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真・巻き込まれ召喚。 収納士って最強じゃね!?  作者: 山口遊子


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第146話 特訓2


 午前中はアスカの短剣道場(どうじょう)で、午後は操縦訓練だ。アスカが自分の使った飛空艇の模型(もけい)を、生徒たちが動かす操縦装置の操作レバーの動きに合わせて動かすのが操縦訓練の内容だ。


 操縦装置の模型は正操縦士用と副操縦士用を二組ボルツさんに作ってもらった。アスカは飛空艇の模型を同時に二隻を髪の毛で操ることになる。



 最初は、飛空艇の模型を見せながら構造についての座学だ。


「飛空艇には、四つのメイン魔導加速器と四つの補助魔導加速器がついている」


「魔導加速器というのは、魔石の力で入り口から入ったものを、出口から勢いをつけて()き出す魔道具だ。飛空艇では、この魔導加速器の入り口から空気を取り入れ、勢いをつけた空気を出口から噴出(ふんしゅつ)させることで、浮き上がったり、噴出させる空気の向きを変えて前に進んだりしているわけだ」


「詳しく言うと、メイン魔導加速器の噴気(ふんき)の方向は、噴気方向調整弁という装置を使い、下向きと後ろ向きに噴気方向を変えることで、上昇、前進ができる」


「補助魔導加速器は、補助魔導加速器用の噴気方向調整弁により、下向き、横向き、後ろ向きの三方向に噴気方向を変えられるようになっている。下向きと、後ろ向きは、主機である魔導加速器の補助だな。横向きには、左右に割り振られた二個二組の噴気口の片側から噴気を出すことによって、飛空艇の向きを変えることができる。ここまではいいかな?」


 四人がポカンと口を開けてアスカの方を見ている。ここまでは、()()ないようだ。一度に言われてすぐに分かるようなら、誰も苦労はしないわな。


「そういった諸々(もろもろ)の装置は、飛空艇の本体下部に集まっている。この部分だ」 


 アスカが模型の下部分を示す。


 ……



「それでは、実際にやってみよう」


 長テーブルを二つとそれぞれに椅子を二脚ずつを庭に出し、それぞれのテーブルの上に、操縦装置の模型を正操縦士用と副操縦士用を置いて、準備完了。四人が順番に椅子に座る。はたから見ると滑稽(こっけい)絵面(えづら)だが、本人たちは真剣(しんけん)だ。


「実際の操縦装置や座席はもっとちゃんとしてるから安心してくれ。これはあくまで、何をどうすればどうなるか、それを知って慣れるためのものだからな」


「テーブルの左側に座ったのが正操縦士、右が副操縦士だ。正操縦士は、主機の方の魔導加速器とX舵(エックスだ)の操作を行う。X舵については今はいい。さらに、正操縦士は副操縦士に補助魔導加速器の操作を指示する。副操縦士は、その指示に従って、補助魔導加速器とそれにつながった噴気方向調整弁を操作する。あと着陸脚の操作も副操縦士の仕事だ」


「それでは、私の指示の通り操縦装置を操作してくれ」


「離陸準備、噴気方向調整弁方向確認! 操縦装置についているそこの赤い矢印だ。大きい四個、小さい四個すべて下向きになっていることを確認してくれ。なっていなければ、矢印をねじって、下向きにする」


「確認出来たら、『確認完了!』と大きな声で言うように」


「「確認完了!」」


 正操縦士の二人が確認の復唱(ふくしょう)をする。


「次は魔導加速器を始動する。各々の操縦装置の上にある四つの緑のボタンが魔導加速器の始動ボタンだ。一回押すと魔導加速器が始動し赤く色が変わる。出力がゼロの時もう一度押すと魔導加速器は停止して緑の色に戻る。正操縦士の前のが、メイン魔導加速器用、副操縦士の前のが補助魔導加速器用だ。それでは、ボタンを四個押してみてくれ。そしたら、ボタンの色が赤に変わっただろう。ボタンの横にあるのが出力計だ。針の先が今の魔導加速器の出力を指している。当然今はゼロだな。目盛りは百五十%まで振ってあるが、実際は百二十%が上限だ。今は模型なので出力計の針は動かないから、私が状況(じょうきょう)を口で言う」


「正操縦士の前の四本の太いレバーがメイン魔導加速器の出力調整レバーだ。片手で二本、両手で四本持って同時にゆっくりそのレバーを引いてくれ」


 正操縦士二人が、レバーをゆっくり引いてゆく。


「出力、十%、二十%、ゆっくり。出力、三十%、……、九十%、出力百%、飛空艇離昇(りしょう)!」


 『飛空艇離昇!』の声に合わせて、二隻の模型が、地面から浮かび上がった。もちろんアスカの髪の毛で引き上げているのである。


「ここまでが、離昇だ。

 離昇出力は空荷のとき百%だが、荷物が増えれば百%を超える。それについては今は気にしなくていい。

 それではもう一度最初からやってみるぞ」


 ……


「ようし、だいぶ操作が安定してきたようだ。今度は、正操縦士と副操縦士、入れ替わって最初からだ」


 こうしてアスカの厳しい指導が夕方まで続くのだった。




 俺は、()きて来たので、居間に戻ってシローと遊んでました。


「シロー、ボールを投げてやる。行くぞ」


 バタ、バタ、バタ、プップー。プップー。 




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