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ミソラ3年生になるが集団戦闘に巻き込まれる その2

前回の続きです。

1対10人の戦い、どうなる事やら。

 昼食から戻ったミソラは1対10の対戦になっている事に驚いた。


「そう言えば・・・この前倒したゴブリン達に似ている。ゴブリンキングにゴブリンメイジ、そしてゴブリン達・・・・そっかゴブリンと思って戦ってみよう。」

 ミソラは少しだけ不謹慎な事を想像してしまった。


「ミソラ用意は良いか。こちらはもういつでも大丈夫だぞ。」

 ウルメス先生が言う。


「あのーウルメス先生、ジョリアンナ先生、いつの間にこんな話になったのですか。」


「おれが3年Aクラスを引き連れ鍛錬場に来た時、お前はジョリアンナ先生と打ち合っていただろう。

 それを見たAAクラスとAクラスの生徒がミソラと戦いたいと申し出てな、俺も特別進級試験でお前に左足切られているから、復讐だな。ははは。」

 ウルメス先生結構根に持つタイプなのか。


「ミソラちゃんごめんね。みんなも一度戦ってみたいと言う事なの、そ、れ、に、ミソラちゃんと1対1で戦っても結果が見えているし、騎士団で1番隊長していた私とも互角なら、みんなで掛かるとどうかなって思ってね。」

 とジョリアンナ先生が説明する。


「はぁ」ミソラはため息を出しながら「わかりました。そういう事ならやって見ます。」

 ミソラは鍛錬場に備え付けの木剣を1本取ると確かめるように振る。

「ジョリアンナ先生軽すぎます。」


「でもミソラちゃん木剣以外の銅剣や鉄剣では炎出すでしょ。私たち先生はともかく、生徒達は焼かれることに慣れていないから。炎出さない様に木剣でお願いするのよ。」


「うーん。木剣でも炎出せますよ。ただし剣が燃えてしまいますけど。」


「えー出せるの。」ジョリアンナ先生が驚く。


「ええ、別に剣が燃えているわけでは無いので、魔法で・・言うなら「ファイアーフレア」を剣に纏わせるみたいなイメージです。」

「なるほど、剣が燃えているわけではないのですね。うーんどうしよう。木剣なら熱さは無くなるよね。

 それで行きましょう。」

 ミソラの剣は炎を纏わせると剣が熱せられ、剣に触れただけで火傷してしまう。


 木剣なら炎に触れた部分だけで、熱は伝わらないと見たジョリアンナ先生は許可してしまう。

「あまりハンディを付けるとミソラちゃんが可愛そうなので、木剣で炎は出しても良い事にします。

 忘れていましたがミソラちゃんは魔法剣士でしたよね。」

「そうだったな。儂も剣技が素晴らしいので魔法剣士の事すっかり忘れていたわい。」

 ウルメス先生も同意した。


「はい、なら剣を選びます。」

 ミソラは壁に並んでいる木剣の中でもある程度太く、重さもある剣を選ぶ。


「ん?ミソラ木剣15本も持ってどうする気だ。」

「ははは。作戦です。鍛錬場全部使って良いのですよね。」

「ああ。いいよ。」ウルメス先生が許可する。


 ミソラは選んだ15本の木剣を鍛錬場の4隅に3本づつ置き、手に2本を持つ。

 1本は中央に置く。

「どう言う意図があるか解らないけど、そんなに剣を使うとなると楽しみだわ。」

 ジョリアンナ先生が良く解らない楽しみ方をしていた。


「用意はできました。一斉にかかってきなさい。」とミソラ。


「ちょっと待ちなさい。」突然、校長のクリス・ローリンドが生徒を連れて2階席に入ってくる。


「楽しそうな事をしていると聞いて、みんな連れて来たわい。もう少しまって欲しい。」

 生徒はわいわい言いながら3年生専用鍛錬場の2階席に集まってくる。

 ほぼ、全校生徒が集まっている。

 剣士科や魔法科に錬成科の生徒と先生たちである。


「ミソラがんばれ~。」

「おぅ先生たちに負けるなよ。」

 もう2年生になった1年生の時の同級生が声援を送る。

 剣士科のアルス、魔法科ミルネ、ルース、錬成科のマールが揃っている。

「ミソラが3年になったから2年生の剣士科AAクラス1人になったぞ。」

 アルスからの近況報告である。


「ごめんね。アルス。」ミソラは少しだけ懐かしい思いになった。


「負けたら許さないわよ。」ミルネがなぜか言う。どう許さないのだろう。


「ふぉふぉふぉ、よし見学の準備はできたぞ。はじめて良いぞジョリアンナ先生。

 ミソラ君。これに勝ったなら騎士団に研修にだしてやろう。早すぎるけどな。」

 校長のクリス・ローリンドは許可を出した。


「えー騎士団とかより冒険者がしたいのですが、校長先生。」

「でも集団戦闘は良い経験になるぞ。」

「そうですか。では勝ったらお願いします。」

「ふぉふぉ。楽しみだぞ。」

 校長のクリス・ローリンドも上機嫌である。

 密かに、勝ったら主席卒業させてやろうと思っている。

 王立学園では最優秀でないと主席卒業はない。ここ7年間主席卒業生は出ていない。

 

「では行くわよ、みんな油断しないで、最低2名でミソラにかかりなさい。1人になってはダメですよ。

 理想は3名での同時戦闘。休む暇を与えないで。相手はオークキングだと思って集団で戦闘するのよ。」

 ジョリアンナ先生は恐ろしい事を言う。


「ではミソラ。観客も増えたし、用意は良いか。」

「はい。いつでも。」

「では始めよう。」

「はい。」


 父親の言葉が蘇る。

「相手が一匹なら良いが、数がある依頼はまだ受けるな。数と言うのは恐ろしい物だ。

 弱い相手でも確実にダメージを受ける。相手の数によっては体力や魔素が枯渇して戦えなくなる。

 最初はゴブリン討伐とか、数が多い物は受けるなよ。パーティーが決まれば良いが。」

 と言われた学園最初の登校日の事だ。

「最初はゴブリン達をやっつけてキングとメイジは最後ね。」

 ミソラはゴブリン退治の気分になっている。


 対戦相手の生徒と先生はミソラを囲んで大きな円になっている。

「ミソラ行くぞ。」

「かかってきなさい。」


 1対10の戦いは始まった。


 ミソラは大きく深呼吸すると両手の剣を構える。

 大きな円はじりじり小さくなっていく。


 突然ミソラは走りだす。「とりゃ」生徒達を飛び越えると円の外に出て、対峙する。

 3名の生徒が言われた通り切りかかる。

「とりゃー」流石に3年生AAクラスやAクラスの生徒だ、剣が鋭い。

 巧みにミソラはかわして、まず一人を斬る。「うっっ」痛かったようだ。膝間づく。

 すかさず残った二人に切りかかる。

 一人に正面から切りかかりると、横に飛び、振り向きざまに斬る。

「うっ」また一人斬られた。

「残り応援に入りなさい。」ジョリアンナ先生が叫ぶ。

「そうだ、人が少なくなったら入って。」とウルメス先生も言う。


 ミソラの前に4人の生徒が剣を構えている。


 ミソラは突然横に走り、Uターンすると走りながら飛び上がり正面の生徒を飛び越し、後ろで控えていた生徒2名を次々と斬る。「うわ」「いて」と言いながら倒れる。

 振り向き、右の2名を斬る。「おお」観客の生徒がどよめく。

 斬られた二人はその場で倒れる。

 残り4名。


 ボスが出て来た。

 2名になった生徒に先生2人が入る。


「お前達、真ん中に入れ、左右は俺とジョリアンナ先生が守る。」「「はい」」

 

 ミソラが持った剣は炎で燃えている。剣を水の入ったバケツに入れると、剣を取り換える。

「剣こんなに要らなかったな。」とミソラ。


 またミソラは4人を前に両手に持った剣に炎を纏わせる。

 ミソラは右のジョリアンナ先生に向かって走り出すと、突然方向を変えてウルメス先生に滑り込み下から左足を狙う。

「お、ま・また。」ウルメス先生は少し慌てる。特別進級試験を思い出す。


 ミソラは飛び上がると1回転して、真ん中の生徒2名の背中を斬る。

「ぐえ」「おっ」変な声が出る。


 左右の先生だけになった。

「残るはゴブリンキングとゴブリンメイジだけね。」

 生徒を斬ると大きくバックしたミソラは、また走り出すとジョリアンナ先生に切りかかる。

 今回ジョリアンナ先生も鉄剣を持っている。スピアの時と違い間合いが短いのでミソラは楽だった。


 ジョリアンナ先生と斬りあう。何度も木剣と鉄剣がぶつかり合う。

 木剣の1本が燃えて折れる。

 すかさずミソラは端まで走り、剣を捨てると2本の剣を拾った。

「炎を纏わせると、3分しか持たないわね。」

 ミソラは斬る直前だけ炎を纏わせる作戦に切り替える。

「やはりジョリアンナ先生が先ね。」

 ミソラは走り出すとジョリアンナ先生に向かっていく。

 ウルメス先生も近づき剣を繰り出してくる。

「うぉ」ミソラは声が出てしまう。


 少し間合いを取り、特別進級試験を思い出す。ウルメス先生の間合いを思い出していた。

「ここだ。」ミソラは飛び上がる振りをして、下に潜り込む、ウルメス先生の右足に剣を振る。

 ウルメス先生は飛び上がりとミソラ目掛けて剣を振り下ろす。ミソラ左に転がり剣を避けると同時に先生達から遠くまで転がる。ウルメス先生が追いかけてくる。

 転がりながら立ち上がると同時に振り向きざまに剣を振る。

「おっと」ウルメス先生が避ける。上からジョリアンナ先生が飛び上がりウルメス先生を飛び越えて斬りかかる。


 間合いを見切りミソラはひょいと避ける。

 ついでにウルメス先生に再度斬りかかる。

 もう少しで届く所でウルメス先生は避ける。


 二人の先生を相手に互角で斬りあうミソラに声援が届く。

「おーすげー」「人間じゃないぞ」「ミソラ頑張れ」


「剣が持つようになってきた。」ミソラは斬る時だけ炎を出す練習にもなっている。


「ウルメス先生背中借りるわよ。」「おう」

 ウルメス先生が屈むと、背中を蹴ってジョリアンナ先生が斬りかかる。剣で避けたミソラだったが、剣が折れてしまう。

「2本で受けないと折れるな。」

 隅で剣を交換すると、ミソラは走ってジョリアンナ先生に向かう。途中で向きを変え、ウルメス先生に斬りかかる。


「ミソラ君、使いなさい。もう先生達だけだから良いでしょ。」

 校長のクリス・ローリンドは鉄剣を1本投げ入れる。

「助かります。」とミソラ。


「行きます。」ミソラは鉄剣に炎を纏わせると、走り出しジョリアンナ先生とウルメス先生に戦いを挑む。

 1人で強者2人を相手に一歩も引かないミソラ。


「まるでミソラの腕が4本に見える。以前とは別人みたいな動きだな。」

 元クラスメイトのアルスが感心する。

「そろそろ決着をつけます。」

 ミソラは言うと、連続飛びで二人を相手に戦い、徐々に相手同士の距離を離す、同時に飛び上がりジョリアンナ先生の後ろを取り、肩に剣を振り下ろす。

 咄嗟に避けたジョリアンナ先生は、すこしよろけた。

 すかさずよろけた方向に剣を振りミソラは一歩踏み込む。

「うっ」

 ジョリアンナ先生は腕を焼かれてしまった。

 ミソラはジョリアンナ先生を飛び越えると、ジョリアンナ先生を盾にウルメス先生に斬りかかる。

 右から斬りかかると見せて、木剣を左から投げつけ、剣で躱した所に右から鉄剣で斬る。


「いて」ウルメス先生は木剣を避ける為に少し左に向いた所を左肩に鉄剣で斬りつけた。


「ふぉっふぉっ、そこまで。」校長のクリス・ローリンドが宣誓する。

「ミソラ君の勝ちだね。良い物を見せてもらった。」

「ミソラおめでとう。特別進級試験についで今度は先生2人もか。凄いなお前。」アルスは褒める。


「ふふ。ありがとう。」

「ミソラ。凄いな。」ジョリアンナ先生も褒める。

 斬られた3年AAクラスやAクラスの生徒も祝福する。

「また斬られたな。ミソラ覚えて置けよ。」とウルメス先生が笑いながら言う。

「ウルメス先生、いつでも相手しますよ。」

「しばらくは辞めとく。俺も鍛え直すからな。元騎士団長が負けたらシャレにならない。

 前回の特別進級試験は試験だからある程度手加減したが、今回は本気だ。それで負けるとは自分が情けない。みてろ鍛えて次は勝つぞ。」

「はいお待ちします。私も強くなりますから。」


「ミソラちゃん頑張ったね。強いわ。」ジョリアンナ先生も褒める。

「まさか私を盾にするなんて・・」

「いや先生。夢中でしたので、何をしたか記憶にありません。」とミソラ。


「ふぉふぉ3年生の最初の授業で先生2人と生徒8人を倒してしまうとか将来楽しみじゃぞ。」

 クリス・ローリンド校長も上機嫌だ。


「そうだ、ジョリアンナ先生。こんどの騎士団との模擬戦。ミソラ君に出てもらおうと思うが。」

「はい校長先生。私も充分に騎士団にも通用すると思います。」

「そうだのぅ。ミソラ君はどうだ。」

「私は冒険者に・・・・」


「いつもは騎士団との模擬戦は先生だけが参加して、生徒に戦い方を見せる物なのだが、元騎士団の先生2人を倒したミソラ君は先生以上の実力はあると思う。そこで先生に代わって模擬戦してみて欲しいのだが。」


「えー。模擬戦ですか・・」

「王も来るぞ、と言うより王宮で試合するのだぞ。」

「えースメタナ王も見に来るのですか。なら尚更やりたくないです。」

「そんなこと言わずに頼む。」

「でも・・・」

「一度やってくれれば、次は無理に模擬戦闘させないから、な。」

「うーん。校長先生が言うのなら。」

「受けてくれるか。楽しみじゃ。」

「仕方ありません。」

 ミソラはしぶしぶ受ける事にした。

 スメタナ王とも王女ソフィアちゃんとも知り合いなので、今更名前を覚えてもらう必要もないのだが。

 将来冒険者になった時になにか役立つと思い模擬戦を受けてしまった。


ミソラ強いです。

次話もよろしくお願いします。

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