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第59話「敵視」

※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。

これ以上寄り道せず、真っ直ぐギルドに来た。


「こんにちは。」


いつもの通りに挨拶しながらギルドに入る。


「カナメ。こんばんは。遠征の件ですか?」


流石、クララは話が早い。単刀直入なのは嫌いじゃないからね。


「ええ。参加しようと思います。」


「そうですか。分かりました。受付します。」


クララは簡単に受付してくれる。仕事が早いな。


「カナメ。参加するとなったからには、私から一つだけ。生き残ってください。死んだらそれでおしまいです。」


「わかってますよ。クララ。それだけは理解してるつもりです。」


「そうですか。では、明日の早朝に南門に集まってください。」


南門か。特に道に迷うような場所でも無い。


「それと、今日は休んで明日に備えたほうが良いです。疲れは残さないように。」


「わかりました。クララ。ありがとうございます。」


「無事に帰ってくることを祈ってます。」


ギルドから出て、ご飯を食べて、銭湯で汗を流してケッラスペルに戻る。


「ただいま。アニマ。預かってもらってる荷物を貰ってもいいかな?」


「おかえり。はい。これね。」


そのまま荷物を受け取る。


「今日はどうするの?」


「ここで泊まるよ。部屋はある?」


「はい。まいどあり。部屋に案内するね。」


いつもの通りに、40ルグを支払って部屋に案内してもらう。


「明日は早朝に出ていくからね。後、多分何日か帰らないと思う。」


「そう?わかったわ。死なないようにね。」


「僕はそう簡単には死なないよ。」


「そうだと良いわね。でも、油断しないようにね。」


「分かってるさ。ありがとう。おやすみ。」


「おやすみ。カナメ。」


寝るには少し早いけど、今日は寝よう。疲れを残さないようにね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昨日は早く寝たから早朝に起きれた。


「さて、準備して行くか。」


サーガスに着付けしてもらったつなぎを着る。


武器も持ったし、魔法薬も持った。


「行くか。」


アニマはすでに受付にいた。


「行くのね。頑張ってね。」


「うん。行ってくるよ。」


気合を入れて、南門に向かう。緊張するな。初めての遠征の時はウィルと一緒だった。


今回は顔見知りがいない可能性が大きい。足取りが重くなるけど、なんとか奮い立たせる。


南門に着くと、人が大勢いた。これほとんどが賞金稼ぎだろう。


そしたら、アメリア様がいた。ロイドが騎士団からの依頼って言ってたから当然だろうけども、顔見知りがいたのは心強い。


「アメリア様!」


「ん?カナメか。君も参加するとは。」


「はい。アメリア様も参加するとは知りませんでした。」


「今回の駆除は騎士団主導だ。私が出ないと始まらないだろうさ。」


「そうでしたか。流石ですね。」


「カナメのほうもな。よくこんな危険な依頼を受けてくれた。」


「ええ。依頼料が高かったので。」


「・・・そうか。」


あれ?なんかあんまり良い感じの返事じゃなかったな。


「君が参加してくれるなら心強い。期待している。」


「はい。ありがとうございます。」


アメリア様がいたのは良かった。顔見知りがいるだけで、気持ちが軽くなる。


「貴方!参加していたのね!!」


聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら、この前会った女の子がいた。


「あっ。えっと?ロミィ・・・だっけ?」


「気にもしていないって感じね!」


「そんなことないよ。そういえば、自己紹介まだだったね。僕はカナメ。よろしくね。」


「そんなこと聞いてないわ!」


一体何なんだよ。何を言っても言い返されるから何も言えなくなる。


「見てなさい!私の実力をね!」


そう言って、僕から離れていく。


「はぁ・・・どうしたものか。」


「君も大変だな。まぁ、花があるだけ良いだろう。」


「そんな感じに見えます?」


花って言っても、ツンツンすぎて近寄りたくない。


「チェリー野郎。お前も参加してるとはな。」


また振り向くと、いつも僕を野次ってくる人がいた。


「ガルザス!不要な絡みは止めろ。」


アメリア様が助け船を出してくれる。この人ガルザスって名前だったのか。


「騎士団長様までお気に入りかよ。全く羨ましい限りだな!」


「・・・斬られたいのか?」


「職権乱用って知ってるか?」


2人の間で空気がピリピリしてる。こんな空気で遠征にいかないといけないのか。


「まぁいい。チェリー野郎。調子乗って足を引っ張るなよ。」


そう言いつつガルザスも離れていく。


いや、調子に乗ったつもりはないけど、どうしてこんなに敵視されないといけないんだ?


「粗暴な男だ。カナメ。君はあのようにはならないようにな。」


「ええ。大丈夫です。」


「君は特別だからね。孤児院は出たのだろう?つまり、13歳。13歳の若造がいきなり遠征に参加して、ベテランと肩を並べるのが気に入らないんだろう。」


え?そうだったんだ。知らなかった。


「さて、もうそろそろ出発だ。君も準備したまえ。」


「はい!」


準備って言っても、何もない。装備はちゃんとしてきた。私服がちょっと入ってる袋があるだけだ。


馬車が来て、騎士団が続々乗る。あれ?でも、馬車の数がかなり少ない。これ全員入らないだろ?どうするんだ?


「あの・・・アメリア様。これ馬車少なくないですか?」


「うん?あぁ。賞金稼ぎ用の馬車は用意していないんだ。カナメ。君たち賞金稼ぎは歩いてもらう。」


はぁ!!!マジかよ!!!前回は乗らせてくれたのに、僕達は歩かないといけないのか!?


声には出さなかったが、顔、というか態度に出てしまったのだろう。アメリア様は申し訳なさそうに言う。


「すまない。でも、賞金稼ぎというのはそういうものだ。そして、君だけを特別扱いするわけにもいかない。だから、君も歩いてもらう。もし、余裕があれば、自分で馬を手配すれば良いのだが。」


「アメリア様!馬車が参りました。こちらへ!」


別の騎士様がアメリア様に敬礼しながら報告する。


「うむ!今行く!カナメ。ではな。」


そのまま、アメリア様はちょっとだけ豪華な馬車に乗り込んでいった。


僕は茫然としながら、それを見届けるしかできなかった。


「これより出発する!一同、進め!」


そして、馬車が進み、その後ろを賞金稼ぎ達が歩いていく。あんまり早いスピードでないことが救いだけど。


「はぁ・・・軍隊の進軍かよ。」


愚痴をちょっとだけ零しながら、僕もその後ろについて歩いた。こうして、何はともあれ、遠征は開始した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


黙って歩く。誰かと喋りながら歩ければ気が紛れるんだろうけど、仲の良い人がいない。


そういえば、賞金稼ぎになって同業者との交流ってほぼ無かった。


近くにいたロミィを見る。


それなりに、大きい剣を持っていた。大体70cmぐらいかな?


少なくとも、ギルドで貸し出されるショートソードでは無い。しっかりした剣だ。


でも、それ以外はほぼ賞金稼ぎを始めたての僕みたいに軽装っていうか、防具がほぼ無い状態だ。


革の胸当ても無いし、魔法効果のある装備にも見えない。悪く言うと貧相な装備というか、服だ。


気を紛らわせたくて、ロミィに話しかける。


「僕達歩かされるなんて、何か嫌だね。」


「話しかけないで。仲良くするつもりなんて無いんだから。」


本当にツンツンしてて、辟易する。ツンデレって何がいいんだ?こんなのコミュニケーション取る気も無くすよ。


でも、一応めげずに話しかけてみる。


「それにしても、ロミィって随分軽装なんだね。」


「は?どういう意味?」


「いや、剣は持ってるけどさ。服とかそれ私服だよね?」


「っ!!!悪かったわね!!」


「え?いや、別に悪くないよ。ただ、もう少しちゃんとした装備にした方が良いよ。」


「この!!!・・・余計なお世話よ!!!」


ロミィが怒鳴ってくる。なんなんだ?何で怒ってるんだよ。


「おい!チェリー野郎!余計なことして疲れさせるな。喧嘩売るなら遠征が終わった後にしろ!」


喧嘩を売ってるつもりなんてない。何なんだよ。何でこんなに敵視されないといけないんだ。


今回の遠征はこんな雰囲気で行うのか。そうして、魔物の巣を目指してトボトボと歩き続ける。


それにしても、結構人がいるな。


賞金稼ぎだけでも50人はいるんじゃないか?


騎士団も50人くらいいるし。合計100人くらいだな。


最初の遠征よりも人数は多い。あの時は、賞金稼ぎって多分いなかったよね。全員馬車に乗ってたし。


賞金稼ぎが参加する遠征の場合、これが普通なのだろうか?


そんなこと悶々と考えながら歩き続ける。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なんとなく分かっていたけど、夜番もあった。


僕とロミィを含め10人くらいで見張りを交代で見ることになった。


一応ご飯は出してくれた。けど、空気が重い。昼間に話しかけて怒らせちゃったから、何の話もできない。


でも、何か話しておかないと気が紛れない。


意を決して話しかける。


「昼間は悪かったよ。よく分かってないけど、僕が失礼なこと言ったんだよね。」


「・・・ふん!」


話しかけるけど、まともに取り合ってくれない。気が重いな。どうしたら良いんだよこの空気。


「交代だ!今度はお前らが眠れ。」


ガルザスが交代の連絡をしてきた。結局何も話せなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日も朝から歩く。昨日から歩き詰めだ。いつまで歩くんだ。もう足が痛い。


そうしたら、馬車からアメリア様が下りてきた。


「我々の入手した情報では魔物の巣は近い。騎士団もここからは歩いて進軍する!また、ここを一時拠点として、ここで馬車を置いていく!馬車組は物資と拠点を守れ!そして、森の中を進軍する!」


アメリア様はそう宣言する。20人程度がアメリア様と進軍して、騎士団の30人程度はここに残るらしい。


「へ?まだ歩くの?」


「どうした?チェリー野郎!もうへばったか?所詮はただの新米(ノービス)だな。」


ガルザスが煽ってくるけど、反応する元気がない。


「もし、嫌になったのなら、騎士団と一緒に残りな!誰も止めないからよ!その時は、賞金も0だし、依頼失敗になるだろうがな!」


正直、甘く見ていたのは事実だ。前回は馬車に乗れたから、今回も乗れると思ってた。でも、ここで止めたら、何のために参加したのか。そう思い、自分を奮い立たせる。


「いや、止めないよ!最後までやるさ!」


「ふん!強がりやがって!」


「カナメ。大丈夫か?疲れたと思うが、魔物の巣はまだ先だ。もうちょっとだ。」


アメリア様が僕の方に寄ってきて気にかけてくれた。


「わざわざ!騎士団長様が新米(ノービス)の心配してくれるとは!随分とお気に入りみてぇだな!」


「貴様!団長を愚弄する気か!口を慎め!」


他の騎士様がガルザスを咎める。


「悪かったな!大体の賞金稼ぎは育ちが悪いもんでな!」


「大丈夫です!僕、頑張ります。」


ふっとロミィのほうを見ると、情けないといった顔をして僕を見ている。


ロミィはまだ元気というか余裕はありそうだ。こういうのに慣れてるのだろうか?


そして、僕達賞金稼ぎは、当然騎士団の進軍組に混ざって進むことになった。


ここから、今までみたいに舗装というか整備されてない森を歩くことになる。


むしろ、ここからが本番なのだろう。気を付けないと。僕は顔を叩いて気を引き締めた。

所持金:2790ルグ


カナメ装備

武器:オーククラブ

腕 :パヒデルマのグローブ

身体:パヒデルマのつなぎ服+革の胸当て

靴 :タウマニマのブーツ

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