第322話。アルフォンシーナの胆力。
本日2話目の投稿です。
【闘技場】。
レジョーネ、対、【天使】選抜による団体対抗戦は、第1試合をオラクルの勝利で終えています。
「さて、イルデブランド長官。今の試合の解説をお願いしたいのですが……」
実況アナウンサーは促しました。
「サリエル選手が初手で放ったの幻惑と撹乱は全く効果がなかった、と思いますね。オラクル様には、【マッピング】という、敵の位置を完全に認識出来る能力があります。これは、事前の情報によれば、【天使】の側も持っている能力のはずなのですが、彼らは、その運用法を正しく理解していないのではないのでしょうか?」
イルデブランドさんは解説します。
「しかし、オラクル様は、サリエル選手の踏み込みに反応しませんでした。撹乱策は効いていたのでは?」
実況アナウンサーは訊ねました。
「いいえ。オラクル様は、おそらく余裕を見せたのでしょう。オラクル様は、サリエル選手の作戦に乗り、あえてサリエル選手に最高の手札を切らせた上で、それを封殺して勝つ自信があったから、動かなかった。つまり、初めから全く勝負にならなかったんですよ」
イルデブランドさんが説明します。
「サリエル選手の手札とは?私には、サリエル選手が何をしたのか、良くわからなかったのですが?」
実況アナウンサーは訊ねました。
「魔力反応から推定するに……おそらく近接の【超位魔法】。どういった種類のモノかは、良くわからないですが……サリエル選手の様子から想像すると、絶対の自信がある攻撃だったのでしょう。しかし、それが、オラクル様には全く効かなかったのです」
イルデブランドさんは言います。
「サリエル選手の絶対の自信がある攻撃魔法とは、何でしょうか?想像では、どういったモノが考えられますか?」
実況アナウンサーは訊ねました。
「うーむ。推測は幾らでも出来ますが、これと断定する事は難しいですね」
イルデブランドさんが言います。
「俺から言おう……」
剣聖が口を挟みました。
「あ、剣聖、どうぞ」
実況アナウンサーが促しました。
「【隷属】だ。俺の強化された聴力では、確かに、そう聴こえた」
剣聖は言います。
「えーと……魔法ギルドからの資料によると……【隷属】は、精神支配系の強力な魔法……という事です。禁呪に指定されていますね」
実況アナウンサーは情報を補足しました。
「その【超位】の禁呪をまともに食らって、無効にしてしまうオラクル様は、【超位】を超えた存在だ。とんでもない」
剣聖は言います。
「剣聖よりも強いですか?」
実況アナウンサーが訊ねました。
「ああ、間違いなく強い」
剣聖は言います。
「おーっと、これは衝撃の事実。オラクル様が、それほど強力だとするなら、ヴィクトーリア様、ティファニー様は、オラクル様と同等の強さ、という情報ですから、【天使】側は、もはや相当に分が悪いのではないでしょうか?」
実況アナウンサーは言いました。
「まったくだな」
剣聖は同意します。
「さあ、第2試合が始まります。【天使】側……イオフィエルっ!レジョーネ側……トリニティ様っ!」
実況アナウンサーは、選手を呼び込みました。
再び、ド派手な演出が行われ、トリニティとイオフィエルが入場します。
2人に握手をさせて……。
「始めっ!」
私は、試合開始を宣言しました。
イオフィエルのステータスは……。
名前…イオフィエル
種族…【天使】
性別…男性
年齢…185歳
職種…【魔法弓師】
魔法…【闘気】、【収納】、【鑑定】、【マッピング】など多数。
特性…飛行、【超位回復】、【自己再生能力】、【才能…攻撃力A、強弓】など。
レベル…99
なるほど。
そして、イオフィエルの得物は、豪弓【ヘラクレスの弓】です。
イオフィエルは、【ヘラクレスの弓】を限界まで引き絞って、射撃しました。
ドッゴーーンッ!
直撃!
いや、トリニティの差し出した手で矢が防がれています。
トリニティは、手の平に【超位闇魔法】の【重力崩壊】を収束させて、イオフィエル必殺の巨矢を消滅させてしまいました。
ニヤリと口角を上げるトリニティ……対してイオフィエルは呆然とした表情です。
「【腐敗】」
トリニティは、魔法を詠唱しました。
【超位】の【呪詛魔法】……【腐敗】。
生きながらに生物を腐らせるという、おぞましい魔法です。
「ぎゃあああーーっ!」
イオフィエルは、絶叫を上げて、バッタリ、と倒れました。
イオフィエルだった物体は、肌がただれ、筋肉が崩壊し、内臓を地面にばら撒き、骨すらも崩壊して……最後はドロドロの液体になって溶けてしまいます。
「勝者、トリニティっ!」
私は、トリニティを指差して宣言しました。
シーン……。
観客は、あまりの残酷な光景に静まり返っています。
吐気をもよおした観客もいました。
阿鼻叫喚です。
トリニティは、その戦慄に包まれた会場を、実に満足そうに見回してから、喜悦の笑みを浮かべて悠然と引き上げて行きました。
第2試合は、トリニティの勝利。
「あ、あのう、今の試合ですが……」
実況アナウンサーは言います。
「見たままです。イオフィエル選手の全身全霊を込めた必殺の一射を、【超位魔法】で、いとも簡単に受け止めて、反撃で【超位魔法】をお見舞いした。トリニティ様の圧倒的な完全勝利ですね」
イルデブランドさんが解説しました。
「剣聖からは、何かありますか?」
実況アナウンサーは促します。
「【天使】という種族は【自己再生能力】という、凄まじい【自然治癒能力】がある。しかし、【呪詛魔法】は、それを無効化しちまう、とんでもない古の魔法だ。【神の遺物】の武器に【呪詛魔法】の効果を持つ魔剣や魔槍の類はあるが……詠唱魔法で【呪詛魔法】が使われたのを、俺は初めて見た」
剣聖は言いました。
「なるほど。300年あまり生きる剣聖も見た事がない魔法なのですね?」
実況アナウンサーは訊ねます。
「ああ、そうだ。それに、イオフィエル選手を一瞬で溶かしちまった、あの【腐敗】の位階は、【超・超位魔法】だった。トリニティ様は……もはや人種が戦うようなレベルの方ではない。【神格】に片足を踏み込んでいる。人種が挑んで勝てる訳がない」
剣聖は、言いました。
「……なるほど。凄まじい光景を目撃してしまいました。さて、続いて第3試合です。【天使】側……アズラエルっ!レジョーネ側……ヴィクトーリア様っ!」
実況アナウンサーから呼び込みが発せられます。
入場の演出があり、握手をして……。
「始めっ!」
私は試合開始を宣言しました。
アズラエルのステータスは……。
名前…アズラエル
種族…【天使】
性別…男性
年齢…183歳
職種…【魔法銃師】
魔法…【闘気】、【収納】、【鑑定】、【マッピング】など多数。
特性…飛行、【超位回復】、【自己再生能力】、【才能…照準、早撃ち】など。
レベル…99
武器は、【魔法短銃】と【魔法銃】です。
ほほう、2丁拳銃使いですか。
ダムッ!ダムダムッ!ダムッ!
バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!
アズラエルが魔弾を連射します。
キンッ、キンキンッ、キンッ!
ガチッ!ガチッ!ガチッ!ガチッ!
ヴィクトーリアは、分身盾【アンキレー】で、その、ことごとくを防ぎました。
ダムッ!ダムダムッ!ダムッ!
バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!
キンッ、キンキンッ、キンッ!
ガチッ!ガチッ!ガチッ!ガチッ!
アズラエルが撃ち、ヴィクトーリアが防ぐという構図。
ヴィクトーリアが持つ【アンキレー】は、自動迎撃能力がありました。
なので、ある程度の攻撃なら自動で迎撃してしまえます。
そうして守備を【アンキレー】に丸っと任せて、ヴィクトーリアが強力な魔法を詠唱して、攻撃……という分業が可能なのですが、今回はそれが出来ません。
何故なら、強大な魔力を込めた攻撃には、ヴィクトーリア自身が【アンキレー】を操作して防がなければならないからです。
ヴィクトーリアは、弾丸の処理に追われ、攻撃魔法を詠唱する事が出来ません。
膠着状態が続いて……いや、違います。
ヴィクトーリアは、アズラエルが撃ち込んでくる弾丸を【アンキレー】の角度を調整して、意図して跳ね返し始めました。
アズラエルが撃った魔弾は、跳弾となり、アズラエル自身に跳ね返って来ているのです。
ダムッ!ダムダムッ!ダムッ!
バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!バキューンッ!
キンッ、キンキンッ、キンッ!
ガチッ!ガチッ!ガチッ!ガチッ!
「くっ……くそっ!」
アズラエルは、射撃をしながら、跳弾を避けるという行動を取らなくてはならなくなり、狙いが甘くなって来ていました。
ヴィクトーリアは、満を持して、1歩、2歩……とアズラエルの方に歩み始めます。
「チックショウ……」
アズラエルは、射撃を止めました。
ヴィクトーリアは、ユックリと近付いて行きます。
アズラエルは、【魔法短銃】と【魔法銃】に魔力を込め始めました。
ため撃ちですね。
強力な一撃で【アンキレー】を貫通しようという考えなのでしょう。
ズガーーンッ!
ドキューーンッ!
アズラエルは、渾身の2発を射撃しました。
ガキーーンッ!
ギーーンッ!
ヴィクトーリアは、【アンキレー】の角度を変えて、弾丸を受け止めるのではなく、逸らしてしまいます。
戦車などの傾斜装甲の考え方ですね。
アズラエルの、ため撃ちを受けた【アンキレー】の内2枚は、激しく損傷しましたが、ヴィクトーリアにダメージはなし。
刹那!
ヴィクトーリアの【電子砲】が、アズラエルの身体を貫きました。
「勝者、ヴィクトーリアっ!」
私は、ヴィクトーリアを指差して宣言します。
「「「「「うぉーーっ!」」」」」
観客のどよめきが起きました。
「きゃ〜。ヴィクトーリア様ぁっ!素っ敵ぃっ!」
観客の婦女子の方達からは、黄色い歓声が起こります。
どうやら、【自動人形】の端整な顔立ちと冷静な物腰は、女性からの人気が高いようですね。
宝〇歌劇団的なモノなのかもしれません。
ヴィクトーリアが【アンキレー】に食い込んだ魔弾の欠片を丁寧に取り去ると、【アンキレー】は【自動修復】が働いて、元通りに直ります。
「凄い銃撃でしたが、それを受け切っての勝利。ヴィクトーリア様の盾の性能の高さが際立ちましたね?」
実況アナウンサーが言いました。
「いや、あれは、ヴィクトーリア様の制御技術による。どんなに素晴らしい装備でも、使いこなせなければ無意味ですよ」
イルデブランドさんは言います。
「その通りだ。撃たれた直後に弾丸の軌道を捕捉して射線上に盾を移動させるだけでも常人には真似出来ない。ましてや、アズラエル選手に向かって狙って跳ね返すだなんて芸当を可能とする高速演算処理を出来るのは、ヴィクトーリア様の能力だ。盾の性能云々じゃない」
剣聖も言いました。
「なるほど……。さあ、第4試合に移りましょう。【天使】側……ハニエルっ!レジョーネ側……アルフォンシーナ様っ!」
「「「「「おおぉーーっ!」」」」」
観客席から、今日一番の歓声が上がります。
「大神官様ぁーーっ!」
「アルフォンシーナ様ぁーーっ!」
凄い人気ですね。
アルフォンシーナさんは、観客席に、鉄壁の微笑みで手を振って応えます。
「人種相手なら、【天使】は、遅れを取ったりはしません。ここは、勝ちをもらいます」
ハニエルは言いました。
「あらあら、うふふ。あまり、大きな事を言うと、後で恥をかきますわよ」
アルフォンシーナさんは、微笑みます。
私は、握手をさせました。
「始めっ!」
私は試合開始を宣言します。
ハニエルのステータスは……。
名前…ハニエル
種族…【天使】
性別…女性
年齢…180歳
職種…【魔導師】
魔法…【闘気】、【収納】、【鑑定】、【マッピング】など多数。
特性…飛行、【超位回復】、【自己再生能力】、【才能…統率、風格】など。
レベル…99
ハニエルの武装は魔法杖【ウアス】です。
対するアルフォンシーナさんは右手に魔法触媒【キルケーの杖】を持っていました。
しかし、【キルケーの杖】は、武器ではありません。
先端が尖っている【神の遺物】なので、突き刺せば、それなりには痛いとは思いますが……。
本来、【キルケーの杖】は、医療行為を旨としたアイテムなのです。
脈を取ったり、血圧や脳波を測ったり、呼吸音を聴いたり、麻酔をかけたり……後は、多少、患者の生体機能を正常化したりする効果も持ちました。
つまり、性能は桁違いに高いのですが、お医者さんが持つ聴診器みたいなモノ。
【ウアス】は魔法杖ですので……つまり、機関銃に対して聴診器を振り回して戦おうとしているようなモノ。
あれで、何か役に立つのでしょうか?
そもそも、アルフォンシーナさんは、純粋【回復・治癒職】なのです。
チュートリアルを経て、アルフォンシーナさんは攻撃魔法も、わずかばかり使えるようになりましたが、覚醒度合いや熟練値の面で未熟なので、生粋の魔法戦闘職である【熾天使】と撃ち合えるようなレベルではありません。
ソフィアは……アルフォンシーナは、近接戦に限れば人種最強クラスじゃ……と評していましたが、対戦相手のハニエルは、【魔導師】。
射程距離が違いますからね。
近接最強クラスでも、近接出来なければ、何も出来ません。
もしかしたら、遠隔からの飽和攻撃で何もさせてもらえずに完封される、という可能性だってあり得ます。
さて、どうなります事やら。
ハニエルが、口火を切って仕掛けました。
【高位火魔法】の【轟火】を連発して、アルフォンシーナさんを牽制します。
ハニエルは、弾幕を誰もいない空中に向かって撃ちまくっていました。
下手クソ?
いえ、【ドラゴニュート】であるアルフォンシーナさんの頭を抑えて、飛ばせない作戦です。
ハニエルの方は、【飛行】で上を取りました。
これは、アルフォンシーナさんには不利。
ただでさえ、遠隔攻撃手段がないアルフォンシーナさんは、地上に釘付けにされ、機動力も奪われてしまいました。
ハニエルは、3発に1発の割合で、地上のアルフォンシーナさんにも、【轟火】を撃ち込んで来ます。
アルフォンシーナさんは、紙一重で躱していますが……。
やはり、遠隔では、アルフォンシーナさんには分が悪いですね。
そして、【轟火】は、ハニエルの本気の攻撃ではありません。
あくまでも、アルフォンシーナさんの隙を誘って、必殺の【超位魔法】を確実に当てる為の布石。
アルフォンシーナさんは、地面を転がりながら、ハニエルの攻撃を回避していますが、ジリ貧なのは明らかでした。
これは、レジョーネに、初黒星が付くかもしれません。
パスが繋がるフロネシスを通じて、ソフィアの様子を伺うと、丸ごと卵パン(秋限定パンプキン・パイ・バージョン)を食べながら余裕しゃくしゃく。
アルフォンシーナさんには、何か、この劣勢を跳ね返す、起死回生の反撃策があるのでしょうか?
その時、アルフォンシーナさんが【轟火】の余波を受けて、バランスを崩しました。
「もらったっ!【業火】」
ハニエルは、【超位火魔法】の【業火】を放ちます。
あー、これはヤバイ。
アルフォンシーナさんは、ムックリと起き上がり、ニコリと微笑みました。
そして、左腕を、【業火】の射線上に構えます。
ズドンッ!
ふぁ?
アルフォンシーナさんの肘から先の左腕が、高速で撃ち出されました。
ロケ〇ト・パンチ?
アルフォンシーナさんの左腕は、【業火】を貫き割って、射線上に飛んでいたハニエルに飛んで行きます。
渾身の【超位魔法】を放った直後のハニエルは、魔力解放が起きていて、ほんのわずかな隙がありました。
ズドガーーンッ!
空中にいたハニエルにアルフォンシーナさんの左腕が直撃して、大爆発を起こします。
ハニエルは錐揉みしながら墜落しました。
「ぐふっ……。油断したか、しかし、まだだ……【業火】」
ハニエルは、立ち上がり、再び【業火】を詠唱します。
しかし、アルフォンシーナさんのロケ〇ト・パンチのダメージから、ハニエルの魔力収束が甘く十分な威力がありません。
アルフォンシーナさんは、【キルケーの杖】を口に咥えて、【オリハルコンの盾】を【収納】から取り出しました。
アルフォンシーナさんは、【オリハルコンの盾】を、かざしながら気迫の踏み込みで近接します。
【オリハルコンの盾】は【業火】に曝されて消滅してしまいます。
【オリハルコンの盾】を使い捨てですか?
なかなか潔い判断ですね。
しかし、アルフォンシーナさんも【業火】の余波で相当なダメージを受けました。
しかし……。
グッサリ。
「はい。捕まえましたわよ」
アルフォンシーナさんは、ハニエルの胸に【キルケーの杖】を突き刺していました。
「ふん。そんな刺突武器など、効くか。【天使】の【自己再生能力】を舐めるなよ……」
ハニエルは、胸に突き刺さった【キルケーの杖】を掴みます。
刹那。
ボンッ!
ハニエルの頭部は体内からの爆発によって、吹き飛んでしまいました。
「勝者、アルフォンシーナっ!」
私は、アルフォンシーナさんを指差して宣言します。
一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。
アルフォンシーナさんが魔力を流して、ハニエルの生体機能に変質を起こさせたのはわかります。
おそらく、頭蓋内圧力を急激に高めて、頭を破裂させたのでしょう。
恐るべき【医療魔法】の応用。
この世界では、【回復】や【治癒】など医療行為に類する魔法には、ダメージ判定が付きません。
つまり、【防御】や【魔法障壁】では、防げないのです。
つまり、アルフォンシーナさんが繰り出した最後の技を防ぐには、体内機能を強化するしか対抗措置はありませんが……。
体内機能を強化するのは難易度が高い魔法なのです。
そもそも、多少、体内機能を強化したところで、爆発的に高まった体内圧力に耐え得る効果を持たせられるか、という問題は、また別の話。
おそらく、【神格者】クラスでなければ、アルフォンシーナさんの技に耐え得るのは不可能なのでは、ないでしょうか。
しかし、【医療魔法】は、対象に接触するか、極近距離に近接しなければ発動しません。
つまり、遠隔では使えない訳です。
アルフォンシーナさんは、その隙を誘っていたのでしょう。
そして、その隙は訪れました。
ハニエルが極大まで魔力を収束した必殺の【超位魔法】である【業火】に対して、カウンターで合わせたロケ〇ト・パンチ。
その千載一遇のチャンスに賭けて、アルフォンシーナさんはダメージを厭わずに踏み込みました。
ハニエルから放たれた【超位魔法】に向かって躊躇なく踏み込んで行ける、恐るべき豪胆さ。
アルフォンシーナさんの方が、ハニエルより数段、格が上でしたね。
「「「「「うぉおおーーっ!」」」」」
観客席から、地鳴りのような歓声が上がりました。
アルフォンシーナさんは、駆け寄ったエズメラルダさんから、【治癒】をかけてもらいながら、観客席に微笑みながら手を振ります。
いやぁ、良い戦いを見せてもらいました。
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