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真・巻き込まれ召喚。 収納士って最強じゃね!?  作者: 山口遊子


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第103話 撃退!マスカレード仮面


 シャーリーの学校デビューを陰から見守った俺たちは、マスカレード仮面の変身(へんそう)を解き、安心して付属校を後にした。


「アスカ、今何時だ?」


「午前九時十五分です」


 困った、することがない。


「暇だな」


「マスター、それでしたら、不足しているというPAポーション用の薬草採りはどうでしょう。それが面倒なら、久しぶりに杖術(じょうじゅつ)鍛錬(たんれん)でもしますか?」


「杖術の鍛錬より、薬草採りの方がいいんじゃないか。PAポーションを大量に商業ギルドに卸せば、品薄(しなうす)が少しは解消するだろ? リストさんには色々お世話になっているから丁度(ちょうど)良いかもな。よし、そうしよう」


 薬草の在庫はまだそれなりだがいくらあっても問題ない。補充できるときに補充しよう。まず薬草採集用の布袋を追加で多めに用意しないとな。杖術の鍛錬より百倍はましだ。


「そうですか。それでしたら薬草を入れる袋を買いに先に雑貨屋に行きましょう。こちらです」


 何でも知ってるアスカに案内された雑貨屋で薬草採集用の布袋を二十枚ほど買った。今はいらないが大型瓶も売っていたので店に有るだけ買っておいた。



「薬草が生えていそうな場所は分かるか?」


「ここから、南の方に見える山並(やまな)みのふもと辺りはどうでしょうか? 一度西門に出て、街道を南に回り込んでしばらく行ったところで街道が東に分岐しますので、そのあたりから山の方向に進みましょう」


「じゃあ、それで行こう」


「マスター、その帽子は取らないんですか?」


「なんだか気にいっちゃってね。ほら、青い帽子が俺に似合うだろ?」


 俺はマスカレードブルーに変身するために買った青いなんちゃってシルクハットカッターが気に入ったのだ。坊主頭に直射日光はつらいと思っていたがついつい買い忘れていた帽子が手に入ったので、かぶっていたらなかなか感じがいい。すでに一時期の日差しのきつさはないがまだ日差しは強い。


「マスター、お気に入りなのは分かりましたが、派手な青色のシルクハットで八角棒は似合わないんじゃないですか? それに前に買ったテンガロンはどうしました? テンガロンでも似合わないと思いますが」


 幌馬車(ほろばしゃ)を買ったとき勢いで買ったテンガロンのことをすっかり忘れていた。


「そうだな、言われてみてば、さすがに八角棒につばの広い帽子はないな。冒険者ギルドへ行くときは脱ぐとしよう」


「マスター、駆けてるときもその帽子は被ったままですか?」


「そのつもりだが? この帽子は良くできていて、少々の風ぐらいなら飛ばされんぞ」


「いえ、帽子が飛ぶ飛ばないもありますが、街中で派手なシルクハットを被った男が突進してくるのを見た通行人はかなり驚くと思いますよ?」


「そうかなー? まあ、アスカがそういうならそうなんだろ。だけど、そしたらどこでこの帽子をかぶればいいんだ?」


「とりあえず、マスターのマスカレード仮面による潜入(せんにゅう)ミッションも成功しましたし、お蔵入(くらい)りで良いじゃないですか」


 ぐすん。まだ一度しか被ってないんだぞ。後は『ナイツオブダイヤモンド』の中で被るしかないか。今はアスカがうるさいからとりあえず仕舞(しま)っとこう。


 まさか、俺のファッションにアスカがダメ出しするとはな。アスカもずいぶん偉くなったもんだ。



 そろそろ駆けだすかとというタイミングで、ミニマップに敵性反応複数あり!


 街中まちなかで敵性反応は久しぶりだ。前回はキルンでのことだったが、めちゃくちゃ(・・・・・・)やって少し反省したから今回はめちゃ(・・・)くらいで済ませよう。


 アスカとゆっくり歩いていると敵性反応が近づきながら集まって来た。


 ピコーン! ここで俺は(ひらめ)いた。この場面こそ、正義の味方マスカレード仮面の出番ではないかと。


「アスカ、ミニマップは見てるだろ? ここは正義の味方マスカレード仮面でいくぞ」


 普段のアスカなら黙ってうなずくはずだが今回はうなずいてくれない。それでもアスカに赤いシルクハットと仮面を渡す。傍目(はため)にもいやそうに仮面をつけて帽子をかぶっている。マスターの命令は絶対なのだ。俺の方は既に準備完了だ。


 大通りから数本離れた裏通りで、俺たちに近づいて来る連中を待つ。


 連中はどうやら二手に分かれ、前後からわれわれを挟み撃ちにするつもりのようだ。勘定すると、前後に六人ずつで12人いる(・・・・・)。ずいぶん多い。どうせなら11人だったらよかったのに。


 しばらく待っていると、ようやくお出ましだ。全員一丁前(いっちょまえ)に黒の()だし(ぼう)で顔を隠している。片側の六人の中から、見た目痩せ気味の一人が進み出てきた。そいつは体つきからいって女のようだ。多分この連中のまとめ役か何かなのだろう。残りの連中は身構えてはいるが、刃物などは取り出していない。


「失礼ですがコダマ子爵閣下とエンダー子爵閣下ではありませんか?」


 ほう、意外と丁寧なことば使いだな。そして声はやはり女の声だ。


「いや。われわれの名は、マスカレードブルーと」「マスカレードレッド」


 アスカのヤツいやそうにしてた割にノリのいい奴だ。

 

「分かりました。マスカレードブルーさんとマスカレードレッドさん、お二人に私どもの雇い主が御用があるそうなので、一緒にご足労(そくろう)願えませんか?」


 こいつ、目だし帽のなかで苦笑(くしょう)したのか。


「嫌だと言ったら?」


「ここにいる連中は私も含めそれなりにできる者ですから、お二人には少々痛い目を見ていただいた上でお連れするということになります」


「少し質問してもいいか? それなりにできる連中は、素手(すで)で砂虫を(たお)せるかな? 砂虫、名前ぐらい聞いたことがあるだろ? 俺と隣のマスカレードレッドは、砂虫を(たお)してAランク冒険者にこの前なったんだが、どうなんだ?」


 さすがにこれには驚いたか?



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