ユーチューバー玉袋と吉原
「その声は玉袋さんかな?」
先ほどから「奇跡です!」を連発している玉袋に吉原が声をかけた。
「え?あ、たしか『神戸シティライフ』の吉原編集長さん」
「覚えていてくれて光栄です。2年ぶりかな?」
「はい、その節はありがとうございました。『神戸シティライフ』で紹介いただいたおかげで登録者数が爆発的に伸びたので、お礼の言いようがないです」
「確か『兵庫県で活躍するユーチューバー特集』の時だったね。君があれだけ登録者がいて莫大な利益が出ているのにも関わらず、質素な生活の上『いじめられっ子ファンド』を設立して社会貢献していたから目をつけていたんだ」
トレードマークの麦わらとビーチサンダルであいかわらずの質素な服装の玉袋に吉原は答える。
「それは私自身が小中高時代いじめられっ子でして、自殺まで真剣に考えていたので同じ境遇の子供たちに少しでも役に立てればいいなと思ってのことです」
「そうだったね・・・我々も『神戸シティライフ』で孤児や引きこもりの子供たちのための企画を考えているのだが、一緒にコラボできないかな?」
「全然オッケーっすよ。吉原編集長のためなら喜んで!」
固い握手を交わす2人。
「まったく素晴らしいの一言だな」
「でしょう!時代が変わると言った意味がわかったでしょう?」
大きな声がして鳥居の下から先ほど摩耶に連れられて神戸に行った中洲根と広田が帰ってきた。
先頭の摩耶が手に持つ赤い銅鐸がかわいらしい。
「あ、総理たちが神戸から戻ったみたいだね。玉袋君どうかな?もし時間があればこれから一緒に神戸に戻って作戦会議をしたいんだが・・・」
「いいですよ。私も新幹線で姫路に帰る予定でしたから旅費が浮いてむしろ助かります」
「ふーちゃん、忙しいとこれ申し訳ない。この玉袋くんと私を神戸まで送ってくれないか?」
「あ、全然大丈夫です。って玉袋さん、私は昔から大ファンだったんです。会えて嬉しいわ」




