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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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42/43

【42】救出イベントは、雷鳴と共に。〜騎士は今日も先に来る〜

そんな4月の終わり頃、

颯真が格闘技の大会に出ることになった。


陸と吾郎は

「優勝しなかったら何か奢れ!」

と颯真に言って、

颯真に

「なに勝手なこと言ってんだ!」

と言い返されていた。


アンジュも颯真に激励の言葉を送る。


「颯真よ、全力を尽くせ!」と。


颯真は嬉しそうに

「おう!」

と答えた。




そして颯真の大会の前日、

アンジュのスマホに知らない相手からメールが届いた。


何事か?とアンジュがメールを開くとそこには――


『実は橘くんは怪我をしていて、

それを隠して大会に出場しようとしています。


橘くんの身体が危険なので、

今回の大会に出場しないように、

橘くんを一緒に説得してくれませんか?


僕は橘くんの怪我の状態を良く知っています。


橘くんもそのことを、

アンジュさんに指摘されたら、

きっと説得に応じてくれると思います。


怪我の内容をアンジュさんに伝えますから、

明日の放課後、午後3時に第二体育倉庫に来て下さい。

待ってます。』


アンジュは青い瞳を見開いてスマホを見つめた。


(颯真が怪我をしてるとは……!

もし、そのまま大会に出て、怪我が酷くなったら?

颯真の格闘家としての未来が潰れてしまうではないか!)


アンジュは

『必ず行くぞ!』

と返信した。




翌日、

アンジュはピアノのレッスンがあったが、

教室に日にちを振り替えてもらった。


昼休みに、

陸と吾郎がニヤニヤ笑って、

「橘~!今日応援に行ってやるから」

と言ったりしている。


颯真は

「来んな!」

と一言言って、アンジュを見た。


「アンジュちゃんは、

今日はピアノのレッスンがあるんだよな?」


「お……おう!」


大天使として嘘をついたことが無いアンジュは、

心の中で懺悔を唱えながら返事をする。


(神よ……!

私の嘘をお許し下さい!

颯真という若者の未来を守るためです!)


「そっか……何時から?」


「しちっ……7時である!」


「結構遅いんだな」


「そそそその先生人気があって、

こここ今月予約するのに、でっでっでっ出遅れたからな!」


(嘘を付くのは辛いものだな!

普通に喋れん!)


そうアンジュが思っていると――


「ふうん」

と、颯真は何か言いたげな顔をしている。


アンジュは、

やはり怪我のことだと確信した。


颯真の大会が始まるのは夜の8時。


社会人も出場するから遅いんだと言っていた。


アンジュは決意する。


(その前に怪我の話を聞けば、説得する時間は十分ある!

神よ!

私に、この若者を助ける力をお授け下さい!)

と。




アンジュは放課後になると、

時間通りに第二体育倉庫に向かった。


第二体育倉庫は体育館からも離れていて、

グラウンドの外れにあり、

主に外で使う体育の備品が置かれてある。


アンジュは、

こんなに人気の無い場所で話すのだから、

颯真は必死で他人に怪我を隠しているのだと納得した。


第二体育倉庫の扉を開けると、

中に一人の生徒がいた。


身長は180センチを軽く越えていて体格が良い。


何かスポーツをやってる人間だなと、

アンジュは直感した。


(その関係で颯真の怪我を知ったのであろうか?)


アンジュがそう考えていると――


「アンジュさん、よく来てくれたね」


その生徒は人の良さそうな顔でホッとしたように言った。


アンジュに迷いは無い。


「うむ!メールに礼を言うぞ!

それで颯真の怪我というのは何だ!?」


「橘くんの怪我はね……」


その生徒は、

アンジュの横をすり抜けると、扉に向かった。


そうして、ガチャリと鍵を掛ける音が、

静かな倉庫に響いた。




その生徒は扉を背に振り返ると、

ニタッと笑った。


「俺のこと、憶えてない?」


アンジュは反射的に胸のバッチを見た。


同じ3年生だ。


だが、見覚えが無い。


「知らぬ!」


そうアンジュが返事をすると、

その生徒はまたニタッと笑って言った。


「ショックだな~。

バレンタインデーにチョコレート渡したじゃん」


アンジュはその時、閃いた。


(暗がりでハッキリとは見えなかったが、

裏門を出た時の五人の内の一人か?)


『こいつね、1年の時から本気でアンジュちゃんが好きなの。

付き合ってやってくんないかなあ』


あの時言われた言葉が、

アンジュの頭の中に蘇る。


アンジュの確信に満ちた顔を見て、

その生徒が喋り出す。


「思い出してくれた?

あの時は本当に悔しかったよ。

あの『白鳥学園の騎士』ルシアンのせいで……。


それからもずっとチャンスを狙ってたけど、

アンジュちゃん中々一人にならないし、

今度はあの橘と同じクラスになっちゃって、

しかも仲良くなっちゃうんだもん」


その生徒がジリジリとアンジュに近付いてくる。


アンジュは一歩も退くこと無く立っている。


その生徒はニタニタと笑いながら言う。


「だからこの日を待ったよ。

ルシアンにも橘にも邪魔されない日を……。

ねえ、俺と付き合ってよ」


アンジュが高らかに告げる。


「私は颯真の怪我の話をしに来たのだ!

若者の未来が掛かっている!

さあ!

颯真の怪我の話をしろ!」


その生徒が舌打ちする。


「頑固だな~。

でもそんなアンジュちゃんも好きだよ」


そして、その生徒がアンジュに手を伸ばした瞬間――

ルシアンがアンジュの前に立ち塞がった。


まるで体育倉庫の空気が……

いや、体育倉庫自体がビリビリと震え出す。


「……ヒィッ……!」

と声にならない叫び声を上げる、その生徒。


ルシアンのヘイゼルグリーンの瞳が、ギラリと光る。


それは最強大天使の戦士の眼。


「何という無礼なことを……!!

あまつさえアンジュさまの質問にも答えず、

腕を掴もうとするとは……!!

それは……大罪である……!!」


その刹那――

雷が体育倉庫の扉を直撃した。


砕け散った扉から、

その生徒に向かってビシッビシッと音を立て、

一直線に床に亀裂が走る。


その生徒が腰を抜かしていると、

ルシアンの瞳が金色に燃え上がった。


「しかも、お前の顔、身長、体重、全ての数値を私は記憶している……!

お前がアンジュさまに無礼を働くのは、これで二度目。

懺悔を聞く必要も無し!

お前を打つ!

最後に申し開くことはあるか!?」


その圧倒的な存在は、天と地を揺るがす。


既に空は暗転し、

黒い雲の中で無数の雷が光り、

雷鳴と共に白鳥学園を覆っている。


そして――

その生徒は失神した。




ルシアンはその生徒を一瞥すると、

ふわりと真っ白なシルクの布を取り出し、

あっという間にアンジュを抱き上げた。


アンジュがルシアンの腕の中でキョトンとして言う。


「ルシアンよ……何をしておる?」


ルシアンはスタスタと歩きながら答える。


「アンジュさまは、あの者の邪悪な毒気に晒されました。

この布は天界の"聖なる浄化の布"でございます。

これに包まり、身を清められるのが一番かと」


「うむ!では、颯真の怪我は?」


「橘くんは怪我などしておりません。

私が恩寵で確認いたしました」


「そうか……」


アンジュは午後のお昼寝がまだだったので、

ルシアンの一定に歩くリズムで眠くなって、

そのままルシアンの腕の中で眠ってしまった。


グラウンドを横切るルシアンとアンジュの姿は、

嫌でも目を引いた。


まずサッカー部の部員が気づき、

野球部、テニス部など

グラウンドを使って部活動をしていた生徒達がわらわらと集まって来た。


「ルシアンくん……どうしたんだよ!?」


「あ!アンジュちゃんだ!」


「何?怪我でもしてるの!?」


ルシアンは周りを見回すと、

一言

「黙れ!」

と低く言った。


その余りの迫力に、

ルシアンとアンジュを取り囲んでいた生徒達が

シンと静まり返る。


「アンジュさまが起きてしまう!

アンジュさまの清めの時間を邪魔する者は、私が相手になろう」


ルシアンの前を塞いでいた生徒が、

一人、また一人と道を開ける。


ルシアンはそのままグラウンドを突っ切り、

最短距離で理事長室へと向かった。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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