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第22話

彼はげんし。げんしは人生の半分以上を戦場で過ごしてきた。その為、華奢で細身な体からは隙など無く、殺気が感じられる。


「誰だ、そのガキは。」


げんしの声は刀のように鋭かった。


「こいつは実験世界からの子でな、あの実験体を救う為にこの世界に来たらしい。」


てつしが僕を今日の作戦に同行させる事を言うと、えみが真っ先に足手まといだと反対した。


「そうだな、俺らの作戦には足手まといだ。あの研究所の奴らの悪行を日の目に晒すって作戦にはな。」


さっきと言ってる事が違うじゃないか、と彼の顔を見上げた。それから彼はこう付け加えた。


「だが、こいつの目的はあの実験体だ。俺らにはこいつとあの子がどうなろうが関係ない。だから同行させるが足手まといになれば放っておく。手助け無用だ。な、ゆうた。」


と僕の方を見て無邪気に笑って見せた。僕は一度下を向き、深呼吸をした。それから背筋をしゃんと伸ばし叫んだ。


「僕はゆうた、りえちゃんを助ける!」


てつしは皆んなに向け、にっと笑った。えみは呆れ溜め息を吐いた。


「良いけどさ、坊主。ズボンだけは着替えてくれよ。」


えみがそう言ったので、僕は自分のズボンを見た。股間がぐっしょり濡れていた。


えみが新しい服を用意してくれた。それに着替えて終わった頃には、メンバーはそれぞれの準備に取り掛かっていた。えみはディスプレイの前で何かを調べている。げんしは刀を研いでいて、その隣ではそうしがマシンのセッティングをしている。僕も持参した水鉄砲を一度構えて、それからポケットにしまった。


てつしの姿は見当たらない。一番奥にある部屋を覗いた。てつしはそこで銃をいじっていた。てつしは僕に気付くと、怖いか、と銃を見ながら僕に聞いた。僕は首を横にぶるぶる振った。てつしは声を出して笑った。


銃の整備が終わると、てつしは銃を机の上に置いた。次に箱から透明な試験管に入った灰色の液体を取り出した。僕がそれは何かと尋ねると、


「こいつは対ロボット用のウイルスだ。こいつを一滴でも垂らしてやると、あいつらは動けなくなるんだぜ。」


てつしは子供みたいそう答えると、トイレ、と言い部屋を後にした。僕はそのウイルスが気になった。試験管が入っていた箱に近づいてみると、それは箱一杯に詰められていた。

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