↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

七話

 お姉さんについて行ってお屋敷を出ると、街の中だった。

 この辺りは、お屋敷がいくつも並んでるみたい。


 質の良い魂もいくつかあって、他にも契約の出番がありそうかも。


「早く、乗るのですわ。リズリリス」

「はーい」


 お姉さんに呼ばれて馬車に乗ると、馬車が走り出した。

 あたしはお姉さんに言われて、お姉さんにしか見えないようになっている。


「うふふふ。心躍りますわ」


 お姉さんはとっても楽しそう。今回も成功かな?


 馬車に乗っていると、お城の門の前に来た。

 御者をしていたおじさんが、門の前の人間さんに何か伝えてる。


 馬車の椅子に座って足をぶらぶらしていると、御者のおじさんが戻ってきた。


 馬車が進んでお城の前で止まったから、お姉さんと一緒に降りる。


「――ローゼシア!!」


 お城の中から、マントを羽織った男の人間さんが出てきた。

 走ってきて、そのままお姉さんを抱きしめた。


「ローゼシア!!」

「サリウスさま…」


 お姉さん、嬉しそう。魂が踊ってる。

 良かったね!


 マントの人間さんは、お姉さんを見つめたまま顔を近づけていく。


「…ボクハ、キミヲアイシテル」

「まあ! サリウスさまったら」


 頬を赤くしたお姉さんが、顔をぶんぶんと振っている。幸せそうだなあ。


「キミヲコンヤクハキナンテ、オロカナコトヲシテシマッタ。ユルシテクレルカイ?」

「勿論ですわ。あぁ…サリウスさま、愛してます」

「ボクモ、ダヨ」


 うーん。お姉さんの魂、とっても美味しそうになっていってる。


「殿下! お待ちください!!」


 今度は鎧を着た人間さんが、お城の中から出てきた。

 マントの人間さんとお姉さんの前まで来ると、口をパクパクしてる。お魚さんみたい。


「婚約者であるフィニカ・ヘーゲル様が突然に命を落とされたというのに、何をっ!! それに、登城していたヘーゲル子爵もですぞ!!」

「カンケイナイ、ドウデモイイ。ボクハ、ローゼシアヲ、アイシテル」


「うふふふふ、そういうことでしてよ?」

「サア、ローゼシア。チチギミトハハギミニ、ホウコクニイコウ」

「ええ!」


 お姉さんとマントの人間さんが、お城に入っていく。

 その場に座っちゃった鎧の人間さんの背中を撫でてあげる。んー。気づかない。


「何をしているの、リズリリス。行きますわよ?」


 お姉さん、まだ一緒に来て欲しいみたい。


「うん、おーっ!」


 拳を上に突き出してみると、前を歩くお姉さんもちっちゃく真似してくれた。

 なんだか楽しいね。



 ふよふよとお城の中をついて行ってたら、豪華な扉の前に来た。

 待っていると、扉の前にいた鎧の人が扉を開ける。


「サリウス第三王子とローゼシア・フランチェスカ侯爵令嬢のおなりです!」


 豪華な扉の向こうには、王冠を被ったおじさんと、ひらひらなドレスを着たおばさんがいた。

 どちらも質の良い魂だなあ。しかも、揺らぎがない。


「おう、よく来たな。我がドラ息子と、ローゼシア侯爵令嬢よ」


 王冠を被ったおじさんは立派なおひげ。柔らかそう。


「チチギミ。ボクハ、ローゼシアヲ、エラビマス! ローゼシアヲエラバナイナンテ、ボクハ、オロカデシタ…」

「――ふむ、つまりローゼシア・フランチェスカと結婚すると?…ローゼシア令嬢の気持ちは?」

「是非に」


 ずっとマントの人に抱きついて頬ずりしてたお姉さんは、即座に返事をした。


 おひげのおじさんがマントの人とお姉さんを見て、なんだか考えてるみたい。


「……ふむ。一時はどうなるかと思ったが、最後には侯爵令嬢を選ぶとは、やるではないか」

「ハイ。シンジツノアイニ、メザメマシタ」


 お姉さんとの結婚、なんだか歓迎されてるみたい。おひげのおじさんが、笑いだした。


「ワッハッハ! お前を僻地(へきち)へ飛ばすことにならなくて良かったわい!」


 ふむふむ。


「――侯爵には世話になってるからな。よろしく頼むぞ。これでローゼシア令嬢を泣かすなら、サリウスの子は見れんくなるかもな。ワッハッハッハ!」

「オマカセクダサイ。チチギミ、ハハギミ!」


「うふふふふふふふ」


 お姉さん、ずっと笑ってる。幸せになれたのかな。

 うん、次は七日後くらいかなあ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。