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20-身体強化 前編

「全く、魔術具がないだなんて」

「ほんと、思い浮かばなかった。いやぁ、僕の先生は(から)属性でほんとよかった」


 アルに土の魔術具はないと言われわたしの魔術の基礎の修行は強制終了してしまった。


「じゃあわたしはもう魔術は使えないの?」

「それは大丈夫。必ず使えるようにするから。手持ちにないだけでなんとでもなる」

「盗みに入るの?」


 魔術具を持っているのは貴族だ。このままだと貴族の家に盗みに入るしか方法はないのだろうか。


「それは考えおくから楽しみに待っておいて。とりあえず、今はできることをやろう。とりあえず、基礎は一端終えたということにして、これからは応用の時間に入る」

「応用……」

「この応用。こと戦闘に置いては超重要技術。できるやつほど強い」

「それは魔術具がなくても使えるってこと?」

「もちろん。ではその中で最も大切な技術。身体強化を教える」

「身体強化……」

「身体強化は身体(からだ)に魔力を纏う技術。身体能力向上、殴ったり、防御したりも強化される超超重要技術」

「じゃあ、アルも普段から」

「これまでずっとやってたよ。身体強化しないと素手で人ワンパンとかできないし」


 アルは殴り1発で騎士を気絶させたり、魔獣の顔をへし折っていた。確かにそんなこと人間の体ではすごく筋肉がないと出来ないだろう。アルの細腕では無理だ。


「では、やり方を説明するね。身体強化は魔力流動の応用技術。体全体に魔力を流して留める。やってみて」

「はい」


 ナナは魔力貯蔵庫から魔力を流す。右腕に行き。


「違う。今回は体全体。右だけでなく、全部に一気に」

「・・・・・・うん」


 魔力貯蔵庫から流す量を増やして体全部へ。


「魔力を流す量を全体で均一にして、偏りがないように。右腕に少しよってる」


 右腕に流す量を少しすくなくする。


「今度は右腕が少ない」


 ・・・・・・なにこれ、難しい。


 すべてを一緒にするなんて簡単なように見えてすごく難しい。


「そう、それ。その状態をずっと維持し続けて」


 調整していってやっとできた。応用と言われ大変そうだと思っけど、魔力流動のようにすごく日数のかかる代物じゃないのは救いだった。

 感覚が研ぎ澄まされている。体も軽くなった気がするし、今ならなんでもできそうと思える感覚だ。


「じゃあ、その状態で聞いて」


 いつもよりアルの声が大きい気がするが気のせいだろうか。これも身体強化で耳が強化されてよりよく聞こえるのかもしれない。


「この身体強化なんと副作用があってね」

「副作用?」

「属性ごとに違った効果が表れるの。では、まずナナの土属性。土属性は身体強化をすることで他の属性の人より硬くなる」

「硬く」


 ナナは自分の体が硬くなっているのだろうかと思う。自分自身で触ってみる。


 ・・・・・・確かに、少し硬いような。ほんとに少し。


 ぎりぎり感じれるか感じれないかの違い程度だ。この副作用そんな期待できる効果なのだろうか。


「それ何かメリットあるの?」

「ナナは硬いものでたたかれたときと、柔らかいものでたたかれたどっちが痛い」

「そりゃあ、硬いもの」

「でしょ、土属性の魔術師はその上がった硬度からの攻防強化。攻撃力と防御力の両方を有する属性なの」

「ちなみに、そんな硬くなっている気しないけど効果はどれくらいなの?」

「あくまで副作用だからね。効果は微小。ちょっと有利になるくらい。けど、身体強化に魔力を回すほど副作用の効果も大きくなるよ」


 ナナはさらに魔力貯蔵庫から魔力を引き出し、二の腕を触ってみる。


 ・・・・・・少し硬くなっている。


「では、次水属性。水属性は回復力。水属性の身体強化は体の傷の修復力向上、疲労回復といった効果がある」

「戦闘よりも戦闘後に活きそうな効果ね」

「戦闘中もやっかいだよ。止血は早いし、傷の治り早い人はほんとすぐだからね。罫線(けいせん)能力が圧倒的に高い」


 やはり、一番人気。戦闘中も戦闘外でも有効な効果がある。


「続いて、風。風は速さの向上。認識能力、反射神経が他よりいいね」

「最も戦闘に優れた属性にしては土や水の方が強いんじゃ」

「いや、十分強いよ。手数を増やしたり、避けやすかったりするんだから。土は攻撃を受けてもへっちゃらな防御力。水は攻撃を受けても立ち上がる再生力。だったら風は攻撃をそもそも受けない回避力だね」

「でも、この効果ちょっとなんだよね? そんな影響あるの?」

「力量が圧倒的に差があったら影響はほぼないだろうね。けど力量が拮抗していたら少しの差で決定的な差が生まれることはあるよ。まっ、この辺は実戦を経験してみないとわからないかもだけど」


 アルが魔石を赤く光らせる。


「そして次は、僕の火属性。火はね、環境適応力」

「環境適応力?」

「たとえば、夏。暑いじゃん」

「そうだね」


 帝国は大陸中央部にある。その中央には火の神が通ると言われている赤道がある。赤道に近くなるほど暑い。ナナは南側の領地出身とはいえ、それでもその付近。夏は本当に暑い。


「火属性、それ感じないんだよね」

「ずるっ」

「みんなが汗かいているなか1人汗かいてないなんてざらにあるからね。寒い地方でも寒くないし」

「でも、それは戦闘では」

「うん。あまり目立たない効果だ。やっぱり人気な属性は人気なだけあって戦闘でバリバリ発揮する効果なんだよね」

「じゃあ、空は?」


 空属性はナナが最も適正ありと言われた属性だ。今後取る可能性が高い属性に興味があった。


「空属性は身体強化の副作用がない」

「え?」


魔術具がなくても、基礎が延期になっても、習うことはまだまだあります。

ここ1週間説明しかないよ……。

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