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真・巻き込まれ召喚。 収納士って最強じゃね!?  作者: 山口遊子


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第113話 スカイ・レイ


 試験飛行の翌日はボルツさんのところに行くのは遠慮(えんりょ)し、その翌日。シャーリーを学校に送り出した後ボルツさんのガレージにうかがった。


「いやー、おとといはすまんかったなー。寝不足で先にダウンしてもうた。堪忍(かんにん)な」


「いえいえ、気にしてませんから」


「それでや、試験飛行の後の点検してみて分かったんやけどな、魔道具類は問題なかったねん。でもな、強化木材で作った構造材(こうぞうざい)が問題で、亀裂(きれつ)やらたわみが出てきとるんよ。それならいっそのこと、全部砂虫の皮で作った部材に取り替えよう思うてな、今作業しとるところなんよ」


「そうでしたか、頑張(がんば)ってください。それで作業はいつ頃完了しそうですか?」


「アスカさんが手伝どうてくれたら今日中(きょうじゅう)でもできるでー」


「それじゃ、アスカよろしくな」


 俺はそこらで見物しとくから頑張ってくれたまえ。


 みんなが飛空艇に出たり入ったりして作業をしている間に俺は何をしているかというと、実は何もしていない。何か手伝おうとすると、みんなで俺を止めるんだよ。


 まあ、俺みたいな素人に何かできるものでもないし。手伝えるとすれば、みんなで大きなものを移動するのを支えるくらいだ。だから、ガレージの隅からみんなが働いてる姿をこうしてぼーと眺めてるわけ。いわゆる待機要員(たいきよういん)だ。


 ボルツさんが手が少し()いたのか休憩してるようなので、今後について少し話をしておくことにした。


「ボルツさん。資金の方はまだ足りてますか?」


「今んとこ大きなもんを買う予定もないから問題ないし」


「このあと、ボルツさんは何か新しいこと考えてるんですか?」


「そーやねー、今の『スカイ・レイ』より、大きゅうて速い飛空艇を作りたいな」


「それでしたら、この『スカイ・レイ』を私に売ってくれませんか?」


「ええよ。もともと、ショウタさんに資金援助してもらわんかったらできてへんかったもんやからな」


「ありがとうございます。引き続き援助させてもらいますから開発資金の方は任せてください。次の開発は今回よりも規模が大きくなりそうですので差し当って、これを受け取ってください。大金貨二百枚あります」


「ほんとに、ええんか? こんなにもろうて?」


「あげたわけじゃなくて、開発に使ってくださいね」


「あたしにとっては(おんな)じことやろ」


「アハハハ、全くそうですね」


 大きな飛空艇を作るならこことは別に『スカイ・レイ』の格納庫(かくのうこ)が必要だな。格納庫の天井が開いて、「スカイ・レイ、発進!」とか言ってみたいよね。ここのガレージは、新しく大型の飛空艇を作るには狭くなりそうだし、ここの敷地も広いことは広いがそこまでではない。うーん。


 あれこれ考えていたら、


「すみませーん」。ボルツ邸の表の門の方で声がする。


「誰か来たようやから、ちょっと見て来るわ」


 ボルツさんは急いで屋敷に戻り、人をひとり連れて来た。


「ショウタさんに、お客さんやで」


 そういって、自分は作業に戻っていった。



「こちらにショウタさんとアスカさんがいらっしゃると聞いてきた冒険者ギルドのスミスという者です」


 冒険者ギルドのスミスさんだった。


「よかった、ショウタさんが見つかって」


「どうしました?」


「騎士団からの依頼で、またショウタさんたちに、北の砦に物資を運んでもらいたいそうなんです」


「砂虫の被害も減って、従来通り物資の補給ができるようになったと聞いてましたが」


「そうなんですが、何でも『魔界ゲート』の関係で急遽(きゅうきょ)、砦の近くに新しく別の拠点(きょてん)を作ることになったとかで物資が余分に必要になったそうなんです。それで、騎士団では実績のあるショタアスの二人にお願いしたいということで冒険者ギルドを通してお二人に依頼を出したということです」


『魔界ゲート』の関係で新しい拠点? 『魔界ゲート』何かあったのかな?


「分かりました。運搬先は北の砦、報酬(ほうしゅう)は前回と同じで、運搬物資の価格でいいんですか? それと運ぶ物資は、前回同様、商業ギルド本部の倉庫で受け取ればいいんですよね」


「はい。すべて前回と同じでお願いします」


「準備もありますので、明日の朝荷物を受け取りに商業ギルド本部に行きます」


「それでは、そのように騎士団に伝えておきますので、よろしくお願いします」


「任せてください」


 スミスさんを見送り、作業風景を見ながら明日のスケジュールを考える。


 シャーリーを学校に見送って、八時半に商業ギルド本部に行き物資を収納する、これは九時には終る。


 次に、ここにやって来て、九時十分。


『スカイ・レイ』に乗り込み、千二百キロ先の北の砦まで、巡航速度(じゅんこうそくど)時速二百五十キロで五時間弱、出発を九時半として、一五時には北の砦に到着できる計算だ。倉庫への荷降ろしに約一時間。


 一六時に北の砦を出発して、二一時半にはここに戻ってくることができる。これはすごいな。日帰りできる。


 シャーリーが学校から帰った時だれもいないので、ちゃんと説明しなくちゃいけない。忘れないようにしよう。俺が忘れていてもアスカがフォローすると思うけど。


 ボルツさんが近くを通った時、整備が今日中に完了すれば、明日一杯『スカイ・レイ』を使いたいとお願いしたところ、アスカの健闘で夕方には整備が完了する見込みなので、安心していいと言ってもらえた。ボルツさん達は、明日は、資金問題のなくなった次期開発について検討するそうだ。




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