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【百合】最推しが同級生だった挙句、弱みを握られ抵抗虚しく性的にタコ殴りにされるまでのお話。  作者: 中毒のRemi
第二章 文化祭編

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第56話 一喜一憂するのが無駄、もう楽になりたい。

「で、精神的なものって何? ……前に茜が言ってたのって、学校限定のパニック障害みたいなのって聞いた気がするんだけど」

「…………髪を乾かして、服着てくださいよ」

「答えて」


 いつになく真剣な眼差しに射抜かれ、私は言葉を失う。

 

「……その件とは関係ありますが、少し……別です」


 重い沈黙の後、私は絞り出すように本音を零し始めた。


「不安なんです……とても」

「不安?」

「……今が幸せ過ぎて、この時間にいつか終わりがくると思うと…………それで息の仕方を忘れてしまったのかもしれません。本当に心が弱いですよね」

「…………」

「……それと、これを本人に向かって言うのは気が引けますが、少し愚痴らせてください。……いいでしょうか?」

「いいよ、それで楽になるんなら。私のダメなところ全部教えて」


 詩音さんはどこか冷たさを孕んだトーンで言った。

 

 私は喉の奥に詰まった澱を吐き出すように、ゆっくりと口を開いた。

 

「…………結局、私は文化祭に行くべきじゃありませんでした。夏の旅行とは精神的負担のレベルに天と地の差があったようです」

「……どんな違いがあったの?」

「…………やっぱり不特定多数の人間と直に接するのは、良くなかったですね。アレを機に人を見る目が180度変わりました。……貴女には詳しいことを説明してませんでしたが、この眼鏡の本当の価値は私の酷い幻覚作用を散らすところにあります」

「幻覚……?」

「学校限定ですが、私の目には他人の姿が化け物のように見えるんです」

「…………ッ!?」

「なので私はもうあの眼鏡を手放せませんし、学校にいるのも本当に苦痛……なんです」


 私は今ここで言葉にする覚悟を決めた。

 この関係を終わりにしようという覚悟を。

 ここで切ってしまえば、致命傷を負わずに済むから。


「だから――」

 

 もう夢を見る時間は終わりにしたい。

 私に貴女をどうこうできるほどの胆力はなく、たとえそうしたとて、もう自分にそれを維持できるほどの気力と自信がない。

 

 ――だから私をここで解放してほしい。

 ――生きる世界が全く違う私達は、ここで他人になるべきだ。


 そう告げようとした、その時だった。

 詩音さんが、ベッドに横たわる私の上に、一糸纏わぬ姿のまま覆い被さってきた。


「それだけはダメ!!!そんなことするくらいなら、私のためにずっと苦しんでててよ!!!」


 彼女は私の無気力な両手首を掴み、力任せにシーツへと縫い付ける。

 

「……文化祭に来るよう強制したのは正直反省してるしアメにもその事については怒られた。本当にごめん。……だけど! 私から離れるのは絶対に許さない!!!!」


 身勝手な言葉に奥歯が疼く。

 

 私は苛立ちを抑え込むように、自分の舌を強く噛んだ。

 口の中に鉄の味が滲む。

 

「…………貴女って本当に酷い人ですよね。我儘で暴力的で品性の欠片も無い。特に感情のまま私を拘束してるところとかもそう」

 

 ……親からまともに教育をされてこなかったから、姉の弦巻さんと違ってそんなに馬鹿で低脳なんでしょう――そんな言葉が喉まで出かかったが、辛うじて飲み込む。

 

 それは、越えてはならない最後の一線だ。

 ここは最後の線引き。

 たとえ本音だとしても、それは言えない。

 

 絶対に譲れない個としての境界線だった。


「これ以上傷つくのが嫌だから、全ての人間関係を終わらせたいって、ハッキリ言わないと分かりませんか?」

「そっちこそハッキリ言わないと分からないの? 茜がいなくなったら、私が傷つくっていうのを分かってないじゃん!」

「知りませんよ。だったら身も心も全部私にあけ渡して、私に絶対服従すると誓ってください。そうしたらこっちの不安は無くなりますし、喜んで学校に通い続けますよ」

「無理に決まってるでしょっ! 私は私なんだから!」


 鼻で笑いたくなった。


 彼女は私を確かに()()()だとは思ってる。

 けれど私が居なくなれば、どこかで替えが利くと思っているはずだ。

 私は彼女の都合のいい人なのだ。

 

 でもそれは当然の摂理。

 彼女は私にだけではなく、周りの大人や友人――そして数えきれないほどのファンを心の支えとして、現状のメンタルを維持している。

 今更私一人にオールインなど、普通に考えたらできるわけがない。


 それは今まで浮気して回っていた人に対して『一途になれ』と言い聞かせるレベルに無駄なこと。

 私はその無駄な事に投資する気もなければ、彼女を支配しコントロールして、私の側に置くという悪意もない。


 だからこそ、私たちの関係にはもう意味がないのだ。

 

「ハッ――じゃあ話は平行線ですね。お互いの求めるものも違って譲り合いも叶わない……ならやっぱり時間と精神の無駄なので、ここで関係終わりにしましょう。絶対にその方が合理的です」

 

 私は詩音さん以外に人生を捧げる気なんてさらさらないのに、肝心の彼女の方は違う。

 

 この埋めようのない温度差が、私をたまらなく苛立たせる。

 

「私は!!!これでも茜のことをめちゃくちゃ特別扱いしてるんだよ?!それが分からないの? ここまで話してきて本当に分からない?」

「流石にそれくらい理解してますよ。いつの間にか詩音さんが結構私に執着してくれたのは嬉しいと思ってますし、変にお節介なところも正直大好きです」

「なら……!!」

「……それでも、詩音さんは恋愛対象として私を見ているわけではないって分かっちゃうので、もう何もか――」


 続きを告げようとした瞬間、視界が闇に落ちた。

 彼女の片手で目を力任せに塞がれ、詩音さんの唇が耳元に寄る。

 

()()()()()()()()()()()


 鼓膜を震わせたのは、彼女が天野シオンとして放つ、心臓を鷲掴みにするような絶対的な声。

 至近距離で放たれたソレに私の脳は処理が追いつかず、思考は真っ白に停止する。

 

 わずか数秒。

 気づいたときには、私の手首を布で縛りあげられていた。


「チッ……やってくれましたね。この馬鹿!!!」

「茜、まだこんなの効くんだ。私のこと好きって言っておきながら、シオンの声に反応するのは浮気でしょ」

「貴女が好きなことと、シオンちゃんの事は関係ありません! さっさと離してください!!」

「私とまだ友達続けてくれて、来年以降も一緒に学校に行ってくれるって約束してくれるなら、解いてあげる」

「悪ふざけが過ぎますよ。そっちがその気なら、こっちは帰った後すぐに退学申請してやりますから!」


 そう言って私は上を向いて力任せに、拘束をやぶこうとする。

 だけどそれは中々に頑丈で破けてくれなかった。


「もう本当にダメなんだね――じゃあこっちも容赦しないから」


 彼女は冷たく言い放ち、睨みつけている私の頰に指を置き、優しく撫でるような仕草で近づいてきた。


「なっ!……んっ?!」

 

 そして、唐突に唇が重なった。


 柔らかい唇が私の唇に重なり、舌が絡みつくように侵入してくる。

 さっき噛んだ傷跡が微かに沁みるが、それ以上に、恐ろしいほどの悦楽が私の脳を焼いた。


「やめっ…………んむっ」

 

 彼女の舌の温かさ滑らかな動きが、私の口内を優しく、しかし執拗に探る。

 甘い唾液の味が混ざり息が奪われる。

 抵抗しようと身を捩るたびに、彼女の体重が私をベッドに深く沈め、逃げ場を奪っていった。

 

 やがてゆっくりと、粘液が糸を引くように唇が離れていく。


「好きな人からされたキスの味はどう? 大人しくする気になった?」


 残る感触が唇を熱くさせる。


「…………」


 私は小さく舌打ちを漏らすと、屈辱を堪えるように顔を横へ背けた。

 

 ……まさかいきなりキスされるとは思わなかった。

 けど、まだこれくらいなら大丈夫。

 

 こっちは文化祭準備期間と病室での時のアレで、あらかじめ警戒度はかなり引き上げてある。


「なんか言いなよ」

 

 こんな事で今更動じたりするものか。

 私は今回絶対に彼女の我儘を受け流し、家に帰った後お母さんに相談する。

 そしてまた一人で人生を再スタートさせるのだ。

 

 そう固く決意し乱れた息を整えながら、涙の滲んだ声を絞り出した。

 

「まぁ…………はい、すみません……本当に私が悪かったです。これ以上は私の体に響くので、やめて頂けると凄く助かります……」


 私は心にも思ってない謝罪を口にした。

 どうにかして、この場から逃れるために。

 

「じゃあ私の言いなりになるでいいね?」


 ……このクソ女め。

 やっぱり血が繋がってなくても、弦巻さんと月宮さんは姉妹なようだ。

 考え方の根底が終わってる。


「そんなのいいわけが――んむっ?!」

 

 反抗の言葉を吐き出そうとした瞬間、またもや口を塞がれる。

 彼女の舌が再び入り込み、口内を蹂躙するように動き回った。

 抵抗すればするほど深く絡みつき、私の意志を削いでくる。

 息が苦しくなり喉が震えても、彼女の目は私が言うことを聞くようになるまで止めない、と語っているようだった。


「かっ――ハぁ――ふっ……はぁっ……はぁ……」


 ……ようやく唇が離され、私は過呼吸のように息を荒げた。

 胸が激しく上下し酸素を求める。


「そう言えば出会った頃の茜は言ってたよね?『シオンちゃんを私の色に染めあげて、魂から私を求めるように洗脳したいです』って」

「………………それが……なに……?」

「じゃあ私が茜にそうしてあげるよ。今日、茜に刻みつけてあげる。魂から私を求めて離れないように……身体張って頑張る私に感謝してよね?」

「は??? 自分で何言ってるか理解してますか? 今貴女は面と向かって『陵辱するから感謝して?』って言ってるんですよ?」

「だからそう言ってるじゃん。嫌なら茜が私に絶対服従で許してあげる」


 …………この人、頭おかしい。

 間違いなく正気じゃない。

 特に彼女の私を見る目がそう感じる。


 絶対に私が狂ってる時より、頭1つ抜けてヤバい。


「私に弄ばれてから言いなりになるか、今すぐ絶対服従を誓うか。どっちか好きな方を選びなよ」

「………………バカですね、詩音さん。選択肢はもう一つあるんですよ」

「え?」


 これだけはやりたくなかったけれど、背に腹は代えられない。

 たとえ誰かに現場を見られたとしても、得意の詭弁でカバーすればいいだけのこと。

 私は大きく息を吸い込み、肺に空気を溜めた。

 そして喉が張り裂けんばかりに口を開く。


「誰かああああっ、助けt――」


 叫びが完成するより先に、詩音さんの右手が強引に口内を侵入し、私の舌を指先で力任せに抑え込んだ。


「馬鹿なのは茜の方。ここは配信部屋なんだよ? 防音対策してる部屋で大きい声出したって、無駄なのが分からなかった?」

「――――――っ!?」


 舌を摘まれ、言葉にならない呻きだけが漏れる。

 私は必死に首を横に振り、自由にならない手首をきしませた。


「やっぱりお仕置きする必要があるよね?――茜の心が蕩けるくらいすごいお仕置きが」



 

 ---



 

 その後、私は詩音さんの納得いくまで嬲り倒された。

 どれだけ反抗しても、涙を流して懇願しても、彼女は止まらなかった。


 最愛の人に性的に凌辱されるのは嬉しくもあり、それと同じくらいに私は不快に感じた。

 だって私がされる側の想定は、全くしていなかったから。

 しかもこの一夜を通して、またもや自身を嫌というほど弱者と再定義する羽目になった。


 結局、本能を限界まで掻き乱された私は、辱めの最中に『現状維持で一旦許してください!』と、回らない頭で惨めに命乞いをするのが精一杯だった。

 

 そして彼女は遊び心半分で私の体を――魂を、弄んできた。

 まるで限界がどれくらいかを試すかの如く。

◇あとがきです。

一応設定では月宮の育ちはかなり悪く作ってあります。

親には相当厳しく育てられたようですが、躾の内容が彼女に合わずこの有様です。

描写で分かるものだけでも、掃除は全くしない、野菜食べない、他人を噛む、他人の舌を素手で掴む、性格が悪い。

内心では『箸でご飯食べるとか面倒くさいから、人前じゃなかったら手で食べたい』って思ってる節もあります。

他にも色々問題点がありましたが、その大部分は弦巻によって矯正済み。


↓ノクターン行きのURLです。

https://novel18.syosetu.com/n4893lw/62/


R18が苦手な方は読まなくても全然大丈夫です。お話に影響はありません。

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