野暮
「イミテとやら…これで良いのか?」
ヴァルケーノ火山の火口にイミテの召喚術の魔法陣が浮かんでいる…
魔法陣にエクスとパルテは魔法力を送り続ける… エクスはイミテに向かって「…この魔法陣…底無しだな…一体どんな奴が現れるんだい?」と訊いた…
イミテはニヤリと笑って、「それは出てきてからのお楽しみですよ…」
「ただいまぁ…」「ダーリン…お帰りなさい…お風呂になさいますか?それともお食事を召し上がられますか?」魔女の動きも一時的に落ちついてようやく日常に戻った…会社から帰った僕は玄関に出てきてくれたティナをボーッと見つめる…
「ダーリン?どうしたの?会社で何かあった?」「いや…美人の奥さんが玄関まで迎えに来てくれて自分のためにお風呂と食事の用意をしてくれているなんて…そんな夢みたいな事ってあるのかな?って思って…まるでweb小説のラブコメのワンシーンみたいで…」「まあ…」
ティナは真っ赤になってエプロン姿のままで僕を抱きしめた…「貴方はね、私のことを幸せにするために一生懸命頑張ってくれる…
そんな貴方を私は一生懸命大切にしなきゃ…ううん…したいの。私、少しでもダーリンに喜んでもらいたい…本当は会社に行かせないでずっと一緒に居たいけど、帰りを待ってダーリンが喜んでくれるかなあって用意する事も楽しいの。一生懸命頑張るからずっと側にいてね…ダーリン…」「ティナ…」
僕達は長くて熱い口づけを交わした…
テレビを見ていたリルが「あっ!パパがかえってきた!わーいパパ…」駆け寄ろうとするリルに「やめなさいよ…リル…」と絵本を読みながらミスが言った。
「おねえちゃんはパパのところにいかないの?」「パパはいま、ママとふたりきりになりたいのよ…やぼってもんよ」「やぼってなあに?」「しらないわよ…」
「やった!成功だ!これでこの世界は私達の物…ふふふふふ…」イミテの召喚魔法によって魔法陣からとてつもなく大きな影が現れてエクスとパルテはそれを見上げた…「これが秘密兵器…」




