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【百合】最推しが同級生だった挙句、弱みを握られ抵抗虚しく性的にタコ殴りにされるまでのお話。  作者: 中毒のRemi
第三章 期待の新星、VTuber灯アカリの電撃デビュー 東京編

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第68話 お偉いさん方との対面

 私達はその後すぐにクラブを出て、適当に四人でカラオケに入り、そこでお話をすることになった。

 

「おい……ふざけんなよマジで。俺ツイてなさすぎだろ!! 話しかけた相手がよりによってコイツの連れってマッ?!?!」

「ヤリチン君は相変わらずヤることしか考えてないんだね〜?」

「はぁ?未成年でナイトクラブ入って飲みまくってる、キモキモ女に言われたくないんだが???」

「君はTmitterを見ていないのかな? つい昨日身バレして炎上してる大先輩がいるのに、同じ轍を踏もうとしてるんだよ? ちょっと見てられなさすぎて、親切心も出ちゃうよねー」


 宮本流星。

 彼がライバーである時点で当然ではあるのだが、勿論弦巻さんと知り合いであった。


「随分と仲が良さそうに見えますね。弦巻さんの元彼とかですか?」

「茜っち……それ本気で言ってんの? 一緒に眼科行く?」

「眼科へ行くつもりありませんが、その眼鏡は早く返して欲しいですね」

「これは家に戻ったら返してあげるよ。今これを使ったら体にストレスを掛けてる意味がなくなるしね」


 そしてこれは後で分かったことだけど、どうやら彼はデビュー時からいろんな他のライバーにアタックを仕掛けていたそうだ。

 そして当然ながら当時中学3年生だった詩音さんにも手を出そうとしたところ、弦巻さんが見つけ、彼をボコボコにしたらしい。

 そこから宮本さんはそういう誘いを、同業相手にすることは無くなったそうな。

 

「んで話は大体理解したけど……凄いなぁ。えっと……」


 そう言いながら彼は私に視線を向けた。

 おそらく名前を忘れられてしまったのだろう。

 頭を強く打ちすぎたのだ。


「藤崎です」

「そう、藤崎ちゃん! まさか話しかけた相手が未来の同業者だったとは。俺って意外と目利き上手いのかも?」

「はぁ……」

「っていうか、写真に映ってたやつは男だったよな? アレがきっとSNSにばら撒いた本人なんだろうけど、ソイツは捕まったん?」


 私は彼の言葉にハッとなった。


 思えば燃え上がる火消しのことばかり集中していて、放火した本人についてのことを、私は全く考えてなかった。


「さぁ? そんなことただの高校生が知るわけないじゃ〜ん」

「確かにそうだよな。ただの高校生がピコピコハンマーで、人をぶっ飛ばしたりしないよな」


 たとえ私がなんとか火消しをやり遂げることができたとしても、あの放火魔が捕まるまでは話が終わらない。

 原因の一端が私にあるとしても、彼はもう社会に存在してはいけない絶対的な犯罪者だ。

 

「……弦巻さん、本当に知らないんですか?」

「言っておくけどマジで知らないよ。一応調べたんだけど、ここ最近は家にも帰ってないみたいだね〜」


 そうやって言い切られては、これ以上質問する意味もない。

 帰ってちゃんと詩音さんと話す機会があれば、外に出る時に気をつけてと伝えよう。

 

「きんもぉぉぉ……調べるってなんだよ。しかも家にいない事も知ってるって、やってること女子高生の領分越えてるだろ」

「中学生をホテルに連れ込もうとしてたやつに、言われたくねえよ死ねよー」


 ちなみに二人のやってることのグロさは、どちらも大して変わらない――というか弦巻さんのことをある程度知ってる分、クズさでいえば彼女の方が3歩ほど先に行ってる気がする。


 同じ穴の狢のくせに、どうしてそんないがみあってるのだろう、と思わなくもない。

 そんなことを考えていると、ピコピコハンマーで一発ぶん殴られた。


「なんで私が殴られないといけないんですか!」

「なんかイラッときたもん」

「おぉ……こっわ、俺もう帰って寝ようかな。隣にボ◯・サ◯プみたいな巨漢が座ってるのも怖えし」

「は? 何言ってんの〜? 今日はチ◯コ君も呼び出されてるよね。会社から」

「ヤリチンは良いけどチ◯コ君はマジでやめろ」


 そう言いながら彼はスマホを確認した。


「うわぁ……ほんまやん。これアレだよな多分」

「そうだよ、アレなんだよ」

「……何ですか、アレって」

「それは企業秘密ってやつだ。別にこの秘密に何の面白味もねえけど、知らないなら黙ってた方がいいだろうしなぁ」


 そう言って彼はテーブルにお金を置き、荷物を持って部屋の出口に向かった。


「俺は先に行って少し寝てくるわ。いっぱい寝てたいから遅刻してきてくれると助かる」


 そう言って宮本さんは出て行った。


「ん〜っと、現在時刻は6時30分かー。私達もここを出て外でお散歩しよっか!!」

「……もう充分なくらい頭が痛いので、私達も事務所の方に行きませんか?」

「いや、足りないでしょ。まだまだ茜っちは頑張れるよー!」





 ---





 そして時間を見て金原さんを呼び戻し四人……まぁベックさんは基本離れたところで私達を見守ってるので三人か。

 三人で適当に東京を歩きながら、大体9時30分頃にぶいれいん!の拠点へと向かった。

 

 そしてすぐに弦巻さんとベックさん二人と別れ、ここへ着いてからすぐに社員さんに配信部屋に通されpcの使い方をかなり手短に説明されたり、およそ10分くらいほどフリートークするよう命じられたり、更には自己紹介を何パターンか作らされて、自分の体となるVの肉体を見せられたりもした。

 もちろん契約書やら書類やらも捌かなければならなかったし、このありえないくらい短い時間でかなりのてんてこまいである。

 その間に色んな人と挨拶をしたりもしたのだが、おそらく同業のVTuberらしき人はいなかったと思う。


 そして様々なことを済ませて、私は面接会場へと向かう。


「さて藤崎さん、色々やってもらったけど体調は大丈夫かしら? そろそろ面接の時間になるんだけど」

「……こう言っては何ですが、来て早々ここまで叩き込まれた挙句、面接が控えてるのって本当に馬鹿馬鹿しいですよね?」


 もはや、起用される前提の動きなのだから。

 もし私が期待以下の人だったら、どうするつもりなのだろうか?


 こちらとしては、たとえこれだけ時間がギリギリな状態だとしても、まずは最初に面接を挟んだ方が、合理的だと思ってしまうが、これは私が世間知らずだからなのだろうか?

 ……って、なんで自分に余裕が無いのに、私が企業側の心配をしているんだろう。

 

「それは共感できるんだけど、こっちもこっちで急ピッチで進めてるのよね。忙しいのはお互い様だし、しかもこれ以上は失敗できないのよ」

「はぁ……」

「それにライバー達含めてウチのお偉いさんは、あなたを受からせてこの軌道を修正するつもり満々なんだから、こうなってしまうのも仕方ないわ」

「そうですよね、金原さんの言うことが正しいです……」


 これがもう少し小さな企業だったら、事情が変わったのだろうけど、ここは企業Vtuberの中でもだいぶ上場してる方の企業。

 私がコネで入ることになるとしても、面接は避けられないのだ。

 

「もう着くわよ、そろそろ気合い入れなさい。格好だけ様になってても、その態度で行ったら中の人達に落胆されて終わりよ」

「言われなくても分かってますよ」


 やがて私達は大きな扉の前に辿り着いた。


 そして深呼吸をし、扉をノックする。


「どうぞ、お入り下さい」


 流れるままに部屋に入ると、目の前にいた面接官はなんと8人。

 そのうち2人は弦巻さんと宮本さんの2人ときた。

 この時ようやく彼が先に向かうと言っていた意味が理解したけど、確かにこの2人が面接官として座ってたとて、それほど重要な事ではない。

 2人揃って若干眠そうな顔をしてるのが気になるくらいだ。

 それよりも……


「お座りください」


 この面接官共は、どうして偉そうに座ってられるんだろう。

 そう振る舞われるのが当然だと分かっていても、イライラしてくる。


 受かった前提で話すならば、おそらく私はこの後、一分一秒も惜しいくらいに色々なことを勉強しないといけないはずである。

 

 で、コイツらは何?

 余裕な顔をして、今私とお話しするのが仕事だとでも言うのだろうか?


「ふ、藤崎さん?……どうぞ、お座りください」


 おまけに私をスカウトする側の分際で、ここに来て早々、私をどれだけ売れ込めるのかの目線でしか見てないのである。

 舐められたものだ。


 デビューして人気が出始めたら、毎日配信でも強要されたりするのだろうか?

 契約書にそんな記述は無かったけど、それをやられては溜まったものじゃない。

 

 というか、大大大前提としてインフルエンサーとして動くのがほぼ決定してる今――他人に舐められるのは絶対にありえない。

 それに上っ面だけでやる腹の探り合いなど、時間の無駄だ。

 私は詩音さんを救うことだけに、集中させてもらう。


「やめです。もっと効率的にいくとしましょう」

「え?」


 私は椅子を通り過ぎて、彼ら彼女らのテーブルの前に立つ。

 そして私に座るよう指示を投げかけてきた男のテーブルに、バンッと両手を置いた。


「えぇ……???」

「天秤に乗った品は同価値です。ここはギブアンドテイクで、さっさとお互いが納得する条件を話し合うべき――貴方達もそう思いませんか?」


 私は座っている老害共全員に視線を巡らせ、語りかけた。

 すると、離れた席から笑い声が聞こえてくる。


「くっふふふ…………茜っち最高〜!」

「んだよここ、もしかしてカメラ回ってんのか?」

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