表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

ラベル

自分がからっぽの瓶だということに気がついてしまえば、なんてことのない問題だった。

何もかも、なんてことのない問題だった。




人はラベルし、ラベルされながら生きている。

人はみんな試薬瓶だ。中に何が入っているかわからない、茶色の試薬瓶。




人は、ラベルされることを嫌う。

周囲に「お前はこういうやつなんだ!」と決め付けられ、ラベルされることを嫌う。

そして、一度貼り付けられたラベルは、のりでしっかりとくっつけられて、なかなかはがれおちないし、もしはがすことができても、はがし終わった後には、べたべたののりの層が残っていて、おんなじラベルが再び貼り付けられる。


同じように、人はラベルされることを求める。

周囲に「私はこういうやつなんだ!!」と必死にアピールして、自分の望むラベルを張ってもらおうとする。

しかし、このラベルののりづけは甘くて、ちょっと水にぬらしただけで、簡単にはがれおちてしまう。

はがれおちたラベルを、再び貼り直してもらうために、人はまた、ラベルしてもらうことを望む。




同じように、人はラベルし間違える。


人は、美しい見た目に惑わされて、劇物に「妙薬」のラベルを張り付ける。

そのラベルを勘違いして飲みこんだ人は、予想だにしない中身を飲み干し、何が起こったかわからぬうちに死ぬ。


人は、汚い見た目に惑わされて、妙薬に「劇物」のラベルを張り付ける。

そのラベルを見て勘違いした人は、病によくきく妙薬を流して捨て、その価値を知ることもない。




それならば…中身のない私に、ラベルを付ける人間は、大阿呆だろう。

私につけられる正しいラベルなど、


「からっぽ」


以外、ありえぬのだから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ