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カラオケボックス(前編)

今回はいままでに比べると少し長めですかね

一応キャラ紹介しておきます!

下沢 〜〜〜(読んでくださいね)

名前を少しばかりコンプレックスにしている。しかし実力は確かにある。


水嶋 〜〜〜(名前はまだ小説には書いてないです)

イケメン。勇斗ほど全てはこなせないが数学だけはかなりできる。


他校の女子2人

説明は読んでくださいね


自分で作ってるのにキャラが有能すぎて虚しくなってます

土曜日の朝、俺は母さんと鏡の前に立っていた。

黒い大きめの服にジーンズ。


その上には水色の上着。ショルダーバッグといういかにも中学生らしい装備だ。


お花茶屋の駅前に安いカラオケがあるらしくそこに10時半、現地集合ということになっている。


「へぇ〜似合うじゃん。私の目に狂いはなかったね」と自慢げに母さんは言う。


「そうだね」


そっけなく返しているが自分でもなかなかに似合っていると思う。


「じゃあ行ってくる。金はあんま使わないようにするよ」


「はい、行ってらっしゃい。彼女できたらいいね」


ほんとだよなと心のなかで思いながら家をあとにする。


本当ならば自転車などで行ってもいいのだが、あいにく家には自転車がない。


だが、まだ春だしこういう日はやはり歩いていきたい。おそらく自転車を持っていてもこの考えに至るだろう。



堀切菖蒲園の駅に着きホームにはいるとTシャツ短パンに首にタオルを巻いた、いかにも部活帰りってムードの下沢がいた。


「よう下沢。部活帰りか?川沿いでやってたのか。お前確か陸上部だっけ」


するとこちらに気づいた下沢は顔をタオルで拭きながら


「おう田道。お前も行くんだなカラオケ」


下沢 遥(はるか) 男にしては女のような名前だと馬鹿にされがちだが決して手は上げず、テストの成績や運動能力などの実力でねじ伏せてしまう。しかも中学陸上部の部長だ。


もちろん俺は成績でも運動でも負けている。勝てることといえばギターを多少弾けることや完璧な形の卵焼きとオムライスを作れることか…。


「電車来たぞ」


「おう」


二人で電車に乗り込む。


今日は土曜だからか人の数は少ない。


だが学生は何人か乗り込んでいる。


共架も私立なので本当であれば今日も学校なのだが、新しく入ってきた一年生たちが学校に馴染める一週間までは、土曜の授業がないという大変ありがたい一週間となっている。


「でさ、田道は気になる女子とかいるの?」


「いないな。可愛いやつはいるかもだけど気になってはいないかな」


自分で言っていても変だが可愛いと思うのに気になっていないとは何なのだろうか。


おそらく千秋のせいでときめくというもの自体が難しくなっているのだろう。別に千秋は下ネタは言わないが、「かまってちゃん」なのかもしれない。


「そういえば前に下沢、好きな人できたとか言ってたな。誰だよ、それ」


その話題に持っていくと急に表情が和らぎ


「いやいや、さすがに人までは教えられない」


こういう時に使えてしまうのが口話術だ。


「やっぱそうか〜。ちなみに誰?」


「いやぁ、それは寺西さんだよ。………!?なんで今俺しゃべった!?」


へぇ、こいつ優香のこと好きなんだ。


どことなくつかめないところはあるが、顔もいいし確かに可愛いな。

………いや、あいつのどの辺が可愛いんだ。怒られている奴の後ろで「くふくふ、くっ」と笑い出したり、謎の人間関係を利用した実験に巻きこんできたりするんだぞ。ある意味で変態だ。


否(いな)、変態である。


なぜかその割には全教科の点数は良く、クラス平均を大きく引き離している。特に物理と生物が。


一方の俺はほとんどクラス平均だ。しかしながら音楽だけはズバ抜けて成績が良く98点で学年1位だった。楽譜や音程を読み解くのは単純な作業なのでかなり簡単だ。


しかし一方で下沢は理科以外はすべて順位は一桁台という驚愕の成績だ。


もしそこの2人が付き合えばかなり良い組み合わせになるだろう。これは後押ししなければだ。


「いいんじゃないか?告白とかしちゃっても。でもメッセージではやるなよ。あいつメッセージで告白してくるやつはただの意気地なしだと思ってるから。やるならちゃんと目を見てしっかり気持ちを伝えるんだ」


「わ、分かった。気をつけるよ」


俺はなぜこいつに恋愛の授業をしているのだろう。



お花茶屋につくと急に今日着ている服が心配になってきた。ここになって引き返すのは勿体ないし母さんに選んでもらったのだ。


「というかお前はそんな部活着でいいのか?もうちょっとイケてる服とかなかったのか?」


すると弱みを突かれたような顔をして下沢は


「家に帰る時間がなかったんだよ…」


なんともかわいそうな陸上部員だ。改札の手前まで来てオレは足を止める。


「覚悟はいいか、下沢」


下沢は少し驚いた顔をしたがすぐに苦笑いし


「おう、いつでも」


足を踏み出し改札を出る。出口のすぐ手前にそのカラオケはある。


下沢と共に階段を降りると女子3人が目に入った。灰色のジーンズに黒い服、しま模様が入った上着を羽織っている囚人のような服装をしているのはもちろん優香だ。


その横にはおそらくメンズであろう短パンにTシャツを着た俺の幼馴染。


その横には白のパーカーに長めの黒のベイカーパンツを着た知らない顔の女子。


そしてずいぶんとおしゃれな黄色の上着に紺色のTシャツ、ダメージジーンズを履いているお団子結びの女子。


驚くものがてんこ盛りだな。


すると俺たちを見つけた優香が口を開く。


「おお、来たね。快くん、下沢くん。あれ、水嶋くんは?」


「さぁ?俺たちは会ってない」


ふと横目で下沢を見ると優香を見て顔が少し赤くなっている。


どのくらい優香のことが好きなんだろうか。


だがせっかく男子と会うとしたら優香ももう少し可愛い服があったろう。


そのあたりが変態なのだろうか。


普通の女子なら好きな人でなくても自分は可愛いと思われたいだろうに。


あいつには恋という感情があるのだろうか。


まずそこを心配するようになってしまう。


優香を見ながら考えていると千秋が横にやってきて


「快ってもしかして優香のこと好きなの?」


と言い出す。


「何言ってるんだ?好きなわけないだろ。あのマッドサイエンティストは何をしでかすか分かったもんじゃないからな」


と言うと千秋は


「じゃあどんな人が好きなの?部活仲間にいるかもしれないよ」


いきなり唐突な質問をされて「ふむ」と考え出す


「そうだな。急に言われるとわからないがとりあえず髪が背中くらいまで伸びてて性格がいい人かな」


千秋は驚いた顔をして「顔は求めないの!?」


確かにほとんどの人は顔を求めるだろう。だが過去にその偏見を捨てたほうがいいと思う出来事もあった。


「顔が良くても性格が悪い人だっているし、顔が良くなくても性格がすごくいい人だっている。お前も黒人と白人の差別は嫌だろう?それぞれの人の普通だってあるんだしな」


千秋は納得したような顔をしてなるほどと頷く。


五分ほどして水嶋がやってきた。


「ごめんなー、町屋で電車止まっててさぁ」


とポケットに手を突っ込みながらこちらへ歩いてくる。すると白パーカーの女子が少し顔を上げる。言葉は発していないがじっと水嶋の方を見つめる。


すると千秋が水嶋の横まで行き、何かを耳打ちする。


途端に水嶋は驚いた顔をして何かを千秋に話し始める。


しばらく千秋と話していた水嶋が顔を上げ、「ああ、ごめんごめん。もう入ろうぜ」と歩みを進める。 


俺達も水嶋について行く。


千秋のやつ、何を吹き込んだんだ。店の中まで入るとすでに水嶋が店員と話していた。


するとこちらを向いて


「席は空いてるけど7人だから別々の席に移らないといけないらしい」


嘘だろ、これ仮に俺の知人全員と違うグループになったら俺はおそらく話せなくて気まずい空気が流れるだけだと思うのだが……。


何か言う前に優香が


「オッケー、じゃあグッパーで分けよう。せーのっ」


みんなで一斉に手を出す。俺とお団子女子はパー、千秋と下沢と優香はグー、そして例外のチョキを出したのがまさかの水嶋と白いパーカーの女子。


「あらら、チョキ出した子もいるのか。まあいいね?キレイに割れたし、じゃあそれぞれ部屋に入って遊んじゃっていいよ。あ、エッチなことはダメだよ?」


と笑いをこらえながら話す優香。


まさかの知人が誰もいないパターン、これは俺にとって人生の終わりを示すようなものだ。いや、くよくよしても仕方ないだろう。


「じゃ、入りましょうか」コクリと頷くお団子女子。


まさかこの人あまりしゃべらないタイプか?いや、気にするな!


5番テーブルのドアを開けて先に女子を入れる。


こういうことは紳士的な振る舞いをしたほうがよいと、かの勇斗様からご指導をいただいたのだ。


お互い席に座り上着を脱いでいるとクセのある話し方が飛んできた。


「ふう、やっぱ東京のこういうところはまだ慣れへんなぁ」


咄嗟に驚いてしまった。関西弁……完璧ではない。少し関東の標準語に寄っている。エセか?いや、それにしては聞き心地がいいな。


この人、関西の人だったのか。


俺の顔に気づいたのか女子は


「そんなに驚くことでもなかろー?あ、まだ自己紹介してへんなぁ、うちは東(あずま) 美琴(みこと)や」

と彼女はあごに手を付けてこちらを見ながら言った。


「ごめんなぁ、こんなことでもせぇへんと君、出てこんかったやろ?気になってるっちゅう言うたんはうちよ」 


とっさの言葉に驚く。そのまま東さんは続ける。


「無関係だからこそ聞いてほしいねん。誰でもよかったんけど君が一番信じてくれそうやからな」


さっきから何を言っているんだ。この人は。


「これはただのおとぎ話かもしれへん。でも実際にことはおきとる。星座にまつわる話や」

調子に乗って書いた作品十四号です。現実時間とこっちの時間軸がずれすぎて頭がおかしくなりそうです

あれ?シリアスじゃないなって思ってる人も結構いると思いますがすみません。結構展開を進めたところで出そうと思ってるのでもう少しの辛抱をお願いします

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