『黒歴史ノート』 ~直哉の章~ 其の二
翌日、先ず俺は、村で情報を集める事にする。
暫く情報を集めると、幾つかの事が分かった。
村長の娘 (リミアというらしい。)が攫われたのは1週間前。人の言葉を話す竜で、北の方角に飛んでいった。
恐らくは北の山岳地帯に巣があるのだろう。
また、リミアには恋人がいて、その恋人 (マークというらしい。)がリミアを助けるために村を出たが帰ってこない。
村長は二人の交際を良く思っていなかったので、竜からリミアを助けて認めてもらいたかったのではないのか?
整理するとこんな感じだ。
引っかかる点が何点かある。
人の言葉を話す竜。という事は、エンシェントドラゴン級のドラゴンと言う事になる。
エンシェントドラゴンと言えば、ドラゴンの中で上位。つまりは原生生物の中で最強クラスという事だ。
まあ、これに関してはゲーム的観点なんだが・・・
村の宝が謎だとは言え、報酬が安すぎる。
それに、どう考えてもグランドクエスト級のボスだ。
こんな小さなクエストのボスとして登場するのか?という感じだ。
ひょっとしたら、本当にボスだが回避ルートが用意されているとか、そんな所じゃないかと思う。
そして、恋人のマークの存在だ。先ずコイツが竜に挑めるほどの実力者なのかと言う事だが、まずそれは無い。
今まで、どんなに強いNPCだとしても、単独ではレッサードラゴンにすら勝てなかった。
となると、マークは何とか竜の巣からリミアを助け出そうと隠れながら・・・こっそり救出。コレしかない訳だが・・・
・・・何かが引っかかる。
俺はマークがこのクエストにおいて、最も重要な・・・確信的な何かを担っている気がしてならない。
何にせよ、北の山岳地帯に行ってみるしかない。
俺は、北の山岳地帯を目指した。
到着すると、いかにも巣と思われる洞窟を見つけた。入口は、大型の生物でも十分に入れる。
俺は当たりの様子を伺うと、慎重に洞窟へと入る。
入口の通りに中も広いが隠れる場所が少ない。
「マークが隠れながら・・・と言うのは無理がありそうだな。」
俺は、壁に沿って慎重に進む。
暫く進むと、一際大きい空間に出た。
恐らく、竜の寝床になるのだろうそこには、無数のガラクタが積み上げられていた。
「エンシェントなら、財宝が積んであってもおかしくは無いんだがな。」
そしてそこには、主であろう竜の姿は無かった。
俺は辺りを慎重に調べると、ガラクタの奥に狭い通路らしきものがあった。
「この先か?」
俺は、その通路を進む。
通路には、魔法で作られたと思われる明かりが存在した。
「・・・なんだ?ここは??」
通路は以外にも長く、枝となる道も存在した。
「何かがおかしい。」
竜がこんな奥まで入れるはずが無い。
それに、リミアを捕らえておくだけのスペースなら、明かりなんていらない。
俺は、疑問を感じながらも慎重に奥へと進んだ。




