存在進化(2)
「それで?俺が存在進化中の半月間は特に変わりはなかったか?」
「はいです!……あっ!一つだけ!私たちが襲撃した村で捕虜にした女性がいたでしょ?」
「ん?ああ」
「あの方に掛けてあった魅惑の瞳の能力が効果を失いました」
「効果を?」
「はい」
レイシスはその話を告げると魅惑の瞳に関する効果の確認を進めてきた。
「そういえばこのスキル、よくわからないまま使ってたもんな~」
スキルについて改めて確認してみる。すると存在進化の影響か、以前では見れていない情報などがいくつか映し出されていた。
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魅惑の瞳 Aランクスキル
条件:相手と目を合わせる。
効果:異性に対してはほぼ必中のスキル。好感度をカンストまで上げる。また好感度の変動は変動する値が大きいほど脳の処理が働くため変動値分しばらく動けなくなる。
備考:魅惑の瞳は同じ相手には一度しかかけることができず、触れ合うことでその好感度を維持、固定することは可能ではあるがかけて以降、接触がなければ徐々に効果は減衰し解除される。
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「こんな能力なんだな」
「確かにこれはAランクスキルと言われますね……」
相手が急に力が抜けてへたり込んでしまう理由は脳の処理だったのか。
「洗脳が解けてしまったのは多分俺が眠って接触できなかったからか」
「そうですね~というかこのスキル、相手の自由さえも奪えるのは強すぎますね~」
「ああ、だな。―――まあ捕まえた捕虜に関しては帰ってきたときに対処しよう。今は特別クエストと俺の変化を優先だな」
そうして直人は今のステータスの変化、それとスキルのことなどをレイシスに伝える。
「ふむふむ。だいたいわかりました。とりあえず直人様は獲得可能スキルの中だと何を優先すべきだと思いますか?」
「ん?ああ、一応これらを取るつもりだ」
【身体能力強化Lv1:発動中自身の能力を一段階引き上げる。ステータス換算で1.2倍にはね上げる】
【ステータスアップLv1:発動中自身の全ステータスを+10する】
【素早さ上昇Lv1:発動中自身のAGIを+10する】
【体力上昇Lv1:発動中自身のHPを+10する】
【攻撃力上昇Lv1:発動中自身のSTRを+10する】
【存在変化Lv1:自分の存在を見たものに変化する、発動時間30分】
【蒼穹探知LvMAX:自身の上空に鳥形の分身を制作、空から俯瞰することができる】
【魔力感知Lv1:魔力を感知できるようになる。魔道の初歩中の初歩】
【魔力操作Lv1:魔力を操作する。魔力を感知したものが次にぶつかる壁、その壁を取っ払うスキル】
【魔術配合Lv1:このスキルの効果によって魔術を自分で作ることができる】
「う~ん、魔術基礎に関してのスキルは正直あまり取って欲しくはないですね~」
「なんでだ?村でも感じたが魔術は現代兵器みたく一人いるだけで戦況をひっくり返せるレベルの能力だろ?その能力を獲得するスキルは優先すべきだと思うんだが……」
今の直人の魔力は34、村戦で唯一厄介だった魔法師ミミの魔力量は27で魔法を打つことはなかったがレーナの魔力量は35、あのミミよりも魔力量は多いためそれ以上の魔法を使えるということではないのだろうか。
ただ直人にとっては魔法は未知の能力、その初歩を獲得できるのならば是が非でも優先したいという考えなのだが……
「だからですよ」
「どういうことだ?」
レイシスは右手を広げると右手から黒い靄のようなものを出し始める。
「直人様は今、存在進化によって魔力を獲得しましたよね?では今私が右手から出しているこれ、見えていますよね?」
「ああ」
「これは魔力を可視化したものになります」
そうしてレイシスは魔力と呼ぶ靄を操って五本の指の先からそれぞれ火、風、土、水、雷の魔法へ変出させて見せる。
「このように魔力を操り、そして魔法へと変化させる。この過程をスキルにしたものが魔力感知、魔力操作、魔術配合になります」
「つまり何が言いたいんだ?」
「例を出しますがこれはつまり自転車で言う補助輪なんです。スキルがアシストすることによって本来の獲得スピード以上の速さで使用することができるのですが、自転車に関しては補助輪がなくてもしっかりと補佐してくれる人がいれば補助輪無しの自転車の習得など容易いことでしょ?」
「つまり獲得するだけポイントの無駄だと?」
「その通りです。幸いにも講師には事欠かない状況ですよね?私にレーナさん、それに捕虜の子も魔法師です。SPは貴重なものです。そのポイントは別に充てるべきではないでしょうか?」
レイシスの言っていることは正しい。存在レベルを上げる方法を確立しているわけでもないのにここで楽するためのスキル獲得は今後においては悪手となりえないだろう。ただそうは言っても―――
「時間がない」
「うっ……それを言われてしまうと何とも言えませんね……」
そう、強制クエストまで時間がないのだ。
確かにレイシスの提案は長い目を見れば正解の道なのは明らかだが如何せん時間が足りなすぎる。正直魔法を数時間そこらで覚えれるほど簡単なものだとは思えない。
どんなに師が良くても教えられる自分が理解できなければそれこそ時間の無駄だろう。魔法のまの字も知らない今、優先すべきはやはり補助が可能なスキルだろう。
「んんん~~~~。わかりました!では直人様、これは妥協案なのですが魔力操作だけを獲得するというのはいかがでしょうか?他二つは我々が力を合わせれば多分数十分で会得可能だと思います。ですが魔力操作に関しては一番初心者が躓く大きな壁です。その壁を取っ払うこのスキルだけ獲得というのはいかがでしょうか!?」
ポイントの節約、それをすることで死んでしまうかもしれないがもし間に合わなければ改めて獲得すればいい。ならここはレイシスの提案に乗ってもいいかもしれない。
「わかった、じゃあとりあえずその二つ以外のスキルを獲得するよ」
「はい!」
そうして直人は画面を操作しスキルを獲得していく。
「まっ、こんなものかな」
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名前:目黒直人 種族:ゴブリンエンペラー? 年齢:エラー 職業:なし 状態:エ*ー
称号:異世界の人間、女神の契約者、未来の王、蹂躙者、虐殺者、ゴブリン王
存在レベル:6 SP:80
HP:67 MP :34 STR:67
DEF:45 INT:90 DEX:28
AGI:32 LUK:136
スキル:精力増強 魅惑の瞳 感情鑑定 異種交配 剣客抜刀術 亜空間倉庫Lv1 格闘術Lv2 万能武器種 号令 覇気 身体能力強化Lv1 ステータスアップLv1 素早さ上昇Lv1 存在変化Lv1 蒼穹探知LvMAX 体力上昇Lv1 攻撃力上昇Lv1 魔力操作Lv1
獲得可能スキル: 覇王覇気LvMAX SP:300 黒鋼猛撃 SP:73 夜斬の印Lv1 SP:65 降神葬 SP:666 魔力感知Lv1 SP:55 魔術配合Lv1 SP:25 火炎球Lv1 SP:5 怠惰 SP:200 強欲 SP:200 暴食 SP:200
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余ったSPはとりあえず貯める方針で、今度は直人自身に起きた変化について話し合う。
「見た目もそうですがステータスはすごい変化しましたね~」
「だな、最初に戦ったB級冒険者たちと今戦えば多分単騎で勝てるレベルにはなったぽいな」
「幸運値に関しては100を超えちゃってますもんね!これ、今ガチャ引けばすごい色々と良いものが出るじゃないでしょうか!?」
「確かにそうだな」
幸運値の伸びは倍、前の倍ということは引きも確実に良くなるはずだ。
それに村攻めで多くの死体を手に入れた。最終調整のためのガチャは是が非でも行っておきたい。
「とりあえず祭壇に向かおうか」
「はい!」
ここまで読んでくださりありがとうございます。評価の方はお任せいたしますので、よければもう一話見ていただければ幸いです。




