第28話「届かない距離」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
今日もいつも通りリーネと一緒に孤児院のお手伝いをする。
何気ない一日をリーネと一緒に過ごす。
「そういえば、ユミル先生って何で孤児院をやろうと思ったんだろうね?」
「うーん?何でだろう?」
リーネに聞くが、わかるはずもない。
気になったから、世間話のついでに聞いてみよう。
「ユミル先生はどこにいるのかな?」
他の孤児の子に聞いてみる。
「うーん。知らないかな。」
そう答えが返ってきたので、自分の足で探そう。
いつもの如く、リーネと一緒にユミル先生を探す。
「どこにいるんだろう?」
そう言いながら探すと、先生の寝室についた。
僕は先生の寝室をノックした。
「先生!いますかー?」
声もかけてみるけど、何の反応もない。そうすると、僕も好奇心が出てきて、部屋を入りたくなった。
「部屋に入ってみよう。」
「ええ!?ダメだよカナメ!先生の寝室に入るなんて!」
リーネは勿論止めに入る。
「うん。本当はダメなんだけど、今は先生を探しているからさ。」
我ながら雑な言い訳を言う。鍵は掛かっていないみたいだから、そのまま寝室に入った。
「綺麗に整ってるよね。ユミル先生は綺麗好きだよね。」
お風呂も完備されてるし、本当にそう思う。
「ダメだよ。カナメ。勝手に入っちゃ。」
そう言いつつリーネは付いてくる。
予想はしていたけど、ユミル先生はいない。
僕はしばらく周りを見渡す。
「ねえ。カナメ。早く部屋から出ようよ。」
リーネはそう言ってせかしてくる。
そこで、僕は机に前世でいう写真より一回り大きいくらいの絵を見た。
二人の男女が一つの花束を持っている絵だ。
「これは、右の人はユミル先生だよね。じゃあ、左の人は?」
「えっと・・・恋人・・・とか?」
もうちょっと、よく見ようと思って近づこうとした時。
「勝手に寝室に忍び込んだ悪い子は誰かしら?」
後ろから話しかけられて、びっくりして振り向く。そこには、ユミル先生がいた。
「あ・・・えっと・・・?」
「カナメ君。リーネちゃん。勝手に人の寝室に入るのは感心しませんね。」
「「ごめんなさい。」」
二人して謝る。ごめん。リーネ!巻き込んだ!
「ユミル先生・・・あの・・・この男の人は・・・」
「はぁ・・・カナメ君。人の過去を根掘り葉掘り聞くのは良くないことです。」
うん。自分でもそう思う。それでも、ユミル先生は僕達に教えてくれた。
「この人は、私の夫です・・・そう。私は人間を愛したエルフなのです。」
ポツポツと話してくれた。
「あの人は、ニールは子供好きでしたので、恵まれない子達のために孤児院を立てよう。そう志して、フェリーシア孤児院を設立したのです。」
ユミル先生の旦那さんはニールさんという名前だったみたいだ。
「あの人は、平民でファミリーネームが無かった。私はエルフなので、ファミリーネームを持っています。ですから、婿養子として結婚したのです。」
エルフは最初からファミリーネームを持っている。初めて知った。
「でも、種族間の愛というのは、難しいものです。その一つの問題が寿命です。私達エルフは1000年以上生きることができますが、人間はそうではありません。」
そうだろう。この世界でも人間の寿命でも70歳まで生きれば十分。そのくらいなんだろう。
ユミル先生はとても愛おしそうに絵を見ている。
「ユミル先生は今でもニールさんの事を好きなの?」
リーネがユミル先生に質問する。聞かなくても分かると思うけど、言葉にして欲しいのだろうか。
「ええ。今でもあの人のことを愛してます。」
しっかりした声で答える。
「さあ、部屋から出て・・・」
そう言いかけて、今度は大きな鐘の音が聞こえた。
「え!?何!?」
リーネが僕にくっついてくる。これは、何かまずいことが起こったのではないか?
「これは!カナメ君!リーネちゃん!孤児院から出ては駄目ですよ!」
ユミル先生は急いで出て行った。
僕も一応先生の後を追っていく。
そうしたら、窓に多くの孤児が集まっていた。
「何があったの?」
「魔物の襲撃が来たみたいだぞ。たまにあるんだよ。魔導士の人とか騎士様とか聖職者様がいつも倒してくれるから!かっこいい所が見れるぞ!」
やばい状況だ!怯えている子もいるが、興味本位で窓に張り付いている子もいる。何でこの子は慌ててないんだ?
僕はそう思って、別の窓から見てみた。
そうしたら、空から大きな蜂みたいのが空から来ていた!
「ねえ!あれ!なんなの!?」
「なんなのって言われても。魔物だよ。名前は知らないけど。」
「まずい!皆逃げないと!」
「大丈夫だって、落ち着けって。」
落ち着けるわけがない!何でそんなに楽観的でいられるんだ!
「リーネ!ここから出ないでね。絶対に待ってるんだよ!」
そう思って、外に出るために駆け出す!
「あ!カナメ!」
リーネが叫んでいたけど、気にしてる場合じゃない。
僕だって、魔法の練習はしっかりしている。ホーンラゴスの時みたいにならない!
そう覚悟して、外に出る!よく見ると、かなり大きい蜂だ。しかも、沢山いる。人の顔より一回り大きいんじゃないか?
蜂が僕に気付いて、針を飛ばしてきた!
「うわ!あっぶな!」
なんとか避けれた。もう一回空を見ると、一匹がこっちに急降下してきた。
「この!」
急降下してきた、蜂に対して一気に加重してやる!
蜂は一気に地面に叩きつけられて、動かなくなった。絶命したか!?
「よし!この調子で!」
そう思って、空にいる蜂に加重してやろうとしたけど・・・。
「あれ!?上手くいかない!!?」
どれだけ蜂に加重しようとしても、上手くいかない。もしかして・・・範囲外!?
基本的な事を失念していたのかもしれない!
「カナメ!危ないから中に戻ろうよ!」
振り向くと、リーネが付いてきてしまっていた。
「リーネ!ダメだ!戻るんだ!」
そう叫んだ!けど、蜂のほうが早かった。リーネのほうに針を飛ばしてきた。
「え!きゃあ!!」
その場でうずくまったから間一髪当たらなかった!
僕はリーネに急いで近づいて、孤児院に戻ろうとしたけど、また蜂が針を飛ばしてくる。
ダメだ!今度は避けられない。
「リーネ!!」
リーネが怪我をしたら、僕は一生後悔する!そう思って、リーネをかばう様に抱きしめる!
「ぐあ!」
右肩に二発貰った!けど、針は貫通しなかった。おかげでリーネは怪我せずに済んだ。
「カナメ!血!血が!!」
リーネは流血を目の前にして、完全にパニックになってる!
まずい!このままでは。
「ハイドロプレッシャーショット!」
水の弾丸が怒涛の如く打ち込まれて、どんどん蜂を打ち落としていく。
「ディリスフィカを孤児院に近づけないようにしてください!」
声の方を見ると、ユミル先生だ。
「ユミル先生!カナメが!」
「落ち着いて。まずはディリスフィカを殲滅が先です。リーネちゃん。カナメ君。私から離れないで!」
先生が片っ端から蜂を撃ち落としていく。先生めちゃ強い!
しばらくして、蜂が周りからいなくなった。やばい。何かクラクラする。
頭が熱が出たようにボーっとする。
「カナメ君。傷を見せて!ディリスフィカの針には毒があります。まずは解毒します!デトックス!(解毒)」
そう言って、僕に魔法をかけてるようだ。そしたら、傷から血ではない色の液体が出てくる。
それらを布で拭いている。
「毒は全部出たようですね。次は治療します。ホーリーヒール!」
また、僕に魔法をかけてくれて、傷が一気に回復していく。さっきまで頭がクラクラしていたのに、急にクリアになった。
「ユミル先生。ありg」パシィ!
お礼を言おうとしたら、ユミル先生から引っぱたかれた。
「カナメ君!貴方は何をしたのか分かっているのですか!リーネちゃんまで危険に晒して!」
さっきまでとは比べ物にならないくらい怒っている。
「下手したら!死んでいたかもしれません!貴方は確かにレア属性持ちですが、まだ強いわけでは無いのです!それを自覚なさい!」
その通りだ。また僕は自分の力を過信してしまった。
「まったくもう!あんまり心配させないでください!リーネちゃんもです!どうして、カナメ君を抑えてくれなったんですか。」
「だって、カナメが!カナメの近くにいようと思って!」
「私は孤児院で待機するように言ったはずです。リーネちゃんまで戦いの場に出てきたら、守れるものも守れません!しっかり反省してください!」
「「ごめんなさい。」」
僕達はは2重に怒られた。
もし、あと一歩針がずれていたら。もし、先生が来るのが遅れていたら。
僕は――リーネを守れていなかった。
僕は、守れるつもりでいただけだった。




