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恋架け橋で約束を  作者: 桜坂ゆかり
第六章 七月六日
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33/45

朝のひととき

 そこで目が覚めた。

 すでに朝らしく、明るい陽光がカーテン越しに降り注いでいる。

 置時計の針は、七時半を示していた。

 もうすぐ朝ごはんだ。


 また、つらくて悲しい夢だったなぁ……。

 私は見たばかりの夢のことを、また考えてしまう。

 どうして、夢の中では孝宏君に会えないんだろう。

 所詮は夢、と私は割り切って考えているつもり……なのに、妙な胸騒ぎが治まらない。

 不安でいたたまれなくなって、私は部屋を出た。


 そこでばったり雪乃さんと鉢合わせしてしまって、びっくり。

「おはよう、佐那ちゃん。ちょうど、起こしにいこうと思ってたところ」

「おはよう。ご、ごめんなさい。長々と寝てしまって」

「いいって。疲れも不安もあるだろうから」

 いたわるように、そっと肩に触れてくれる雪乃さん。

「ありがとう」

「いえいえ。じゃあ、降りようよ。もうご飯できてるから」

「はい! あの……」

「孝ちゃんも、もうリビングにいるよ」

 雪乃さんが、私の言葉をさえぎって言う。

 聞きたいことが読まれちゃっていたみたい。

「びっくりしてるね。ふっふっふー。佐那ちゃんの考えくらい、お見通しだって! さぁさぁ、赤くなってないで、さっさと降りる降りる!」

 元気良く雪乃さんが言う。

 私はまた恥ずかしくなった。




 四人での楽しい朝食の後、みんなで後片付けをする。

 それが済むと、雪乃さんが言った。

「ねぇねぇ、今日の夕方、花火しない? あたし、今夜にはもう帰らないといけないから」

「いいね! 佐那ちゃんはどう?」

 私にも異存があるはずがなかった。

「もちろん! 楽しみ!」

「じゃあ、決まりだね」

 嬉しそうな雪乃さん。

「それじゃ、花火を用意しておかないと」

 孝宏君が言うと、雪乃さんが首を振った。

「その辺、あたしが抜かってると思う? もちろん、用意してあるから!」

「さっすが、雪乃姉ちゃん」

「ふっふっふー」

 得意げな雪乃さん。

 こういうやり取り、いいなぁ。

 仲良しさがはっきり分かって。

「それじゃ、あたしはまた友達んち、行ってくる。みんな、また後でね~」

 孝宏君、おばあさん、私の三人に向かってそう言うと、出発の準備をするためか、雪乃さんは階段を上がっていった。


「ライブハウスに行かなくちゃね。僕たちも準備してこよう」

「うん!」

 孝宏君と私も、それぞれの部屋へと向かった。


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