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第23話

僕はそれを一つとり、眺めた。鉄がそのままサラサラになったような液体だ。ごくりと唾を飲み込み、ポケットに入っていた水鉄砲を取り出した。僕はそいつを水鉄砲の中に込めた。ついでに試験管をもう二本、ポケットにしまった。


てつしが部屋に戻って来たので、慌てて水鉄砲をポケットに押し込み、何もなかったかのような素振りを見せた。てつしは銃を手に取り、行くぞと合図した。こくりと頷き、一緒に部屋を出た。


他のメンバーは出発の準備を済ませそれぞれマシンに乗っていた。ジープの運転席にはそうしが座り、助手席にはえみ。げんしはオートバイに乗っている。僕とてつしはジープの後部座席に座った。


出発だ!てつしの掛け声でマシンのエンジン音が鳴り響き、ジープが宙に浮く。アジトのシャッターが大きく開くと、ジープとオートバイは勢いよく外に飛び出した。外はすっかり暗くなっていた。雲は無かったが、月も星も見当たらなかった。そんな暗い空を、研究所目掛けて僕達は飛んだ。


十分程で研究所の前に着いた。夜に見るともっと不気味に見える。僕達はマシンを降り、正面から研究所の中に入った。中は昼間と違い、薄暗い。とても静かで、誰もいない。


「最上階の実験室に彼女はいるわ。」


えみはそう言うと、最短ルートを導き出しそれを皆に伝えた。最上階に行くまでには、エレベーターを四回乗り換える必要があるそうだ。


「何もなければ良いけど、そう上手くはいかないよな。」


てつしは笑いながら言った。緊張感がない人だな。恐らくその場にいた皆んなそう思っただろう。僕達はそんなリーダーを先頭にし、最上階に向かった。


一つ目のエレベーターの前に着いた。えみがディスプレイの方に進んだ。彼女がディスプレイに到着する前に、横から聞き覚えのある声が聞こえた。


「皆さん、こんばんは。」


あの女だった。またロボットを引き連れている。


「お、こんばんは。どこで俺達が来る事を知ったか知らないけど出迎えご苦労様。でもこうやって来てくれるって事は、やっぱり見られてやな事でもしてるんでしょ?」


てつしがそう言うと、女は鼻で笑った。えみはエレベーターを作動させ、先に行ってとてつしに告げる。てつしは了解し、エレベーターに乗り込んだ。それに続けて皆んなえみを置いてエレベーターの中に進んだ。

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