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『老いの入口』  作者: 髙山志行
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第六章 「憂鬱」ー鬱々の日々ー

 天気の悪い日の常で…雨降りの本日は、一段と調子が悪い。

 ずっと「夏日」が続いていたのに…天気が崩れ出した日曜日から、それに呼応するかのように体調も崩れ出し…水曜日の今日に至る。「暑さ」も(やわ)らいできた季節だが…むしろ天気が良くて、少し暑いくらいの時の方が、調子は良いようだ。

『爬虫類みたいに、日光を浴びて体温が上がらないと調子が出ないのは、先祖が「爬虫類型人間(レプティリアン)」だから?』

 1億年以上に渡って地上に君臨した恐竜の中には、親指が他の指と対向しはじめているものもあったという。つまり、物をつかめるような形態に進化しはじめていたという事だ。もしかすると案外、米のテレビ・ドラマ『恐竜家族』のような出来事が、太古の地球上で繰り広げられていたのかもしれない。

(もっとも、恐竜が爬虫類かどうか確定したわけではないし、鳥類の祖先である事は定説になりつつある)。

『もし爬虫類から進化した高等生物がいたら、彼らは「冬眠」するのだろうか?』

 そんなくだらない事を考えながら、いつもより遅い起床。午前9時近くだが、外は薄暗い。

「ふう!」

 軽く首をしめられてるようで、頭に血が昇っているような感じ。『血圧が上がってるな』という自覚があった。

 父宅にある血圧計で度々(たびたび)はかったところ、ずっと「高血圧」気味。「血圧」に、「天候」や「湿気」「気圧」とか、影響があるのだろうか? 昔から「低気圧が近づくと古傷がうずきだす」とか言われるし、「飛行機に乗って虫歯が痛みだした」同僚がいた。

《後の時代になると、「気圧」の変化は体調に関与し、「血圧」などに影響を与える事が認められるようになった》

 それに「不整脈持ち」なので、自動測定器ではエラーが出てしまう事があるのだが…数値が一定しないのは、そのせいなのか? それとも、実際にバラついているのか?

「ふう!」

 居間に入ると、コーヒー・メーカーから、コーヒーの香りが漂って来るが…そんな状態なので、朝のコーヒーも、今朝は控え目。なにしろ過去に、コーヒーの飲み過ぎが原因で、体調を崩した覚えがあるから…。

 もう30年以上も昔。独り暮らしで、大学浪人していた頃。一時間おきくらいにマグ・カップで、コーヒーがぶ飲みしていた時期があった。どちらかと言えば、薄目の「アメリカン」が好みだったが…そのうち「動悸(どうき)」がして、ムカムカと気分が悪い。そこでフトンに入ってみても、目が冴えて眠れない。そんな事が、何度もあったのだが…ある時、フト気がついた。

『コーヒーの飲み過ぎなんじゃないか?』

 どうやらそれで、正解だったようだ。

(そんな事も、現在の「不整脈」の遠因につながっているのだろうか?)。

 しかし、4年前の初夏以来、半ば煙草を止めてみてわかった。

「眠気覚ましには、喫煙が最適」

 タバコを吸うと、毛細血管が縮むと言うが…それで血圧が上がり、眠気が去るのだろう。たしかに、そんな感じがする。

(一説によると、「カフェイン」は習慣性があるので、慣れてしまうと効かなくなるというし…またコーラなどの方が、含有量は多いそうだ)。

 ここで「禁煙のコツ」をご披露すれば…。

(ただし禁煙ではなく「吸っていないだけ」だ。「禁煙! 禁煙!」とプレッシャーをかけるのは、かえって逆効果。飲みに行った時の「もらいタバコ」くらいは、気にしない事にしているが…この4年で、せいぜい2箱未満といったところだ)。

 ちょうど、自販機でのタバコ購入の際に必要な「タスポ」なるものが、実施されはじめた時期。

(ゆえに、そんなカードは所持しなくて済んでいる)。

 同じ頃、「禁煙パッチ」が買いやすくなったので、試しに買ってみた。

(以前は、特に「不整脈」持ちなどは、医者の処方が必要だったのだが、規制が緩和された時だ)。

 そして、特に禁止事項「就寝時」に貼ってみた。喫煙者の方ならおぼえがあるだろうが、夜、フト目が覚めた時など、一服つけないと再び寝つけないものだが…。

(むしろ、『禁断症状が出て目が覚めたのでは?』と思えるくらいの時があるものだ)。

 もともと夜中に一度はトイレに立つ人間なので、「朝までグッスリ」とはいかなかったが、良く眠れるし…『吸いたい』とも思わなくなってきた。

(その頃から、仕事中の昼休みに、昼寝する習慣がついた)。

 そして、次なる一手は…欲しい物を買ってしまう事だ。だいたい、たいした理由も無く吸い始めたのだ。目的も理由も無く、止める事などできぬ相談だ。

(そもそも喫煙というのは、「ニコチン中毒」…つまり病気なのだ)。

 できればローンで、月々のタバコ代で買える物を、先に買ってしまうといい。

(自分の場合は、先に登場した250ccのバイク。約30数万円。全額を消費者金融から借りた。定額返済ではないので『少しでも多く返そう』と、一年半ほどで完済)。

「もらいタバコ」をしたからといって、そのあとで、いわゆる「リバウンド」が出る事も無く、これでほぼ完璧だった。ただ、タバコを止めたからといって、体力が急激に向上するはずもなく…「ニコチンが入っていて普通」の身体になっていたので、かえって調子は良くない。

(何でも、一番良いのはもちろん「タバコも吸わず、運動をしている人間」だそうだが、体力的には、「タバコを吸わないが、運動もしない人」より、「タバコは吸うが、運動している人間」の方が上なのだそうだ。そして一番悪いのは…言わなくてもわかると思うが…「タバコを吸う上に、運動もしない」という事になる)。

 そしてさらに、今回の事で、ここのところずっと「禁酒」状態だ。そこで先日「ノン・アルコール・ビール」なる物を購入してみた。

(やはり「この歳」になると、コーラやサイダーでは、気分が出ないが…たしか10代の頃、食事をしながらコーラを飲む自分の姿に、祖父母が驚いていた記憶がある。そして近頃の、若い世代の食文化。いつの時代も若者の食べ合わせに、古い世代は閉口…否、「開いた口がふさがらない」思いをするものらしい)。

 つい最近まで、『酔うために飲んでいるのだから、ノン・アルコールなんて飲むくらいならコーラの方がマシ』と思っていた。それに『こんな味で、よく商品として発売できたな』といった物ばかりで、『ノン・アルコールでも、ひとつのジャンルを確立できるくらい、うまければ』と思っていたのだが…納豆が食べられない薬と、お酒が飲めない薬を飲んでるので「飲めないカラダでは、仕方がないから」と試してみたのだが、これが「意外といける!」レベルになっていた。まさに、お酒が飲めなくなったこのタイミングで、イイ物が世に出てきたものだ。

(しかも…当初は「酒税」もないだろうに、発泡酒なみの値段だったが…スーパーなどで買うぶんには、清涼飲料水を通常の価格で買うくらいになってきた)。

 でも、30年ほど前の一時期、「ビール・カクテル」なる物が発売され…けっこう気に入っていたのに、数シーズンほどで無くなってしまい…『ノンアルも、そんな事にならなければよいのだが』と思いつつも、近年、毎日というわけではないが、晩酌の数も増えていた折り。酒など毎晩飲んでも、良い事など何もない。ちょうどいい機会だった。

(若く、体力があった頃は、「ちょうど良い景気づけ」「気つけ薬」くらいの効果があったものだが…元気が無くなってくると、すぐに眠たくなるし、うまくもなくなってくる)。

「ふう! ふう!」

 そこで今朝も、ホットのミルク。どちらにしろ、ここのところ最近は、コーヒーよりも、コーヒー用の粉ミルクをお湯で溶いた物を飲む方が多く、子供時代を思い出す。我が家では、小学校高学年まで…親の教育方針で…コーヒーを飲ませてもらえなかった。

(もっとも、お酒と同様、子供の口には合わなくて、特に飲みたいとも思わなかったが)。

 日曜の朝などは、砂糖入り「クリープ」に、食パンをひたして食べるのが好きだったが…。

(我が家ではそれを「アメリカ乞食」と呼んでいた)。

『コーヒー解禁と、年越し解禁、どちらが先だったろう?』

(「子供は8時就寝」の家庭だったが、大晦日の「年越し」が許可されたのも、その頃だった。もっともそれ以前は、眠気に勝てず、起きてなどいられなかっただろうが)。

 はっきりとした記憶はないが、『弟の方が得だ』と思った事だけは憶えている。弟はたしか、どちらも一緒に解除されたはずだ。つまり、こちらより年齢的に早いわけだ。おそらく、芸能やスポーツの世界などで、長男・長女より下の兄弟・姉妹の方が活躍するのには、こんなところにも理由があるだろう。また、環境の違いが…この場合、自分の上に兄・姉がいるという点…何がしかの影響をおよぼすのだろう。「下の子の方が、歩くのが早い」という事は、短い結婚期間中に、身を持って体験した出来事だ。

(第一子である息子は、定例通りほぼ一歳で歩き始めたが…「年子(としご)」の娘は、何の前触れも無く、十か月ほどのある日、突然歩き出した)。

 そして…。

『肉か…』

 テーブルの上には、父が作ってくれた朝食のハム・エッグが、ラップをかけて置かれてある。

(先日「白内障」の手術を受けたばかりの父。今朝は通院の日で、すでに出かけたようだ)。

 やっかいになっている以上、あまり文句は言えないが…6~7年前から、年に一度だが、仕事で屠殺場に行くようになってから、好んでは肉を口にしなくなった。

『殺して食うために育てなくても、いいんじゃないか?』

 以前からの捕鯨問題や、少し前の「イルカ屠殺現場」隠し撮り映画など、日本は何かとやり玉に上げられるが…。

(もっとも、海外のかの有名な活動団体も、正体はただのタカリ屋。総会屋やニセ右翼と同等の、「嫌がらせされたくなかったら金を出せ」組織)。

『善人ぶりやがって』

 かつて、灯火用の油を取るため“だけ”に、クジラを殺しまくっていた連中に言わせれば…牛・豚・鶏など…家畜は神様からの(たまわ)り物。殺して食ってもいいんだそうだ。

(なんでも某国では、食肉団体(シンジケート)の力が強く、その圧力のため、「狂牛病」の存在すら知らない人間も多いという)。

 ここ数年は、微生物保護のため、根菜類すら食さない「ジャイナ教徒」なみの「菜食主義者(ベジタリアン)」というほどではないが、「粉もの」中心。「焼きそばをおかずに、米を食う」あるいは「スパゲッティーに、ピザは必需品」的な食生活を送っていたのだが…炭水化物ばかりの弊害といのも、あるのかもしれない。なにしろ近頃は、冬の乾燥した季節になると、かならず「乾燥肌」のような、「アトピー」のような、あちこち(かゆ)くなったり、顔面が()れあがったりと…『おそらく、脂肪分が不足しているのだろう』といった事が、恒例行事化しつつある。

(肉のみでも問題ないと、「イヌイット」の暮らしぶりが紹介されたり…生肉は、煮たり・焼いたりしていないから、ビタミンたっぷりなんだそうだ。また、新手の「糖尿病メニュー」の中には、肉類はOKだが、炭水化物はいっさいNGというものを提唱している医者もいるようだが…かつて半世紀も前は、ダイエットのために「ミート・ソース抜きのパスタ」を食べるアスリート、大会前の食事は「スタミナをつけるためにビフテキ」というプロ・スポーツ選手の話など、あの人たちの苦労や努力は、すべて『水の泡』だったのか? 「ビフテキ」=「ビーフ・ステーキ」が死語となった現代。これからだって、いつ『常識』だったものがくつがえるか、わかったものではない。この先、いったい何を信じたらいいのやら?)。

 今でこそ、そんな感じになったが…もともとは肉食系。なにしろ育ったのは、「肉」がまだ贅沢品だった時代。

(かつて定食屋で一番安いのは「野菜炒め」だったものだが、今の時代、下手をすれば肉系の、たとえば「コロッケ定食」などの方が安かったりもするが…30年以上も前は、ステーキなど一定金額以上の物には、税金がかかったものだ。そんな贅沢税が廃止されたのは、いつの事だったか? 要するに、「税収確保か?」「税収入が減っても市場に活気を出すか?」のバランスだろうが…現代においては生活必需品となった「自動車」にかけられた『取得税』が廃止されるのは、いったいいつの日になる事か?)。

 朝からベーコンが食卓に上がると、大喜びするような子供だった。

(ベーコンはカリカリに焼く物なんて、当時の日本人の感覚には無かった。脂ぎっていた方が、いかにも肉らしくて、ありがたかった)。

 魚なんて…寿司や刺身は別だったが…お断り。できる事なら、三食肉が食べたかった。そんなおかげで、小学校高学年にして、ニキビ全開。

(当時の肉は、質が悪かったのだろう。きっと脂肪分が多かったに違いない)。

 なにしろ、最初に『アメリカ帝国主義』に毒された世代。

(戦争に負けたとはいえ日本人は、後世に思われているほど卑屈ではなかった。日本製の戦争映画もたくさんあったし、『またやってやろう』くらいに思っていた大人たちも、大勢いたはずだが…)。

 それに学校の給食は、すべてパンだった年代。高校の時の社会の教師は、「パン食」普及の元凶を学校給食に求めていたが…。

『そんなことね~よ』

 パンは、当時アメリカ国内で余ってしまった小麦をさばくための政策の一環だった事は事実だが…すでに就学前から我が家では、日曜日の朝食やおやつに、食パンを食べていた。

(お気に入りはトーストにして、バターといちごジャムをたっぷり塗った物だった)。

 だいたいからして、父は高校の英語の教師。そして白人を見ると、すべて「アメリカかい?」と言う祖母。

(映画『ブルース・ブラザーズ』の冒頭。刑務所を出獄する日を迎えた主人公が、私物を受領した書類に自分の名前を署名するシーンで「☓」を記入する場面があったが…明治生まれの祖母は、文盲だった。祖父と知り合ってから、簡単な読み書きができるようになったと云う。「女に学問はいらない」的な時代。早くに両親を亡くした祖父だが…俗に言う「読み・書き・算盤(そろばん)」…理解ある養父母に『学』を授かったせいか、開明的にも、旧制世代の伯母たちのほとんどは「師範学校」を出て教師になった)。

 そんな家庭環境の(もと)で育ったのだ。そうなるのも当然だった?

(移民の一世は母国語しかしゃべれず、二世はバイリンガル、三世になるともう、移住先の言葉しか話せなくなると言うが…そこまで溶け込んで、はじめて移民が完成するのだろう)。

 そして、(さしずめ三世(サード)()世代(ジェネレイション)」にあたる)自分たちは、すっかりアメリカに感化された年代。中でも一番効果的だったのは、映画やテレビを使った洗脳だろう。あの当時は、アメリカ製のテレビ・ドラマや映画が、たくさん放映されていた。そして、「豊かな国アメリカ」「自由の国アメリカ」を、知らず知らずのうちに刷り込まれていたのだ。

(テレビ・シリーズ『コンバット』や、ヨーロッパ戦線モノの映画のせいだろう、かつての同盟国「ドイツ」を敵視さえしていたものだ)。

 もっとも、『権威主義(ファシズム)』や、名ばかりの『社会主義』『共産主義』とくらべれば、「アメリカ自由主義」陣営の方が、今のところは一番良い。自由で民主で資本主義。宗教的な縛りもない、「西側」の方が…。

 しかし、肉屋や焼肉屋の前を通りかかると、あの、屠殺場に漂う、いや~な臭いが混じっている事を知ってしまった今となっては…ましてや、むしろ生臭い魚のほうが、値段的に高級品となってしまった現在では…いただけない。

(ただし料理になって出てきてしまえば『せっかく犠牲になってくれたのだから』と、尊い命に感謝しながら、残さずいただく事にしている)。

 もともと、好き嫌いはまったく無いが…一人暮らしなんてものを長く続けていると、同じような物しか口にしなくなる。それに「独り外食」は苦手だし…。

(「食べた後で、すぐ横になったりできないし、帰らなくてはいけないのが面倒だ」と述べてはいるが…自称「人間嫌い」の本音を言えば、「たとえ店とはいえ、他人の家にお邪魔しているような気になって、くつろげないから」という事になる)。

 毎朝、朝メシ用の「おにぎり」を握って、昼の弁当だって詰めて行くが…。

(おかずは「レンジでチン」するような物ばかりだが、「雑だけどマメ」な性格は昔から。何でもやってあればよく、出来上がりにはこだわらない。たとえば「洗濯」。商売柄、汚れる仕事なので、頻繁な洗濯が欠かせないが、汚れが落ちたかどうかは問題ではない。洗濯機に放り込み、洗剤を入れて回してあればオーケー。だから食事も、食べたらなくなってしまう物に手間ヒマかけるなんて、いたって無駄な行為に思えるのだ)。

 それで今まで述べたように、かなり偏った食事内容になってしまうのだが…体調が崩れはじめた初夏の頃は、『疲れているだけさ』で納得していた。しかし、暑さも盛りの時期。「夏バテ」もあったろう。仕事だって、どちらかと言えば肉体労働。「過労」気味になっていた事だろう。その上、欠かさぬ日々のトレーニング。

(元来の「スポーツ中毒(ジャンキー)」患者だが…鍛えてばかりの休息下手(ベタ))。

 完全な「オーバー・ワーク」状態になっていたところで…『偏食がいけないんだ』。そう思い、急に肉を食べてみたり、エナジー・ドリンクを飲んでみたり…。

(ちょうど米国で、立て続けに数本飲んだ人間が死亡するという事故があった銘柄のエナジー・ドリンクだ)。

 そんな行為で、いたずらに症状を悪化させただけで、けっきょく一ヶ月の休養で回復するようなものでもなく、「振り出しに戻る」といった感じになってしまったわけだ。

「ふう…」

 朝食を済ませ、今朝の朝刊を開くと…地元の『おくやみ』欄に、中学の時の同級生のお父様の名が…。

『父を見送るまでは死ねない』

 それは以前から思っている事。なんでも人は、自分の死ぬ日を決められるという。

(もちろん「自殺」ではなく)。

 たとえば、中世の豪傑「熊谷次郎直実くまがいのじろうなおざね」公は、後に出家して、自分の逝去(せいきょ)する日を告げたそうだ。最初は目的を遂げられなかったが、二度目は予告通りに本懐(ほんかい)を遂げたと云うが…もうすぐ三回忌をむかえる母は、生前、二人の息子のうち、「どちらかの誕生日に」と語っており、弟のバース・デイの二日前に()った。

(ちなみに母の誕生日は、母方の祖母の命日だ。家族の記念日に皆が(つど)うよう、気を利かせてくれたのだろう…と思っている事を母に告げると、納得してくれたものだ)。

 だから、『今回は死なない』とも考えているのだが…シトシトと降っている「涙雨」は、しばらく止みそうになく、こんな日は『心静かにストレッチでも』と思うのだが…。

(屋内でのストレッチは、だいたい毎日欠かさない)。

 気分もすぐれず、けっきょく昼過ぎまで、寝たり起きたり。

(こんな不調の日は、読書すらままならない)。

 夕方近くになって、天気の回復とともに、やっと元気も出てきたので…「おつかい」ついでに、軽く散歩に出る。もともと、ケガなどの「痛み」には強い人間なのだが、その手の不調ではないもので…「社会復帰」の方は、いまだに未定のままだ。


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