表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第三章 争奪編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/133

十八、争奪戦の序章

新年を迎えるまであと七日ほどになった。

家豪(ジャーハオ)琳琅(リンラン)は皇帝から呼ばれ、後宮へ赴いていた。

他の者たちも家を空けており、屋敷内にいたのは雪華(シュエファ)冰夏(ビンシャー)と護衛の者たちだけだった。


勇敢(ヨンガン)、お嬢様の事は諦めろ。あの第四皇子が相手だぞ。それに(ハン)様だっている。勝てるわけないだろ」

(スン)さん、私は諦めませんよ。というか翰様は実の兄だからだめでしょう。誰が何と言おうと、お嬢様への気持ちは変わりません」

勇敢と孫(レイ)の話は、雪華に丸聞こえだった。

(本人に聞こえる声で話さないで)


雪華は何も聞こえてないと自分に言い聞かせて、寝台に寝転がりながら、歴史書に集中した。

読んでた『(ルオ)国の歴史』の書も先帝の時代に入っていた。

雪華はある記述を見て、思わず起き上がり、眉をひそめながら真剣に読んだ。

そこにはこのように書かれてあった。


『皇帝趙志強(チャオヂーチャン)の時代、突然、白き姫と呼ばれる者が現れた。皇帝は宣言した。白き姫を手に入れた者、天下をとり、この国の平和が保たれる。皇帝は、慈悲深くも、皆にその権限を与えた。白き姫を手に入れるため、多くの者が争った。しかし、白き姫は忽然と姿を消した。同時に、皇帝も崩御された。後にも先にも白き姫はこの者だけだった。名も容姿もわからぬまま。知った者は皆、散ってしまった』


(この白き姫って、祖母の事だよね。どういうこと?)

雪華はその後の記述も読んだが、祖母に関して書かれたのはこの箇所だけだった。

(これは母上に聞かないとわからないみたいね。この時何があったの?)




男は息を殺し、聞き耳を立てていた。

「そうか、金子を渡した価値はあったな。(リウ)家も油断しているだろう。まさか、()()()()がいたとは夢にも思うまい。よし、私たちも行くぞ」

(一刻も早く急がないと!)

男は気付かれないように走り去っていった。




雪華は妙な気配を感じた。

(あれ?そういえば勇敢たちの声が聞こえなくなった)

雪華は嫌な予感がし、ゆっくりと戸に近づいていった。

すると、勢いよく戸が開いた。

「驚いた。冰夏、急に開けないでよ」

「お嬢様、逃げてください。皆の様子が・・・」

冰夏の後ろには一人の男が立っており、にやりと笑いながら手に握っていた粉をぶちまけた。

(何?)

咄嗟に口と鼻を塞いだが、めまいがしてきた。目に前では冰夏が倒れていた。

「冰夏・・・」

薄れゆく意識の中、雪華は男に抱きかかえられた。

月亮(ユエリャン)様、翰兄様・・・助けて・・・)




「冰夏、冰夏!」

冰夏は身体をゆすられようやく目が覚めた。

「お嬢様はどうした!」

冰夏は慌てて起き上がり、周りを見渡したが雪華の姿はどこにもなかった。外を見てみると、勇敢と孫磊が倒れていた。

(この粉は催眠粉?こんなものを用意していたとは)

「冰夏、護衛を叩き起こして、家豪将軍に報告するように伝えてくれますか。私は第四皇子と翰のところに行きます。あと、家豪将軍にはこの場所に来てくださいと伝えてください」

冰夏は地図を受け取った。ある場所には大きく✕印がつけられていた。

「お嬢様は大丈夫でしょうか?」

「安心してください。大丈夫です。誰がやったのかもわかっていますし、どこへ向かっているのかもわかります。金で釣らせているだけで、大したことのないやつらですから。冰夏、あとは頼みます」

「はい、万昌(ワンチャン)様」

万昌は優しく微笑みながら頷き、足早に去っていった。

(父上、あなたの思うようにはさせません)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ