プロローグ
プロローグ
『西暦2222年』
残されたのは、ヒマラヤ山脈ふもとに置かれた可住区域のみ。
激しい暴風雨が彼らを襲う。大気汚染によって、呼吸は困難。
地球の残り人口は二人。
「ねえ、怖くない?」
アダムが言った。
「うん。君が一緒だから」
イヴが言った。
「……寒いね」
「……うん」
イヴはアダムのほうに体を寄せる。
二人に、激しい雨が打ち付ける。風と雨、そして互いの呼吸の音だけが鼓膜を激しく刺激する。でも、感じる。
「感じる……アダムの暖かさを……」
「イヴ……」
「私たちは……幸せだ……」
「うん……幸せだ」
凍っていく。二人は繋がれて、そして凍っていく。
でも、心は。彼らの言う通り、彼らの心は幸せに包まれていた。
人類の歴史や偉業、そして遥か先の未来のことなど、二人の頭の中からは消えていた。
二人が、ただそこにいるということ。
「ねえアダム……」
「イヴ……」
「手を……握っていて……」
「うん……」
「ありが……とう……アダ……ム……このまま……二人で……」
「イヴ……」
二人が、ただそこにいるということ。
「ねえアダム……」
「……なに?」
「愛……して……」
「イ……ヴ……」
そうして、地球最後の人類は、永遠にその瞳を閉じた。
『西暦10022年』
気候変動。約10万年周期で気候変動を繰り返す。
『西暦1213521年』
巨大隕石飛来。
イエアテ大陸が人類可住区域として残される。
『西暦12270000年』
『物体』飛来。宇宙全体の仕組みの変化おこる。地球環境が人類時代の状態のまま長期的に維持される。
『西暦122218630年』
イエアテ大陸、イグニクア大陸とエラ大陸に分裂。
『西暦22219897594年』
プロジェクト実行。
『西暦22219897595年』
「最初の二人」生まれる。
『西暦22219897599年』
ダミヴ島、水没。
『西暦22219897627年』
『西暦22219897629年』
イグニクアの人口が10人に達する。
エラの人口が10人に達する。
『西暦22219897655年』
『物体』飛来。
『西暦22222220161年』
第1次イグニクア・エラ大戦おこる。
『西暦22222220777年』
第2次イグニクア・エラ大戦おこる。
『西暦22222221500年』
「崩壊の日」おこる。




