Ep2 女の子へ
始業式の次の日、今日もまだ準備日であるため午前中で終わる。
「そういえば、女の子になって変わったことってある?」
俊がそんなことを聞いてきた。
「うーん、何が変わったっけな。髪型は変えたし、やっぱトイレとか面倒になったな。他には・・・思い浮かばないな。」
「でも胸は・・・」
一発殴ってやる。
「・・・なあウッチー、もう少し女の子らしい喋り方とかしたら?折角制服も変わって見た目も完全に女子なのにもったいないだろ。」
「勿体無いってどういう意味だよ。」
「俺の気持ちが高まらない。」
変態だ。
「ほら、一回女の子の口調で喋ってみてよ。」
「女の子の口調って言ったってなぁ・・・。」
睨まれた。
「・・・何を言えばいいのよ。」
これだけのことを言うだけで凄く恥ずかしい。俊はニヤニヤしてやがるし・・・。
「こんなんでいいんだろ。」
「駄目だって、これから女の子として生きていくんだったら普段からその口調じゃなきゃ。」
完全に遊んでやがる。でも確かに一理はある・・・。
「でも・・・」
「でも、じゃない。今日から女の子口調ね。」
俺が不平を言おうとしたその時、
「ねぇねぇ、あなた本当にウッチーなの?」
そう横から声がした。二年連続同じクラスの山田咲が立っていた。俺の男時代を知っていて、その時に話したことある数少ない女子の一人であったりする。
「そうだよ。」
「ほんとに女の子になってたのね・・・。女装趣味にでも目覚めたかと思ってたんだけどこれは見た目と声は完全に女子だわね。さて、本当に女装じゃないか少し・・・。」
そう言って後ろにまわったかと思うと急に抱きついて胸のあたりを探ってきた。
「ちょっと山田さん、くすぐったいってば。」
あと後ろの柔らかい感触も気になる。
「確かに女の子・・・なのかな?」
「なんで疑問形なんだよ・・・。」
「気にしたら負けよ。」
「そうそう山田さん、ウッチーがもっと女の子らしくなりたいらしいからその手伝いをしてくれないかな?」
「おい俊、何言ってんだよ!」
「例えばこの口調を変えるとかさ。これから男口調禁止にしたほうがいいと思うんだよ。」
「いいねそれ。きっとウッチーも男口調変えればモテるようになると思うよ!」
山田さんが乗ってしまった。このままじゃ話がややこしくなるに違いない・・・。
「別にモテたくないっつーの。」
「可愛いのにもったいないなぁ。ならあなたがこのクラスにきちんと馴染めるように手伝ってあげるから、ね。」
それは助かるんだけど・・・
「せめて学校の外だけとか・・・。」
「ね?」
「はい・・・。」
完全に押し負けた。
・・・これからどうなっちまうんだろうか。やっぱいっそのこと女に成りきってしまったしまった方がいいんだろうか・・・。
「それじゃあ何かあったら気軽に相談してね、海斗ちゃん。」
「頑張ってね海斗ちゃん。」
俊も完全に俺で遊ぶ気満々である。
「うるせえよ。」
「男口調禁止だよ海斗ちゃん。」
「・・・他人事でいいですわね。」
もうこうなったら慣れるまでがんばるか・・・。




