表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第四章 白き姫編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/133

十、白き姫の兄たちの使命

琳琅(リンラン)の話を四人は無言のまま聞いていた。

雪華(シュエファ)は静かに涙を流していた。

その姿を見た(ハン)は雪華の手を優しく握っていた。

「私が知っている話はここまでよ。あなたたちの祖父の家軍(ジャージュン)もいまだに誰に殺されたのかわかっていないの・・・。あなたたちに話したのは、あの時のような嫌な感じがずっとしてるの。これからもっと雪華が危険にさらされることが増えてくるわ。もう少し日が経てば、雪華は婚姻できる歳になるわ。その時を狙ってくるはずよ。必ず雪華の奪い合いになるわ。(イー)(ハン)(チョン)。なぜ、あなたたちにこのことを話したかわかるかしら?」

翰は力強く答えた。

「もちろん、命を懸けて雪華を守るためです」

毅と忠も翰の意見に同意していた。

「私の兄上がそうしたように、あなたたちにも命を懸けて雪華を守らなければならないわ・・・。でも、本当は毅、翰、忠には自由に生きてほしかったの。毅は逸美(イーメイ)と子供たちも守らないといけないのに・・・翰と忠は大事な人を作る時間も守る時間も奪うことになるわ」

翰は雪華を見ながら笑いかけた。

「母上、昔も今もこれからも私が守りたい人は雪華以外いません。心配しないでください。そんな時間、私には必要ありませんから」

琳琅は翰の言葉に笑顔で感謝を述べていた。

「母上、心配しないでください。僕は兄として雪華を守り続けますよ。でも、翰兄が全力で雪華を守るので僕の出る幕はないと思いますよ」

「母上、将来の大将軍劉毅が家族と妹を守れないわけないでしょう」

琳琅は毅と忠の言葉に対し、その通りねと微笑んでいた。

毅はそれよりも別のことが気になっていた。

(それにしても、翰の言っていることは立派だが、実の兄としてはいろいろな意味で不安なのだが・・・。大丈夫なのか?母上は鈍感なのか?翰の雪華への態度が異常でも止めないからな・・・)

毅の心配をよそに琳琅はありがとうと涙を流していた。

雪華は三人の兄たちを見ながら、兄上たちの妹でよかったと感じていた。心に抱いていた不安もかき消されていった。


「母上、いくつか質問してもよろしいですか?」

翰の問いかけに、琳琅は答えられる範囲ならと答えた。

翰は琳琅から聞いた話から白き姫についての情報を一つずつ整理するため質問をしていった。


翰が把握できた白き姫の情報は次の点であった。

白き姫は娘を産んだら、生まれた時からその娘が白き姫となる。

娘は一人しか産めない。娘を産んだ後は子ができない。

一人の男以外交わることはできない。他の男と交われば、その日のうちに死に至る。

白き姫の存在は公にしてはならず、先祖代々存在そのものが国の最重要機密であった。

白き姫はこの国の平和に寄与する存在であること。しかし、どのように寄与しているかは内密。


「答えられるのはそれくらいかしら」

翰はなるほどですねと言いながら何か考えているようだった。

雪華はあることに気づき琳琅に尋ねた。

「母上、叔父上からいただいた歴史書の中にあまり情報のない皇后様もおられました。もしかして・・・」

「雪華が考えている通りよ。白き姫は代々、皇族との婚姻が多かったの。私の母上と私が異例なくらいかしら。」

(私と月亮(ユエリャン)様との婚姻が前々から決まっていたのはそういうことだったのね。代々皇族との結びつきで血を濃くしていたのが、祖母と母上で薄まっているのね)

「この歴史書の内容と母上の話が多少違うのはなぜですか?」

「それは母上の本当の末路を知られないために、皇上が真実を隠してくださっているの」

雪華は納得した。真実を載せたところで皇族、白き姫の血族、どちらにとっても不名誉な話でしかない。


琳琅は悲しい表情になりながら、懇願した。

「毅、翰、忠。もう二度と雪華を失いたくないの。私は雪華の兄であるあななたちに頼るしかないの。母親なのに何言っているのかしらと思うかもしれないけど、お願い、雪華を守って」

三人は笑いながら、

「兄として当然ですよ」

「雪華を守れるのは私だけですから」

「僕は妹を守るのは兄の特権だと思ってるよ」

それぞれの思いを口にした。

琳琅と雪華は目を合わせながら微笑んだ。




琳琅たちが話している最中、家豪(ジャーハオ)は帰ってきていた。

部屋に行こうとする家豪の前に勇敢(ヨンガン)方康(ファンカン)が現れた。

急に目の前に現れたため家豪は少し驚いた。

二人は、内密のお話がありますので時間をくださいと頭を下げていた。

二人の様子にただ事ではないと感じ、二人を部屋に招き入れた。


「で、話しとは何だ?」

勇敢と方康は意を決して話しはじめた。


家豪は二人の話を聞いて思い当たる節があった。

「私も(リウ)家に密告者がいることを勘づいてはいたが、あいつだったとはな」

家豪はどのように対処しようか悩んでいた。

(そういえば翰が来てたな。翰に聞くか・・・)

勇敢に翰を呼ぶように伝えた。


「父上、翰兄だけずるいですよ」

「何かあったのですか?」

翰だけを呼んだはずなのに毅と忠もついてきていた。

人数が多い方が知恵も出るだろうと思い、勇敢と方康に先程した話をもう一度してもらった。


「父上、それならば尻尾を出させるいい案がありますよ」

皆は食い入るように翰の話を聞いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ