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第55話「遠征への誘い」

※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。

来る日も来る日も狩りをする日々が続く。


一日に一匹、デイロフォナスを狩る日々が続いた。


たまに少し贅沢なおやつを食べ、狩りを休んだ日は魔道ギルドへ顔を出して魔法の訓練をする。


そんな生活を続けるうちに、所持金は34210ルグまで増えていた。


デイロフォナスはやっぱり油断ならない魔物で、奇襲や不意打ちをしてくる。


見つけるのに時間は掛かったりするけど、一匹で手取り1440ルグを貰えるのは、やはりおいしい。


お金にも余裕が出来るし、自主練しかり魔道ギルドに顔を出すのしかり、空いた時間で魔法の練習をする時間も取れるようになった。

経済的に余裕ができると心にも余裕ができる。もっと次のステップに進んでもいいかもしれないなと思い始めた。


早速今日も、デイロフォナスをギルドに受け渡して、1440ルグを換金する。


「袋にお金が一杯になってきたな。これどうしようか。手持ちが増えるのは良い事だけど、戦闘中は若干邪魔なんだよな。」


「それであれば、ギルドの方で所持金を預かることもできますよ。」


クララが提案してくれた。


「ギルドでは、賞金稼ぎのお金を預かるサービスもしています。ある程度ですが、纏まったお金を預けていれば、バウンティギルドの支部がある場所に限り、ギルドカードでツケ払いも可能です。」


「へー。便利なものですね。」


「ええ、教会や治癒院、鍛冶屋、ギルド直下の魔道具屋では、基本的に大金が動きやすいです。そのため、ギルドカードがあれば、教会や鍛冶屋などでは預金から支払えます。ただし、飲食店や屋台にまで提供されているわけではありませんので、注意してください。」


たしかに、女将さんのタベルナヴィーヴァでもギルドカードを見せてる人はいなかったな。


クララの説明通り大金が動く場所だけツケ払いができて、普段の生活費は現金でやり繰りする感じになりそうだ。


しかし、実質的な銀行とクレジットカードのようなこともやってくれるのか。異世界だけど、便利なものだ。


「ええ。ですが、繰り返しになりますが、バウンティギルドの支部がある場所に限ります。地方の農村部やギルドの支部の無い所も当然ありますので、それは注意してください。」


「はい。クララ。ありがとうございます。早速、30000ルグを預けたいのですが、よろしいでしょうか?」


「はい。お預かりします。後、今更かと思いますが、スリや盗みをする輩もいますので、あまり大金を手持ちで持っていないほうがいいでしょう。」


「本当に今更ですね。」


「ええ。申し訳ありません。」


「冗談ですよ。気にしないでください。でも、今までスリとか揉め事には遭わなかったのは幸運でしたし。」


「それは、賞金稼ぎと揉めると大変なことになると民衆はなんとなくわかってると思います。それに、カナメはあんまり豪遊はしていなかったでしょう?それでお金持っていると認識されにくかったかと思います。」


なるほど?そんなものなのか?結構、袋に大金を入れて持ち歩いていたから、スリをしようとしたら、やれたと思うけども。


まぁ細かいことをあんまり考えないでおこうか。


「それと、カナメ。もうそろそろ、固定依頼ではなく、一般依頼も受けてはどうでしょうか?」


「一般依頼って、掲示板に張り出されてる依頼ですよね?」


「はい。固定依頼は実績になりません。実績を得たいなら、一般依頼を遂行しなくてはいけませんからね。」


「え?そうなの?」


そんな説明はセミナーの時に言っていなかったと思うけど。


「ええ。固定依頼はあくまでギルドが常時出している依頼ですので、依頼達成数にはカウントされないのです。」


マジか。でも、依頼達成数を上げなくても、十分生きていけるんだけど、これからの事を考えるなら達成数を稼いでいった方がいいかもしれない。


「わかった。じゃあ、一般依頼を・・・」


「ちょうどいい。一般依頼がある。」


いきなり、横からロイドが話しかけてちょっとびっくりした。いつの間に近づいてきたんだ?気配とか全然わからなかった。


「遠征だ。ビペドメクスの巣を強襲するそうだ。騎士団からの依頼だな。」


「ロイド!まだ、カナメは新米(ノービス)なんですよ!いきなり遠征なんて!」


「いや、俺の目に狂いはないな。この短期間で30000ルグを稼ぐ奴はそうはいない。カナメには他の奴らとは違うポテンシャルがある。それに。」


「それに?なんですか?」


「獅子は崖から子を突き落として這い上がった奴を育てるってやつだ。」


なんという、スパルタ教育だ。そんなものは育成とは呼ばない。ただの選別だ。


でも、自覚は無かったけど、結構目立ってしまっていたみたいだ。


そういえば、茶化してきた奴らはいつの間にか何も言わなくなっていったな。


「どうだ?カナメ。遠征は稼げるぞ。4日間で30000ルグだ。今の資産と同じくらいの依頼料だ。」


「30000ルグですか・・・。」


4日間で30000ルグ。大金だよな。30000ルグ稼ぐのに結構時間が掛かった。


でも、遠征か。4日間とはいえ、リーネと会えなくなってしまうのは、心に引っかかる。行くべきか行かざるべきか。


「すみません。ちょっと考えさせてください。」


「そうか。だが、喫緊の依頼だからな。返事を待てるのは4日後までだ。俺としては期待したいところだな。それと、参加するなら魔法薬等を持参してこい。死にたくなかったらな。」


「わかりました。」


そうして、ギルドを出る。遠征・・・どうするべきなんだろうか。また、何日か空けることになる。


そうしたら、リーネは・・・。考える時間が欲しいのに、猶予はない。


どうしようか。


「リーネに話してみよう。」


そう思い、タベルナヴィーヴァに向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「こんにちは!」


「いらっしゃいませ!あ!カナメ!!」


タベルナヴィーヴァの扉を開けると早速リーネがお出迎えしてくれた。


「どうしたの?今日はちょっと早いね。」


「うん。まぁね。ちょっと色々あってさ。」


本題を避けて誤魔化してしまった。本当は早くリーネに言わなきゃいけないのに。


「色々?うん?カナメこっちだよ。」


なんとなく、僕の異変に気が付いたみたいだけど、何も聞かずに案内してくれた。


「カナメ。今日は何にする?」


「えーと、旦那と女将さんのおすすめにしようかな。」


「おすすめね。ちょっと待っててね。」


そう言って、オーダーを取ってくれる。慣れたものだな。感心してしまった。


しばらく待っていると、パスタスープかな?それとオムレツのようなものとお茶を持ってきてくれた。


「はい!カナメ!今日のおすすめだよ!いっぱい食べてね!」


「うん。頂きます!」


パスタスープから食べてみる。


「うん。美味しい!」


「本当に!いっぱい食べて!」


「うん!!」


相変わらず、結構ボリュームがある。しっかり食べる。オムレツも美味しい。


一気に食べてしまった。


「ごちそうさまでした。」


「うん。お粗末様でした。でも、カナメ。どうしたの?ちょっといつもと違う。」


リーネは本題に触れてきた。そうだよね。今言わないとね。


「うん。実はね。また遠征に行くかもしれないんだ。」


「え!?」


リーネはびっくりしたみたいだ。そりゃそうだ。遠征に行ったら、またしばらく顔を出せなくなる。


「うん。賞金稼ぎとして、実績を上げるにはいい機会なんだけど。」


「・・・・・・。」


リーネは何も言わなかった。けど、顔を見たら、寂しそうな顔をしている。リーネのこんな顔見たくない。


うん。やっぱりダメだ。遠征に行くのは止めよう。


「いや、やっぱり止め」


「リーネ行かせてあげな!」


遠征に行くのを止める宣言をする前に女将さんが口を挟んできた。見たら、旦那さんも一緒だった。


「賞金稼ぎとして、食っていくつもりなら、参加しておいたほうが良いだろうな。リーネ。嫌かもしれないが、これも必要だ。ちゃんと送り出してあげなさい。」


「旦那さん。女将さん。でも・・・。」


旦那さんがフォローしてくれた。けど、リーネはまだ納得できない空気を出す。


「リーネ。明日と明後日を休みにしてあげる。カナメと一緒に過ごしな。夜も帰ってこなくてもいいよ。」


「え!?」


女将さんの提案に僕のほうがびっくりしてしまった。


「そうだな。リーネにも気晴らしが必要だろう。一緒にいたほうが良いな。」


旦那さんも便乗してきた。いい歳って言っても、この世界に生まれて13歳だけど、男女がお泊りデートなんて良いのだろうか?


最近は慣れてきたと思っていたが、やはり異世界は年齢に対するものが前世より早熟な気がする。


「うん!カナメ。ダメ?」


「ダメじゃないよ。そうだね。明日と明後日は一緒に居ようか。」


「やった!」


さっきまでと打って変わって嬉しそうな顔をしてくれる。冷静に考えれば、孤児院では一緒の布団で寝てたし、四六時中一緒にいたから、今更かもしれないな。


「うん。明日の朝迎えに来るよ。それでいいですか?旦那さん。女将さん。」


「あいよ。朝待ってる。」


「うむ。」


「わかりました。じゃあお会計をお願いします。」


「あいよ。30ルグね。」


僕は30ルグぴったりを女将さんに渡す。


「カナメ!明日待ってるからね!」


「うん。絶対に迎えに来る!ごちそうさまでした!」


そう言って、タベルナヴィーヴァから出る。


明日と明後日はリーネとお泊りデートになった。


気合入れないとね。後は、いつものルーティーン。


銭湯で10ルグ使い、ケッラスペルで40ルグで泊まる。


急な展開で驚いた。


遠征への不安はまだ消えない。前回の遠征もかなり疲労したし、正直周りが本当に強かった。


僕が役に立ったとは言いづらい。


でも、明日と明後日はリーネと一緒だ。


今はその時間を大切にしよう。


リーネと一緒に過ごせるのは、素直に嬉しい。


よし!明日と明後日!リーネのために時間を使おう!


気合を入れて眠りについた。

所持金:35,570ルグ


カナメ装備

武器:オーククラブ

腕 :革のグローブ

身体:革の胸当て

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