禍々しいオーラ
ヴァルケーノ火山の火口から飛び出した巨大な黒い影は禍々しい翼を広げて火山の中腹の魔女達の居城の前に降り立った…
ブオォォォーン!巨大な口をガバッと開いて口から極大魔法クラスの衝撃波を放った…
その衝撃波は城を軽く消し去り、直撃していないはずなのに火山の三分の一を吹き飛ばした…火山は中腹から溶岩が吹き出して近くのカルデラ湖に流れ込み大きな黒煙と地響きで
魔界全土の人々を一瞬で不安に落とし入れた…
「こ、こんなバケモノ…放っておいたら世界征服どころじゃないわ…」二人の魔女はその黒い怪物と対峙した…長い槍のような角が自分達を狙っている…グオォォォォォォ!
怪物がうめき声を上げたその直後エクスとパルテの身体は長い角に貫かれていた…
「そ、そんな…見えなかった…」「は、速すぎる…」二人の身体は光の粒子になり、風に乗って拡がりやがて見えなくなってしまった…
イミテは岩陰から顔を見せて「あら…殺しちゃったんだね…まあ…いいか…コイツの召喚に奴等の魔力を利用したかっただけだからね…」
「じゃあ…行ってくるよ…」「行ってらっしゃい…早く帰ってきてね…ダーリン…」
僕とティナが出勤前の口づけを交わすために顔を近づけた時だった…突然、頭の中にテレパシーでお義父さんの声が響く…
「婿殿、ティナ…大変じゃ…ヴァルケーノ火山の中腹から爆発が…マグマが吹き出していて誰も近寄れんのじゃ…ミラールやソーディアにも連絡した…お前達も様子を見に行ってもらえないか…」「分かりました!…国民の方々を安全な場所に避難させてあげて下さい…」
僕は会社に家内の実家が大変だという理由で休みを取った…決して嘘はついておらずズル休みではない…むしろ本当の事を話した方が上司に冷たい目で見られる事は間違いない…「行こう…ティナ…」「ええ…」
ヴァルケーノ火山に向かった僕達を待っていたのは跡形も無くなったヴァルの居城…むき出しになった山肌から流れ出したマグマ…
何より僕が驚いたのはソーディア王とお義母さん…ミスとリル以外のみんなが空を見上げて絶句していた…宙に浮かんだ巨大な怪物は翼を広げて鋭い角を光らせながら禍々しいオーラに包まれていた…
怪物の背中からイミテが顔を出した…
「おやおや…みんなお揃いで…僕は新しい世界の王、イミテだよ!今の内に家来になった方がオススメなんだけどなぁ…どうする?」




