表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/60

第35.5話:初めての遠征(リーネサイド)

※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。

リーネ。お外に行こうか。」


「え?・・・うん。」


今日は何か嫌な気分だったけど、カナメが一緒にお出かけを誘ってくれた!


嬉しくて、いつもカナメから手を握ってくれるけど、私の方から手を繋いだ。


「・・・ダメ?」


「大丈夫だよ。」


やった!二人でお出かけだ。


「それじゃあ、ちょっと散歩しようか。」


「うん!」


カナメと一緒に露店を回ったり、簪を似合ってるって言ってもらって嬉しいな。


でも、孤児院に帰ってきたら、上質な服装した人がユミル先生と一緒にいた。


この人はウィルっていうらしい。なんだろう。初めて見る人。何か苦手かも。


しばらく、話を聞いていると、カナメを連れて行っちゃうって話だった。


嫌だ。そう思ったらから手を強く握った。でも、カナメななんだかんだで承諾しちゃった。


「カナメ・・・。」


「大丈夫。何も心配いらないさ。」


「でも!」


カナメは大丈夫って言ったけど、そうじゃない。


カナメも心配だけど、本当に心配なのは・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


次の朝起きた。目が覚めてしまった。


カナメはまだ寝てる。


今日は遠征に行っちゃうんだよね。


しばらく、カナメの顔見ていたら、目を覚ました。


「うーん。リーネ?どうしたの?」


カナメは起きたばかりでちょっと寝ぼけてる。


遠征なんて、行くのやめて、残ってほしい。


そう言いたいのに、言葉が出てこない。


「リーネ。どうしたの?調子悪いの?」


もう一度、カナメが聞いてくる。


「カナメ・・・今日は本当に行っちゃうの?」


辛うじで出た言葉だった。


「大丈夫だよ。リーネ。絶対に帰ってくるさ。大丈夫。リーネを一人にはしない。」


そう言って、抱きしめてくれた。カナメはいつだって私の味方でいてくれる。


「ちゃんと帰ってくるからさ。」


「・・・うん。」


カナメはいない間、私は大丈夫なのかな。


カナメを見送るといつもの通りに孤児院のお仕事をする。


今日は寝室のお掃除だ。


ディエが話掛けてきた。


「カナメがいないとちょっと張り合い無いな。リーネ!さっさと終わらせるか!」


なんで一々張り切ってるの?気分悪い。


「ちょっと、リーネはカナメがいなくなって寂しいんだから。」


「もっと気を使いなさいよ。」


「なんで俺が悪いみたいになってるんだよ!」


メラニーとリンダも来てくれた。


「大丈夫。平気。」


と返事する。


「大丈夫、すぐ帰ってくる。」


と自分に言い聞かせる。


夜もカナメはいない。


この孤児院に来てからずっと一緒に寝てるから。


何か寒く感じた。少し寝づらい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


次の日、勿論、遠征に行ってるから、起きたらカナメがいない。


お手伝いをする前にユミル先生を探す。


幸いにもすぐ見つけた。


「ユミル先生。ちょっと聞きたいことがあります。」


「リーネちゃん。カナメ君のことですか?」


「うん。カナメっていつ帰ってくるのですか?」


ユミル先生は少し考えて、言いずらそうに教えてくれる。


「遠征というのは、どんなに短くても3日間。長い時は60日間の長期間に及ぶものもあります。」


え!?50日間!?そんなに長いの?


「え・・・そんな。」


そんなの・・・どうしよう。


驚愕していると、ユミル先生がフォローする。


「今回はおそらく3日から7日ぐらいだと思います。ただ、長期の時もあるってことです。」


「3から7・・・」


それでも長い。そう思っていたら、ユミル先生が腰を折って目線を合わせてくれる。


「リーネちゃん。大丈夫。カナメ君はすぐ帰ってきます。大丈夫。」


そうは言ってくれたが気持ちは上向かなかった。


その後、ユミル先生は少しお出かけすると言って出て行った。


今日は廊下のお掃除で、私は窓を拭いていく。


カナメ・・・戻ってくるかな。そう思いながら、窓を拭いていた。


「リーネ。さっきから同じ場所ばっかり拭いてるよ。全然進んでない。」


「・・・え?」


カミラに言われて気が付いた。ずっと同じ場所ばっかり拭いていた。


「えっと、ごめんなさい。」


「良いんだけど、大丈夫。」


「うん。大丈夫。ちょっと疲れてるだけ。」


大丈夫だと思う。大丈夫。大丈夫。自分に言い聞かせる。


その夜も寒い。カナメがいないだけなのに。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


早ければ、カナメは今日帰ってくる。


なんとか、なんとか孤児院のお手伝いを終わらせる。


誰とも話していない。


カナメ・・・早く帰ってこないかな?


ずっと、玄関に座ってカナメの帰りを待つ。


「リーネ!そんな所で何やってんだ?俺と遊ぶか?」


「・・・・・・。」


「んだよ。無視かよ。」


「・・・・・・。」


ご飯も食欲がない。食べたくない。


「リーネちゃん。ちゃんと食べなさい。少しでいいから。」


「・・・うん。」


ユミル先生が食べることを促してきたので、少し食べた。


その日も夜になった。


あの夜と同じだ。


あの時みたい――。


怖くなってうずくまる。寝れそうにない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


次の日、4日目。


夜眠れなかった。普通にお仕事をするけど、カミラが話しかけてくる。


「リーネ?雑巾をいつまで絞ってるの?」


「え?」


考え事していて、同じことをずっとしていた。


「ごめんなさい。」


「本当に大丈夫、気分悪いなら。」


「大丈夫って言ってるの!!」


いきなり声を張り上げてしまった。こんなことするつもりじゃなかったのに。


カミラはびっくりして固まっている。


「あ・・・ごめんなさい。」


「うん。えっと、あたしもごめん。」


気まずい空気になってしまった。


その様子を遠くからユミル先生が見ていたが私は気づかなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


次の日、5日目


ご飯を食べても味がしない。ただ口に入れてるだけ。


孤児院のお手伝いをする。ただ、身体を動かしてるだけ。


「リーネ。大丈夫かい?」


誰か話かけてきたけど、また無視してしまう。


何もしゃべりたくない。


玄関で座って待ち続ける。ずっと待つ。


どれくらい座ってるのか分からない


何回扉を見たか覚えてない


早く帰ってきて。


「ただいま戻りましたー!!」


カナメが帰ってきた!ここでようやく、私の日常が帰ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ