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あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第一章 林小蘭編

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二、小蘭と勇敢

たくさんの野菜を荷車に乗せて運んでくる少年の姿が見えてきた。

恐ろしい速さで走っており、今にも野菜が落ちそうである。



少年の名前は黄勇敢(フワンヨンガン)、歳は小蘭の一つ上である。

家は農家を営んでおり、跡継ぎの長男である。ここ数年で一気に背が伸びており、農作業で鍛えられた筋肉も相まっていい男に見える。しかし、子供っぽい言動が多いため少々残念な少年である。

小蘭と勇敢が初めて会ったのは、七歳と八歳の時だった。きっかけはできたばかりの来蘭亭に勇敢の父親が客として訪れ、料理のおいしさに感動し、ぜひ、うちの野菜を使ってほしいと売り込んできた。

初めの頃は母親と一緒に野菜を持ってきていたが、十歳を過ぎたあたりから勇敢一人で持ってくるようになった。野菜を届けては小蘭を遊びに連れまわすのであった。

感情表現が苦手でなかなか友人のできない小蘭にとっては唯一の友人でもある。



勇敢は遅くなってごめんなさいと謝りながら持ってきた野菜を母に渡した。

ちょうどなくなるとこだったの、助かったわと言いながら、銭を渡して、父のいる厨房へ戻って行った。

「小蘭、ちょっといいか」

と言って私が返事をする間もなく、手を引っ張って、店の裏手にまわった。

(こういうところだよ)

と思いながら、で?どうしたの?と聞いた


どうやら来月この町に皇帝とその息子である第四皇子が来るらしい。もしかしたらお目にかかれるかもしれないから一緒に行こうと。正直、興味はない。後宮とは一生縁がないだろう。

黄家の野菜は他の店にも売っているためか、届け先で様々な情報を仕入れてくる。今回はどこから聞いてきたのだろうか。

それにしても何でこんな小さな町に、しかも、後宮からこの場所までかなり遠い。第四皇子の希望らしいが、なんとも変な皇子である。


(ユエン)おばさんに小蘭連れ出していいか聞いてくると言い、足早に母のところへ向かった、かと思ったらすぐに戻ってきた。

満面の笑みで、勇敢なら任せられるから行っておいでよだってと言いながら、謎の踊りをする。本人曰く喜びを表現しているらしい。小蘭を任せられるってことは、そういうことだよねとニヤニヤしながら変な笑い方をしている。

(母はなぜこれほど勇敢を信頼しているのだろう、まぁ例のこともあるだろうけど・・・ )

はぁ、と溜息をつきながら勇敢を見て、勇敢が幸せそうでうれしいよと、全く感情のこもっていない言葉を言った。

勇敢の謎の踊りはさらに激しくなるのであった。



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