『サンプル・ワールド』作成2
サンプル・ワールドの名前は『スリー・エンパイア(Three Empires)』と仮称することとしよう。三国志のパチモンっぽい。略称はTE世界(仮)。
機械神の機械帝国、海洋神の深海帝国、邪神の暗黒帝国とこちらもそれぞれ仮称し、3つの帝国の対立をベースとした世界観。その中で機械帝国をメインの舞台としてい話が展開される訳だ。
前回の話で言うところのワールド・クエストはもう決まってる。
第一部:機械帝国と深海帝国の講和
第二部:協力し暗黒帝国を撃破
これがワールド側のストーリーとなる。二部構成だ。
ワールドクエストがこう設定されていることによって、深海帝国と敵対状態だが、武力により大きな被害を与えて勝つような話を書けないという縛りが発生している。
さて、今回は神話から言語歴史までをざっくり決めていこう。
機械神が世界の外の出身の神であり来訪者である。邪神も侵略者であり、舞台となる世界の元々の神々がいる訳だ。多様な種族がいることを考えると多神教。
機械神に世界の信仰の大半を乗っ取られていることを考えると、創造神のような強い神はもう不在なのかと考える。
神々の思考を追ってみる。
機械神:出身世界が邪神に破滅させられた。そこからの逃亡者であり、復讐者であり、この世界の導き手、救世主たらんとしている。……アメコミっぽいね。マジックっぽいと言っても良い。
広く人類(異種族含む)に遍く愛がある。ただそれは邪神勢力に勝つためであり、悪く言えばリソース、戦力として見ている。
土着の神々:この世界の創造神に創られた配下たる神々。創造神そのものはこの世界を何らかの理由で離れた・隠れたため不在。理由は未定。地上の人類は種族間を含む戦争で荒廃気味。文明は中世レベルで停滞、土地の荒廃と信仰の減少により魔力が減り神々も弱体化している。
機械神を侵略者として見るか救世主として見るか無関心かは神々による。例えばドワーフの信奉する炎と鋼の神は機械神に従うようになってるがエルフの信奉する植物の神は機械神を認めていないとか。
海洋神:実は海洋の知的種族は穏健で穏やかに多種族が融和している。地上から見えないだけで強大な国力がある。世界の過半数を占める海洋が地上よりも上位であるのは当たり前と密かに思っている。
機械神を侵略者と見なし、不甲斐ない地上の神々に代わり防衛を開始した。
邪神:侵略者。中南米に入植した白人のイメージか。ギャザならファイレクシア。本国たる次元に資源を収奪することが目的であり、惑星や次元単位での侵略を行う。もしかするとこちらに来ているのは邪神の尖兵なのかもしれない。
侵略先はあくまでも収奪の対象にしか見ていない。
時空間、次元を渡れる神やその配下にとって必要な資源とは何か。そしてわざわざ侵略する意味とは?(普通の資源が欲しいなら無人惑星を掘れば良い訳で)
分かりやすくマナ(注1)としておこう。
神を分解してマナに還すのが邪神的に美味い。
マナは神や生命体の発するエネルギーであり、生命のいない星を侵略しても仕方がない。マナの満ちた世界、マナを多く保有する神を狙って侵略・攻撃する。と設定すると邪神の侵略に整合性ができる。
わたしは露骨にTRPGの世界観構築型作者なので、設定の段階からシナリオフック、布石を無数に打ち続けるのがやり方である。
この段階で考えたネタを使おうとか考えてない。が、布石は打つ。
『創造神の帰還』なんてタイトルで第三部を始めたり、第二部の途中にそんなイベントを絡めて場を引っ掻き回せるようにしてある。土着の神々や弱小種族もいくらでもシナリオの使い道はあるだろう。
純粋に悪者は作っておくべきだ。邪神勢力はそれ。
いやまあ、本国に帰ればいいパパなのかもしれないが、それは知らん。
しかし機械神はすぐに悪そうなイメージになるのが問題だな!
まあ、人類が救われてるし、発展しているし、邪神勢力から護ろうとしてるので悪では無い。ただその本質的な目的が人類のためではないって感じか。
機械神
とある世界ではマナを燃焼させて水を水蒸気とし、それを以て歯車機構を動かす技術が発展していた。
その技術を象徴する神。
付喪神的にして、世界最初の歯車機構に意識が宿った形にするか、技師が人から神に至ったか。とりあえず付喪神にしておく。
最初の歯車機構として展示されていた遺物が、世界が滅びる間際に新たな神として覚醒し、滅びる世界の神から魔力の大半を譲渡されて世界を渡って逃げたとかどうだろう。
元の世界の神を旧神として……。
旧神:この世界最新にして最後に生まれし神よ!汝にこの世界の魔力の大半を譲渡しよう。
機械神:……なぜですマザー?ソレではあなたも、この世界の全ての生き物も死に絶えてしまう。
旧神:我らでは邪神に勝てぬのだ。全てを邪神に吸収されるくらいなら……お前には苦難の道を歩ませる……許せ。
魔力譲渡
旧神:さあ行け、この世界を継ぐモノよ!
機械神:マザー……さようなら。
世界転移
旧神:さらばだ……さあ邪神よ!かかってくるがいい!
旧神が敗北
邪神:貴様、ゴミみたいな魔力しかないではないか!
旧神:ははは、邪神よ。この世界と共に滅びるがいい。
世界消滅、邪神の軍勢に壊滅的打撃
邪神は生き延び、軍勢を再結成しこの世界の魔力を持ち出した機械神を追跡する
っていう神話体系のバックストーリーがあるとエモい。きっと書かない(死)
で、幼い機械神がこの世界に降臨して、人類が弱いことに愕然とすると。文明レベルが低い。
この世界はマナは豊富だが、マナを魔力に変換するための能力を有する人間がほぼいない。魔術師/人口比率が極めて低い的な。
んで、マナを熱量に変換させる歯車機構を与え、機械神が力を与えた人間が人類を強化・統一していく。
文明レベルは降臨前のこの世界を中世前期として、機械神降臨後に世界の文明をグッと上げたと。機械神が1900年頃。
だからまあ、中世後期~1900年くらいの文明が混在しているって感じかな。
機械神が降臨した場所が帝都であり、あそこが1900年な感じか。
機械神が降臨して何年が経つ必要があるのかだな。
1000年の文化の隔絶を完全には埋められず、なおかつ世界中の文明レベルを上げるのに何年必要か……。
機械神降臨を元年として暦が作られていて、マシナリーアドヴェントだからM.A.暦。
創造神消失:-1000年
小国分裂期
機械神降臨、人類にガジェットを授ける :1年
最初に授けた子供が英雄となり、王となり……。
まあチンギス・ハンとか考えれば一代で大帝国作れるでしょ。
初代皇帝による大陸統一 :~50年
まあ、大陸の七割を手にしたことにして。
んで定番かな。
後継者戦争:~70年
2つに割れると。3代目は優秀で
3代皇帝の再侵攻:~100年
帝国安定期:~150年
大陸の大半を再び手中に。
拡大戦略が終え、内政の時代に入るのだが。
深海帝国の侵攻:150~年
沿岸部中心に領土を3割ほど減衰すると。
機械:深海:他=6.5:3:0.5くらい。
暗黒帝国の侵略:200~年
機械:深海:暗黒:他=4.3:2:3.5:0.2
くらいの領土比率で。国力比率は6:4:9くらい。
ドロシアの短編がM.A.250くらいかな。海洋帝国とは100年、暗黒帝国とは50年対立している。
ドロシアが伝説になってるんだから、メインの時代はもうちょい後か?
ドロシアを223年生まれにするとあの短編が238年、そこから怪盗として活躍して……。
メインステージを250年頃にすると大怪盗ドロシア、それ以降にすると伝説の怪盗ドロシアだな。
海洋との講和が成るのは260年頃のイメージにして、そこから逆侵攻かけて300年頃までに邪神に勝つくらいのスパンで歴史を形成すれば良い。
邪神に勝つ年代は別にズレても構わない。第一部のキャラと第二部のキャラを代替わりさせたいかどうかだ。
わたしは年代記(Chronicle)的な世代交代が好きなので個人でこの世界観を使うならこのような時間感覚になる。
一人のキャラクターの英雄譚とするならもっと短くすべきだろう。
言語系はオリジナル言語でとりあえず帝国ごとに別言語か。
表記はどうせ日本語な訳で。
ネーミングとか、機械帝国は帝都がロンドンモチーフなんで英語名1択だよね。ただ、人類領域のほぼ全域を支配してる訳で他言語系もありだな、特に地方では。
英語中心でヨーロッパ系人名ならありって感じか。
東洋系ってどうなんだろ。
スチームパンク・ジャパンは明治大正と相性良いんだけどね。サクラ大戦がそうだ。
スチームパンク・チャイナ(注2)は清の末期なので実は微妙な気がする。
とりあえず今回は基本ヨーロッパデザインで行うとして、アジア・日本文化がこのTE世界にあるとしても別の大陸とかだろう。
深海帝国をアジア系デザインにするという手もあるか。ここは保留で。
今回はこんなところか。
次回予告
『その世界におけるハイエンド』
ナーロッパ、ゲーム的な世界観で作者が困り易いところである。
問題
「ゲームが進むにつれて、あるいはナーロッパのようなゲーム的世界観の作品の連載が続くにつれて何が問題となるか」
ではまた次の講義で。
注1
マナ
非実体・不可視の神秘的な力の源。元々は太平洋の島嶼部の言葉だが、19世紀末ヨーロッパのオカルト文化の隆盛の中で取り入れられ、ラリー・ニーヴンが1970頃に作品中で使ったことによりSF・ファンタジー作品に取り入れられるようになった。
現在では広く小説・ゲームの中で魔法などの神秘的な力の源として表現される。
注2
スチームパンク・チャイナ
スチームパンクはヴィクトリア朝ロンドンを舞台とするのがベースであるが、このTE世界のようなファンタジー世界や、アメリカのフロンティア、日本の明治大正期あたりを舞台として描かれる作品も多い。
日本に関しては日本人の意識として明治維新や大正浪漫と時代がポジティブに変化している時代と合致しているのが良い。
中国は清朝末期と時代変遷としてネガティブな時期なのと、いわゆる中華・漢民族的デザインと融和しづらいので舞台とする旨味が薄いように思う。
百度百科やWikipediaの中文で見ると、中国におけるスチームパンク(蒸汽朋克)人気があるという話が出てくるが、中国を舞台としたスチームパンクの作品名が少ない。
活動報告では魔都上海舞台とか太平天国の乱とかネタが上がったが……これビジネスチャンスである可能性あるね。
JINKE小説大賞とか来年もやるなら出してみてもいいなぁ。




