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Ep1 始業式

高校の始業式の日、俺改め私こと内田海斗うちだかいとは高校二年生となり、不安ばかりがとりまく中での登校となった。

急に女の子となってしまったあの日から、どれだけ元の体に戻ってくれと願っただろうか。しかしそんな願いなど通じることもなく、制服は男子用のままだが、女の子として新たな生活をおくっている。ちなみに、女の子になったあの日に母に無理やり買い物に連れて行かれ女の子用の品々を買ってくれていたので普段はすでに女の子として生活していたりする。明日には元にもどっているかもと言っても、なら今日だけでも着てみなさいと言われ完全に遊ばれていた気がするが、正直女の子になってテンション上がっていた自分がいたのも事実ではある。しかしこれがずっととなると話は別だ。冗談なんかじゃ通じない。それに今まさに学校でどうするのかという大問題が迫ってきている。これほど学校に行きたくないと思った日は無いんじゃないか。学校には一応連絡してある。友人にもこの事実を昨日メールにて伝えてはいる。でも信じてもらえているかわからない。というか信じる信じない以前にこれからどうやって接したらいいんだろうか。考えれば考える程不安になっていく。

「あー、もう考えるの止め止め!」

当たって砕けろだ!前と同じように接したらいいんだ!そう自己完結させる。


学校に着いた。新学期なのでクラス分けが貼り出されている。良かった、一年の時に仲良かった友人が同じクラスだ。一通り確認して教室へ向かう。そいつはすでに俺の前の席にいた。

「お前が一緒で良かったよ。」

そいつの名前は稲葉俊いなばしゅん。俺の理解ある友人だと信じたい。

「ん・・・えーと、ウッチーか?」

ウッチーというのは俺のあだ名だ。

「そうだよ、お前の知ってるウッチーだよ。」

「元から女の子っぽい顔だったが、お前本当に女の子になったのか?単なる女装とかいうなよ。」

「ちょとまて、そんな顔だったなんて初耳だぞ?」

「そりゃあ本人の目の前で言うと傷つくと思って。」

「今その本人の前で言っているんだが・・・。まあ見た目は抜きにしても声が全然違うだろ。」

「確かにな。なら男子制服を着ているのはどうしてだ?いっそのこと制服着た方が可愛いと思うぞ。」

「元に戻ることを期待して女子制服を用意してなかったんだよ。まあ戻らなかったんだが・・・。」

「しかし着れるということは出るとこ出てないんだな。」

一発軽く殴ってやった。

「多分近い内に女子制服を着て見た目は完全に女子になるよ。」

「そうか、それは楽しみだな。そうなったら俺の彼女にならないか?」

「冗談はやめてくれ。」

「本気だといったら?」

「・・・残念ながら男に興味はないから。」

「そりゃ残念。可愛いと思ったんだが。」

「どういう意味だよ。」

「そのままの意味だが。普通に女子の中入っても可愛い部類に入ると思うぞ。」

「お褒めの言葉ありがとよ。」

正直この時の俺はそれを冗談としか受け取ってはいなかった。

その後先生が来たので会話は終わった。

この日は最初の不安が意味のないものであったかのように時間は過ぎた。始業式の後、個人的に先生に呼ばれ事情を説明し、ちょうど合うサイズがあったため制服を受け取ることにも成功した。



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