい装飾が施されている。

だが持ってみれば、見た目だけの弓ではないと分かった。

硬い。

張りが強い。

並の人間では、まともに弦を引くことすら難しいだろう。

俺はゆっくり弓を構えた。

足を開く。

呼吸を落ち着かせる。

風向きを読む。

枝葉の揺れ。

鹿までの距離。

狙う場所。

弦を引き絞る。

鹿が頭を上げた。

その瞬間、指を離した。

矢が風を切る。

真っ直ぐに飛び、鹿の首の付け根へ吸い込まれた。

鹿はその場で崩れ落ちた。

森へ静寂が戻る。

子爵はしばらく獲物を見つめた後、満足そうに笑った。

「見事だ」

「弓が良かったんです」

「道具だけで当たるなら、兵士は誰も苦労せん」

子爵は俺の肩を軽く叩いた。

「レオンから聞いていた以上だ」

「学院では学べない経験です」

俺が弓を返すと、子爵は頷いた。

「魔法だけが強さではない」

仕留めた鹿の方へ歩きながら続ける。

「魔法は強力だ。だが魔力が尽きれば使えん。詠唱を許されぬこともある。敵が術式を妨害することもある」

子爵は屈み、鹿の傷口を確認した。

「剣を知ること」

「弓を知ること」

「森を知ること」

「人を知ること」

「それらもまた力だ」

その言葉は、深く胸に刻まれた。

魔物との戦いでも、人との戦いでも、生き残るのは単純に魔力が多い者ではない。

知識を持つ者。

状況を読む者。

使えるものを使える者。

黒霧の森で自然と身につけた考えを、子爵は明確な言葉として示してくれた。

夜になれば、俺は再び書庫へ向かった。

暖炉の火が、ぱちぱちと乾いた音を立てる。

窓の外は暗く、森の向こうから梟の声が聞こえてくる。

俺は机へ向かい、昼間の続きとなる古文書を書き写した。

アークは暖炉の前に寝転がり、時折寝返りを打つ。

『主』

「何?」

『まだやるんですか?』

「この頁まで」

『さっきも同じこと言うてました』

「さっきとは違う頁だよ」

『目ぇ悪くなりますで』

「分かってる」

『明日にしたらええのに』

「もう少しで区切りがいいから」

『勉強好きは理解できませんな』

そう言いながら、アークは大きな欠伸をした。

俺は苦笑し、再び古代文字へ目を落とす。

朝はアークと走り。

昼は書庫へ籠もり。

時には子爵や騎士たちと森へ入り。

夜は暖炉の明かりの下で、古代文献を転写する。

そんな穏やかな日々が続いた。


休暇も終わりに近づいたある日。

学院へ戻るまで、あと数日。

俺はアークと共に、再び古代遺跡を訪れていた。

レオンは屋敷で、領地経営について父親から話を聞いている。

発掘作業員たちも、その日は別の区画で作業していた。

巨大魔法陣のある地下空間にいるのは、俺とアークだけだった。

石造りの広間。

崩れかけた壁。

土の中から掘り出された柱。

そして床一面へ刻まれた、巨大な魔法陣。

幾重にも重なった円。

無数の線。

何千もの古代文字。

発見された時と同じように、魔法陣は静かにそこへ存在していた。

ただの石床。

魔力の光もない。

振動もない。

それでも、俺には眠っているようには見えなかった。

こちらが何かをするのを、待っている。

そんな気がした。

俺は魔法陣の縁を歩き、中央へ向かう。

靴音が石室へ反響する。

一歩進むたびに、自分の鼓動が大きくなる。

中央の小さな円へ到着した。

人が一人立つために作られたような場所。

俺はそこへ立ち、足元へ視線を落とす。

「アーク」

『また調べるんやな』

アークは少し離れた場所で座り、俺を見上げていた。

「ああ」

「今なら、何か分かる気がする」

『爆発とかしません?』

「しないと思う」

『その言葉、全然安心できませんわ』

「危なそうなら、すぐ魔力を止める」

アークは納得していない様子だった。

それでも俺を止めようとはしない。

『無理やと思ったら、すぐ呼んでくださいよ』

「分かった」

俺はゆっくりとしゃがみ込み、右手を石床へ置いた。

冷たい。

硬い石の感触。

目を閉じる。

体内の魔力を集め、掌を通して魔法陣へ流し込んだ。

最初は何も起こらなかった。

魔力が石の中へ吸い込まれていくだけ。

しかし、ある程度の魔力を流し込んだ瞬間。

――ブゥン。

低い音が広間に響いた。

手の下に刻まれていた文字が、淡い青色の光を放つ。

一本の線へ光が走る。

その光は枝分かれし、さらに別の線へ流れ込む。

一本。

十本。

百本。

やがて巨大な魔法陣全体が、青白い輝きに包まれた。

『主』

アークが立ち上がる。

俺は返事をしようとした。

その瞬間だった。

――ドクン。

頭の奥が、大きく脈打った。

「っ……!」

心臓が一度、強く跳ねる。

いや。

鼓動ではない。

頭蓋骨の内側で、何かが脈動した。

視界が白く染まる。

魔法陣も、石室も、アークの姿も見えなくなる。

代わりに、無数の文字が視界を埋め尽くした。

古代文字。

見覚えのない文章。

理解できるはずのない言語。

それらが猛烈な勢いで、俺の意識へ流れ込んでくる。

読む暇などない。

一文字を認識する前に、次の文字が現れる。

文章。

図形。

音。

発音。

意味。

膨大な情報が、雪崩のように押し寄せた。

『血統情報を確認。』

頭の中へ、声とも文字ともつかない何かが響く。

『管理者血統との一致を確認。』

「……え?」

『血統認証完了。』

『対象を臨時管理者として登録。』

『施設管理権限を一部開放します。』

次の瞬間。

頭の中で何かが弾けた。

「ぐっ……!」

激痛。

頭へ巨大な杭を打ち込まれたような痛み。

俺は右手を石床についたまま、膝から崩れ落ちた。

『主!』

アークが駆け寄る。

前脚を俺の肩へかけ、顔を覗き込む。

『主! 返事してください!』

「だい……じょうぶ……」

声を出すだけで、頭の痛みが増した。

無数の知識が流れ込んでくる。

文字の形。

文字の意味。

単語のつなげ方。

文法。

時制。

主語。

目的語。

命令文。

疑問文。

数字。

単位。

古代文明で用いられていた言語体系そのもの。

あまりの情報量に、意識が押し潰されそうになる。

だが不思議だった。

異物を無理矢理詰め込まれている感覚ではない。

知らないものを教えられているのとも違う。

長い間忘れていた記憶を、一つずつ思い出しているようだった。

見たことがないはずの文字。

聞いたことがないはずの発音。

それなのに、どこか懐かしい。

初めから俺の中に存在していた知識を、閉ざされていた場所から引き出している。

そんな感覚だった。

どれほど時間が経ったのか分からない。

数秒だったかもしれない。

数分だったかもしれない。

やがて、頭へ流れ込んでいた情報が止まった。

青白い光も徐々に弱くなる。

痛みが引いていく。

俺は荒い息を吐きながら、石床へ両手をついた。

汗が顎から落ちる。

『主』

アークが心配そうに鼻先を近付ける。

『ほんまに大丈夫ですか?』

「ああ……」

俺はゆっくり顔を上げた。

「大丈夫」

『頭、爆発したかと思いましたわ』

「俺もそう思った」

立ち上がろうとしたが、足へ力が入らない。

アークの背へ手を置き、支えにしながら立ち上がる。

そして、足元の魔法陣を見た。

「……読める」

自分でも信じられなかった。

今まで模様にしか見えなかった古代文字。

一つ一つの意味が、当たり前のように頭へ入ってくる。

外周へ刻まれた文章。

魔力供給方法。

起動条件。

指定座標。

送付対象。

重量制限。

誤作動防止機構。

文字を読むというより、見た瞬間に意味を理解していた。

俺は中央から外側へ向かい、魔法陣の文章を追っていく。

「これは……」

召喚術の授業で習った術式とは、構造が似ている。

だが目的が違う。

召喚術は、離れた場所にいる生物や物体を術者の元へ呼び寄せる。

しかし、この魔法陣は逆だ。

「召喚じゃない」

俺は思わず呟いた。

『違うんですか?』

「これは送還だ」

『送還?』

「遠く離れた指定地点へ、荷物を送るための魔法陣だよ」

人や魔物を呼び出すためのものではない。

この施設へ運ばれてきた物資を、あらかじめ登録された別の地点へ瞬時に送り届ける。

古代文明で使われていた、大規模な輸送設備。

荷馬車も、船も使わず、穀物や鉱石、武器、薬などを遠隔地へ運ぶための施設だった。

『ほんなら、これでどこかへ行けるんです?』

アークが魔法陣を見回す。

「荷物なら送れる」

『人は?』

「安全機構で禁止されている」

『なんや』

アークはあからさまに興味を失った顔をした。

俺はさらに刻まれた文字を読み進める。

この施設には、複数の権限が設定されていた。

一般作業員。

輸送管理者。

施設管理者。

統括管理者。

権限によって、操作できる範囲が異なる。

そして施設を起動するためには、管理者として登録された特定の血族が必要だった。

俺が魔法陣を起動できた理由。

知識を与えられた理由。

その答えも、そこに記されていた。

「この身体は……」

俺は自分の右手を見る。

「この施設を管理していた一族の血を引いている」

『主が?』

「ああ。」

俺は自分の右手を見つめた。

この身体は、この世界で生まれたものではない。

魂だけが転生したわけでもない。

俺は地球で土砂崩れに巻き込まれ、アークと共に、肉体ごとこの世界へ飛ばされてきた。

着ていた服も。

腰に提げていた鞄も。

身体に残っていた小さな傷さえも、地球にいた頃のままだった。

ならば、この魔法陣が認識した血は、この世界で新たに得たものではない。

俺が地球で生まれた時から持っていた血だ。

「どういうことだ……?」

魔法陣は、俺を古代文明の管理者一族に連なる者として認識した。

だが俺の家族は、ごく普通の日本人だった。

少なくとも、俺が知る限りでは。

父も母も、魔法など使えなかった。

古代文明について話していたこともない。

この世界との関わりなど、あるはずがなかった。

それなのに。

何千年も前に造られた魔法陣が、俺の血を正当なものとして受け入れた。

『壊れとるんと違います?』

アークが魔法陣へ鼻を近付ける。

『何千年も前のもんなんやろ。わいと主を間違えたんかもしれませんで』

「アークは認証されてないよ」

『犬やからですか?』

「たぶんね」

『差別ですな』

アークの言葉を聞き流しながら、俺は足元に浮かぶ古代文字を読み進めた。

血統照合。

管理者資格。

継承者。

記録された血統情報と、俺の血が一致している。

機械的な判定に、迷いや誤認の様子はない。

魔法陣は確信を持って、俺を管理者一族の末裔だと判断していた。

「もしかして……」

一つの可能性が頭に浮かんだ。

俺が地球からこの世界へ来ることができたのなら。

その逆も、あり得たのではないか。

かつて、この世界から地球へ渡った者がいた。

古代文明が栄えていた時代。

世界を越える魔法を使い、地球へ移り住んだ者たち。

その中に、この施設を管理していた一族がいたのだとしたら。

彼らが地球で子孫を残し、その血が何千年もの間受け継がれてきたのだとしたら。

「古代人が、地球へ来ていた……?」

口に出した途端、荒唐無稽な考えに思えた。

だが、俺自身が地球からこの世界へ転移している。

世界を越えることが不可能ではないと、俺の存在そのものが証明していた。

『昔、この世界の人が、主のいたところへ行ったっちゅうことですか?』

「まだ分からない」

『ほんで、その子孫が主やったと』

「そう考えれば、魔法陣が俺の血を認識した理由にはなる」

『何千年も前の血なんて残るもんですか?』

「普通なら、ほとんど残らないだろうね」

何千年もの間に、多くの人間と血が混ざったはずだ。

それでも魔法陣が反応したということは、単純に血の濃さだけを見ているのではないのかもしれない。

魔力の性質。

魂に刻まれた何か。

あるいは、古代の管理者一族だけが持っていた特殊な因子。

現時点では何も分からない。

分かるのは、魔法陣が俺を拒絶しなかったという事実だけだ。

「俺の祖先が、この世界の人間だったのかもしれない」

そう考えると、不思議な感覚が胸の奥へ広がった。

俺は突然この世界へ放り込まれたのだと思っていた。

何の縁もない異世界へ、偶然迷い込んだのだと。

だが、本当に偶然だったのだろうか。

俺がこの世界へ来たこと。

古代遺跡を訪れたこと。

この魔法陣を起動できたこと。

すべてが、遠い昔から続く何かによって結ばれているのかもしれない。

「いや」

俺は小さく首を振った。

今は推測にすぎない。

証拠もないまま結論を出すべきではない。

『管理者権限を確認。』

魔法陣から新たな情報が流れ込んでくる。

『血統適合率、規定値を充足。』

『下級管理者権限を付与。』

完全な管理権限ではなかった。

施設の設定を自由に変更することも、すべての機能を動かすこともできない。

俺へ許されたのは、保存されている情報の一部を閲覧すること。

施設の基本機能を操作すること。

そして、古代共通語を理解することだけだった。

それでも十分だった。

もし本当に古代人が地球へ渡っていたのなら、その方法を記した文献が残されているかもしれない。

この魔法陣は、単なる物資輸送施設だ。

地球へ戻るための装置ではない。

だが古代文明が世界を越える技術を持っていた可能性が、初めて現実味を帯びた。

「調べれば分かる」

俺は魔法陣へ刻まれた文字を見渡した。

「古代人が地球へ渡ったのなら、必ず何か記録を残しているはずだ」

『見つかったら、地球へ帰れるんですか?』

「分からない」

俺は正直に答えた。

「でも、今までよりは一歩近付いた」

この世界から地球へ渡った者がいる。

俺がその末裔かもしれない。

その仮説が正しいなら、世界を越える道は一度、確かに開かれていたのだ。

失われたなら、探せばいい。

壊れているなら、直せばいい。

方法が足りないなら、古代の知識を集めればいい。

俺は青白く輝く文字を見下ろし、自然と笑みを浮かべた。

「面白くなってきた」

『主、また悪い顔してますで』

「悪い顔じゃない」

『絶対、何か危ないこと考えとります』

「地球へ帰る方法を探すだけだよ」

『それが一番危ない言うてるんです』

アークは呆れたように鼻を鳴らした。

俺はもう一度、自分の掌を見つめた。

そこを流れる血は、俺が思っていたよりも遥かに長い旅をしてきたものなのかもしれない。

かつてこの世界から地球へ渡り。

何千年もの時を経て。

今度は俺と共に、この世界へ戻ってきた。

それが偶然なのか。

それとも、帰還と呼ぶべきものなのか。

まだ、答えは分からなかった。


長期休暇が終わり、学院へ戻ると、俺の生活は一変した。

授業が終われば、真っ直ぐ図書館へ向かう。

食事を忘れそうになりながら古代文献を読み、閉館を告げる鐘が鳴るまで席を立たない。

以前は意味不明な記号の羅列にしか見えなかった本が、今では普通の教科書と変わらない。

頁を開けば、内容が頭へ流れ込んでくる。

古代人の生活。

都市の構造。

魔力を利用した上下水道。

遠隔通信。

建築技術。

錬金術。

魔道具の製造法。

農業用の魔法。

天候制御。

召喚と送還。

そして、魔法陣。

一冊読むたびに、新しい世界が開けた。

現代で高度とされている魔法の多くが、古代文明では日常生活へ利用されていた。

火を起こす魔法陣。

水を浄化する魔法陣。

室温を一定に保つ魔法陣。

荷物を運ぶ魔法陣。

病気を診断する魔道具。

まるで地球の機械のように、魔法が社会の隅々まで組み込まれていた。

「すごい……」

思わず呟くことが何度もあった。

だが同時に疑問も湧く。

これほどの文明が、なぜ滅びたのか。

なぜ現代へ技術が受け継がれていないのか。

本には、その答えまでは書かれていなかった。

ある日。

古代魔法に関する棚を調べていると、一冊の薄い研究書が目に留まった。

表紙には、古代文字で題名が記されている。

『地方間送還魔法陣・農産物輸送』

俺は興味を引かれ、閲覧席へ持っていった。

頁を開く。

そこには、持ち運びが可能な小型魔法陣が描かれていた。

子爵領の遺跡で見つけた巨大魔法陣とは違い、直径は手のひら数枚分。

構造も比較的単純だ。

説明文を読む。

『登録済み生産区より、赤き甘果を一個搬送する。』

「赤くて甘い果実……」

挿絵を見る。

丸い形。

上部の窪み。

細い軸。

艶のある赤い皮。

どう見ても、地球で見慣れたリンゴだった。

この世界にも似た果物はある。

だが、挿絵の形は地球のリンゴとほとんど同じだった。

「やってみるか」

俺は魔法陣を新しい紙へ丁寧に書き写した。

線の長さ。

文字の向き。

円の位置。

一点でも間違えば発動しない可能性がある。

時間をかけ、何度も原本と見比べる。

完成した魔法陣を机の上へ置き、周囲へ人がいないことを確認した。

右手を置き、魔力を流す。

「……」

何も起こらない。

光らない。

音も鳴らない。

ただの紙のままだ。

「失敗か」

魔力を増やしてみる。

それでも何も変わらない。

俺は一度手を離し、魔法陣を確認した。

書き間違いはない。

線も途切れていない。

古代語の綴りも正しい。

「何が違う……?」

原本を最初から読み直す。

魔法陣の構造。

起動方法。

対象指定。

輸送量。

安全装置。

何度も文章を往復する。

そして、小さく書かれた注意書きに目が止まった。

『文字は、その意味に適合する属性を宿す媒体によって記すべし。』

「媒体……」

紙の問題ではない。

文字を書くもの。

つまりインクだ。

普通のインクで形だけを写しても、古代文字としての機能を持たない。

文字そのものが、対応した属性を宿していなければならないのだ。

俺は学院の工房を借り、実験を始めた。

火属性の魔石。

水属性。

風属性。

土属性。

安価で小さな物を買い集める。

魔石を乳鉢へ入れ、細かな粉末になるまで砕く。

それを魔力を通しやすい樹液や薬品へ混ぜ、色の違う特殊なインクを作った。

最初は、すべてを火属性の魔石で描いた。

失敗。

次はすべて風属性。

失敗。

複数の属性を適当に混ぜる。

魔法陣は一瞬だけ光り、すぐに黒い煙を上げた。

「危なっ……!」

慌てて水をかける。

紙の端が焦げていた。

何度も失敗し、そのたびに原本の説明を読み直す。

やがて俺は、古代文字の一文字一文字が、それぞれ固有の属性と役割を持っていることに気付いた。

赤い果実を示す文字には火。

距離を越えて運ぶ文字には風。

場所を固定する文字には土。

鮮度を保つ文字には水。

単純に文章として意味が通っているだけでは足りない。

文字へ適切な属性が与えられた時、初めて魔法式の一部として機能する。

俺は新しい紙を用意した。

火属性の魔石から作った赤いインク。

風属性の魔石から作った白いインク。

土属性の茶色いインク。

水属性の青いインク。

原本を見ながら、対応する文字を一つずつ描く。

線が隣の文字へ触れないように。

属性が混ざらないように。

細い筆を使い、何時間もかけて魔法陣を完成させた。

机の上には、四色の文字で構成された小さな魔法陣がある。

「今度こそ」

右手を置く。

ゆっくり魔力を流した。

ブゥン……。

低い音が鳴る。

魔法陣の外周が光る。

火の文字が赤く。

風の文字が白く。

土の文字が黄色く。

水の文字が青く。

それぞれ異なる輝きを放った。

「動いた……」

空間がわずかに歪む。

魔法陣の中央に、指先ほどの黒い点が現れた。

点が広がる。

小さな穴になる。

穴の向こう側には、一瞬だけ青空と果樹園のような景色が見えた。

次の瞬間。

ごとり。

赤く艶やかな果実が一つ、机の上へ転がり落ちた。

穴はすぐに閉じる。

魔法陣の光も弱くなった。

俺はしばらく、その果実を見つめていた。

「成功だ……!」

手に取る。

重さ。

形。

表面の滑らかさ。

鼻へ近付ければ、甘く爽やかな香りがする。

どう見てもリンゴだった。

袖で表面を軽く拭き、恐る恐る齧る。

しゃくり。

懐かしい音。

果汁が口の中へ広がる。

甘い。

少しだけ酸っぱい。

歯応えも、香りも、前世で食べたリンゴとほとんど変わらない。

「本当にリンゴだ……」

嬉しさと懐かしさが入り混じり、しばらく言葉が出なかった。

日本で暮らしていた頃には、何でもない果物だった。

店へ行けば普通に売っていた。

けれど、この世界へ来てからは一度も食べていない。

故郷を思い出す味だった。

その時。

部屋の扉の隙間から、黒い鼻先が覗いた。

続いて、アークの顔が現れる。

『主』

「何?」

『ええ匂いしますな』

アークは鼻をひくつかせながら、机へ近付いてくる。

視線は俺の手にあるリンゴへ固定されていた。

『それ、何です?』

「リンゴ」

『一口ください』

「犬が食べても大丈夫かな」

『大丈夫です』

「根拠は?」

『わいの勘です』

「信用できない」

『主だけ食べるんはずるいですやん』

アークは潤んだ目で俺を見上げる。

「その顔やめて」

『何のことです?』

「分かったよ」

俺は種と芯を避け、果肉を小さく切り分けた。

「少しだけだからね」

『いただきます!』

差し出した欠片を、アークは一口で食べた。

数回噛む。

目を見開く。

『甘い!』

「美味しい?」

『肉ほどやないですけど、悪くありません』

「比較対象が全部肉だね」

『もう一つ』

「少しだけって言っただろ」

『もう一つだけ』

結局、リンゴの半分ほどをアークに取られた。

その後、俺は魔法陣を何度か起動した。

二個目。

三個目。

四個目。

その度に、同じ場所からリンゴが送られてくる。

だが五回目。

魔力を流しても、魔法陣の光は弱かった。

六回目には一瞬だけ点滅し、完全に沈黙した。

「もう動かない?」

魔法陣を調べる。

描かれた文字から、属性の気配が消えていた。

魔石に蓄えられていた魔力が完全に消費され、古代文字はただの色のついた線へ戻っている。

「なるほど」

この魔法陣は使い捨てだ。

一度作れば永久に使えるわけではない。

再利用するためには、新たな魔石を砕き、対応する属性のインクで文字を描き直さなければならない。

便利ではある。

だが必要な魔石の量と手間を考えれば、リンゴ一個を運ぶために日常的に使えるものではない。

おそらく古代文明では、もっと効率の良い媒体や、魔力を再充填できる技術が存在したのだろう。

それでも十分な成果だった。

古代文字は単なる言語ではない。

一文字一文字が、魔法式の部品だ。

それぞれに意味がある。

属性がある。

役割がある。

文字が集まって単語となり。

単語が文章となり。

文章が魔法陣となって、一つの現象を完成させる。

俺はようやく、古代魔法の仕組みの入り口へ立ったのだった。


学院では古代語の研究だけでなく、通常の授業も続いていた。

その中でも、錬金術の授業は次第に本格化していった。

薬草を刻む。

魔物の体液を濾過する。

鉱石を粉末にする。

薬品を熱し、冷やし、魔力を加える。

錬金術は、魔法陣とは異なる意味で繊細だった。

分量を僅かに間違えれば、薬効は完全に失われる。

加熱する時間が短ければ成分が溶けず、長ければ毒へ変わることもある。

魔力を流す速度が乱れれば、薬液が変質する。

最初は失敗ばかりだった。

ある日の授業では、見た目が似た毒草と薬草を取り違えた。

鍋へ入れた瞬間、黄緑色の煙が勢いよく噴き出した。

「な、何だこれは!」

近くにいた生徒たちが一斉に咳き込む。

刺激臭が教室中へ広がり、窓と扉がすべて開け放たれた。

教師は口元を布で覆いながら、俺を睨んだ。

「モーリ!」

「すみません!」

「銀葉草と痺れ蔦をどうすれば間違える!」

「刻んだら似ていて……」

「刻む前に確認しろ!」

別の日には、薬液へ魔力を流しすぎた。

フラスコの中で液体が急激に膨張する。

「まずい」

そう思った直後。

ぱんっ!

フラスコの栓が天井へ飛んだ。

紫色の薬液が噴水のように吹き出し、俺と隣の生徒の顔へ降り注ぐ。

教室中に笑い声が響いた。

幸い害のない薬だったが、髪から紫色が落ちるまで三日かかった。

『主、頭が茄子みたいですな』

アークは腹を抱えるように転がって笑った。

「笑うな」

『似合ってますで』

「本当に?」

『嘘です』

失敗するたびに、原因を記録した。

薬草の量。

火の強さ。

魔力を流した時間。

混ぜる順番。

温度。

一度失敗したことを、同じ形で繰り返さない。

そうして何度も実験を続けるうちに、少しずつ感覚が身についていった。

薬液の色。

泡の大きさ。

匂い。

粘度。

混ぜた時の抵抗。

正しい状態なら、どう変化するのか分かるようになる。

やがて俺は、解毒薬を作れるようになった。

傷口へ塗る止血薬。

眠気を誘う薬。

魔物を弱らせる毒薬。

身体の自由を奪う麻痺薬。

そして、消耗した魔力の回復を促す魔力回復薬。

材料さえあれば、実戦で使える程度のものを一通り自力で調合できるようになった。

素材ごとの性質を理解し、配合を変えれば効果も変わる。

毒と薬の境界は曖昧だ。

少量なら薬になるものが、多すぎれば毒になる。

逆に毒草も、別の薬草と組み合わせれば治療へ使えることがある。

魔法だけでは生き残れない。

傷を負うこともある。

魔力が尽きることもある。

毒を受けることもある。

そんな時、薬は剣や魔法と同じくらい重要な武器になる。

俺は完成した薬瓶を並べながら、そのことを改めて理解した。


身体強化の授業も、同じくらい奥が深かった。

多くの生徒は、身体強化とは筋肉へ大量の魔力を流すものだと考えていた。

俺も最初はそう思っていた。

腕へ魔力を集める。

脚へ魔力を流す。

それだけで力や速さが増す。

だが授業が始まると、教師は首を振った。

「お前たちは、身体へ魔力を押し込めば強くなると思っている」

鍛え上げられた肉体を持つ教師が、教壇の前を歩く。

「だが、生の魔力は人体にとって異物だ」

教師は自分の腕へ魔力を流した。

皮膚の下へ淡い光が走る。

「そのまま流せば、筋肉は魔力を拒絶する。力が入るどころか、筋繊維を傷めることすらある」

実際、授業の最初に無理矢理魔力を流した生徒が、腕を痙攣させていた。

「身体強化とは、単なる魔力供給ではない」

教師は一度目を閉じる。

体内の魔力が変化する。

普段の魔力より柔らかい。

それでいて密度が高い。

水が布へ染み込むように、筋肉の隅々へ広がっていく。

「魔力を、身体強化に適した性状へ変質させろ」

教師は腕を曲げた。

「柔らかく」

「筋繊維の一本一本へ染み込むように」

「骨を包み」

「関節を支え」

「腱を補強する」

次の瞬間。

教師は訓練場の隅に置かれていた巨石へ手をかけた。

大人が数人がかりでも動かせないほどの岩。

それを片手で軽々と持ち上げた。

教室中から驚きの声が上がる。

「力だけではない」

教師は巨石を下ろす。

地面が僅かに揺れた。

「身体強化が正しく使えれば、速さ、耐久力、反応速度まで高められる」

俺も試してみた。

魔力を腕へ流す。

だが、教師が見せたものとは違う。

魔力が筋肉の表面で弾かれる。

腕が痺れ、指先が震えた。

「力を入れすぎだ」

教師の声が飛ぶ。

「魔力を押し込むな。身体に馴染ませろ」

俺は一度魔力を止めた。

深く息を吸う。

再び、胸の奥で魔力を練る。

火でもない。

風でもない。

水でもない。

筋肉と一体化するためだけの魔力。

性質を柔らかく変える。

だが弱くしすぎると、今度は筋肉へ届く前に散ってしまう。

何度も失敗した。

強すぎれば弾かれる。

弱すぎれば消える。

ようやく腕へ魔力を馴染ませられても、肘の部分で流れが止まる。

無理に通せば、筋肉が痙攣した。

授業の後も残り、何度も繰り返す。

一日目。

二日目。

三日目。

少しずつ、感覚が掴めてきた。

魔力を流すのではない。

筋肉が必要とする場所へ、先回りして置いていく。

筋繊維の動きに合わせる。

力を入れる瞬間に補助する。

そしてある時。

魔力が、抵抗なく腕の中へ溶け込んだ。

「……!」

腕だけではない。

肩。

胸。

背中。

腹。

腰。

脚。

まるで血液が全身を巡るように、強化用の魔力が自然に身体中へ広がっていく。

その瞬間。

身体が羽のように軽くなった。

視界が鮮明になる。

周囲の音が、いつもよりはっきり聞こえる。

拳を握る。

今までとは比較にならない力が宿っていた。

俺は訓練用の木柱へ拳を打ち込んだ。

鈍い音。

太い柱が大きく揺れ、表面にひびが入る。

「できた……」

だが、教師は腕を組んだまま言った。

「喜ぶのは早い」

「え?」

「今のお前は、準備に十秒以上かかった」

確かにそうだった。

呼吸を整え。

魔力を練り。

性質を変え。

全身へ巡らせる。

実戦で敵が十秒も待ってくれるはずがない。

「戦場で必要なのは、身体強化を使える者ではない」

教師は自分の胸を指差した。

「必要な瞬間に使える者だ」

教師の姿が一瞬で消えた。

次の瞬間には、俺の背後へ立っている。

反応する暇もなかった。

「敵が動いた瞬間」

「剣が振り下ろされる瞬間」

「矢が放たれた瞬間」

「その一瞬で、強化を完成させろ」

俺は深く頷いた。

その日から、俺は常に身体強化の練習を続けた。

立ち上がる時。

歩く時。

階段を上る時。

走る時。

剣を抜く時。

物を持ち上げる時。

日常のあらゆる動作に合わせ、瞬時に魔力を変質させる。

最初は意識しなければ発動できなかった。

次第に、動く直前に身体が必要な量の魔力を自然と練るようになった。

右腕だけ。

両脚だけ。

全身。

必要な場所へ、必要な量だけ。

常に全力で強化すれば、魔力を無駄に消費する。

だから状況に合わせて、強化する範囲と強さを変える。

敵の攻撃を避ける時は脚。

剣を振る時は腕と腰。

攻撃を受ける瞬間は全身。

反復するほど、発動までの時間は短くなっていく。

十秒。

五秒。

二秒。

一秒。

やがて、ほとんど考えずに身体強化を発動できるようになった。

それでも俺は練習を止めなかった。

戦いの中で生き残るためには、「強化できる」だけでは足りない。

敵が動いた、その一瞬。

殺意を向けられた、その瞬間。

身体が思考より先に反応し、強化を完成させる。

そこまで辿り着いた者だけが、本当の意味で強者と呼ばれるのだから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ