第九話 保健室
翌日、レイは保健室へと向かった。もちろん体調不良ではない。
「し、失礼します…」
「はいよー」
恐る恐る扉を開けると、保健室の先生が気軽な返事をした。
「実は少し確認したいことがあって来ました。最近体調不良の生徒が増えていると聞いたので…」
「そうなのよねぇ、最近やたら多くて。でもどうしてそんなことを?」
「え、えっと…実は友達もこの間体調不良になってしまって。何か原因でもあるのかなと思って」
咄嗟にそれらしい嘘をついた。
「うーん、そうねぇ。これといって思い当たることは…あっ!そういえば一つあったわ!それはねぇ―――」
「やっぱり…」
「やっぱり?」
「い、いえ、何でもないです。教えていただきありがとうございました」
そう言ってそそくさと保健室をあとにした。
考えながら廊下を歩いていると、
「ちょっと!」
後ろから呼びかけられ、レイの肩がびくりと跳ねた。振り返るとエリナが立っていた。
「考え事ばっかりしてどうしたのよ」
「えっとぉ、少しね…」
「ふーん、まあいいわ。それより課題やった?明日までのやつ。あれ結構大変だったけど」
「え…………?」
何それ、知らない。
「ちなみにエリナはどのくらいかかったの?」
「そうねぇ、大体3日かしら。まあ私の苦手分野だったのもあるけど」
3日。そんなもの到底間に合わない。
レイは急いで寮へ戻り、記録もつけずに徹夜で課題に取り組んだ。何とか間に合わせたものの、その日の午前中の授業中に寝てしまい、先生にしっかりと怒られた。




