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「ルシアンよ!」と呼んだら乙女ゲームが崩壊しました。〜メリバ転生した大天使は最強騎士で全ルート救済する〜  作者: 久茉莉himari


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【40】攻略ヒーローがー生片想いでも、恋のルートは進む。〜気高き勘違い、成立〜

その日――

クラスメイト達はアンジュを腫れ物扱いしていた。


アンジュに話し掛ける生徒も殆どいなかった。


だが、アンジュは全く気にしていなかった。


それに、ルチアーノと翔太と遥斗たちは普通に接していた。


昼休みになると、翔太がアンジュに無邪気に訊いた。


「アンジュちゃん、何であんなことしたの~?」


ルチアーノはもちろん、

遥斗も別段気にしている様子も無い。


アンジュが静かに答える。


「私の勘違いであった……!

あんなチョコレートは必要無かったのだ!」


翔太が首を捻る。


「あんなチョコレートって……誰かからの貰い物?

不気味だったとか?

でも、それならこっそり捨てれば良かったじゃん?

何もみんなの前で……」


すると、翔太の前にふわりとシルクの深紅のハンカチが舞った。


そう、ルチアーノだ。


「俺様の友達……中野よ!

それが、アンジュちゃんの素晴らしいところなのだ……!

こんなにも美しいのに、中身も気高いのだ……!尊い☆」


ルチアーノの芝居掛かった言葉に、

翔太が笑顔で頷く。


「そうだね!

アンジュちゃんって、ただの美少女じゃないもんね!」


ルチアーノがパチンと指を鳴らし、

翔太の目の前を掠めてマジックのように深紅のシルクのハンカチを胸ポケットに仕舞う。


「分かってるな……!

流石、俺様の友達、中野☆」


アンジュが高らかに宣告する。


「いかにも!

的外れのチョコレートなど、意味は無いのだ!」




アンジュは放課後、

帰り支度を済ますと、一人屋上にいた。


『ラッキーマン』のメッセージが書かれていたカードを何度も読み返す。


そして、神に祈りを捧げていた。


「この無垢なる魂が信仰の道を外れませんように」と。


だが、余りにも寒いので、

アンジュの手には『ラッキーマン』からプレゼントされた手袋、

首にはマフラーを付けていた。


「……寒い……っ!

しかし、これこそ聖なる努め……!」


アンジュがマフラーに顔の半分まで埋める。


祈りを唱えながら北風に吹かれていると、

スマホがメッセージの着信を知らせた。


画面を見ると、

ルチアーノからで

『今、どこですか?お姫様☆』

と一言。


『屋上である!』

とアンジュも一言返す。


すると、またもルチアーノのメッセージが表示された。


『屋上!?

風邪を引いちゃうよ〜!

美術部の準備室にお早く!

あんまん買っておきますぞ!』


アンジュはウサギのOKマークのスタンプを押すと、

("あんまん"とは何だろう?)

と思いながら、準備室に向かった。




準備室に入って来たアンジュの顔を見るなり、

ルチアーノが大慌てし出す。


「アンジュちゃんの美しいお顔が……!!

北風のせいで、泣いた赤鬼のように赤くなっている……!!」


「泣いた赤鬼とは?」

とキョトンとしているアンジュに、

ルチアーノが

「目を閉じて!」

と口早に言い――


吹きかけられる最高級美容液のミスト。


そして、ルチアーノはアンジュの顔に

一枚15万円のシートマスクを張り、

スチームをアンジュに向ける。


そして5分後――


ルチアーノは

某ブランド誕生50周年を記念した

世界に999個しかない55万円のクリームを、

アンジュの顔にそっと塗り込んでやった。


アンジュがにこりと微笑む。


「ルチアーノよ!

礼を言うぞ!

とても気持ちが良いな!」


ルチアーノが髪の毛を

ふわっふわっふわっと三回かき上げる。


「とんでもございません……!

お姫様のお世話を出来て、光栄でありますよ☆」


すると、アンジュが青い瞳を輝かせて言った。


「それで"あんまん"とは何だ!?」


ルチアーノがにっこりと笑い、

あんまんに手を伸ばそうとして――

現れる、190センチ学ラン姿のルシアン。


そして、ルシアンは即座に跪き、

アンジュにお椀とお箸が載ったトレイを捧げ持つと言った。


「アンジュさま……!

"あんまん"はアンジュさまのお好みに合いません!

特に"まん"の部分がご無理かと!

ですから、どうかこのお汁粉をお食べ下さい!」


アンジュが頷く。


「うむ!

ルシアンが、"あんまん"が私に無理だと言うのならその通りであろう!

私は、そのお汁粉とやらを食す!」


「はい!」


そして、アンジュは柔らかな声音で言った。


「それと、お前は私が渡したチョコレートは食べたのか?」


その刹那――

ルシアンの顔は火山のマグマ色になり、

ルシアンはルチアーノに瞬時にトレイを持たせると、


「私は……その……

お汁粉は熱いのでお気を付け下さい!

失礼いたします!」


と言って、パッと消えた。


ルチアーノがブツブツ言いながら、

アンジュの前にトレイを置く。


「何なんだよ……!

情緒不安定過ぎるだろ!

せっかく俺様が用意したあんまんが……!」


そうして、

アンジュはお汁粉、

ルチアーノはあんまんを二個食べ出す。


すると、ルチアーノがさり気なく切り出した。


「アンジュちゃん♪

あの今朝捨てたチョコレート、『ラッキーマン』用だったのでは?

受け取って貰えなかったとか!?」


アンジュはコクンと頷くと答えた。


「私のカードに書いてあったのだ……!

『ラッキーマン』の信念が!」


アンジュが高らかに告げる。


「ルチアーノよ……!!

『ラッキーマン』は、信仰の兆しとして、物品など求めてはいない!

何という気高き信念か……!!

『ラッキーマン』ならば、太陽の光にさえ信仰の証を見る!

そう確信した私は、『ラッキーマン』に見せなければならなかった!

私は理解しておるぞ!とな!」


ルチアーノが遠い目をして

「……理解……」

と呟く。


アンジュの宣告は止まらない。


「そうだ!

だから、わざと大きな音を立てて、

『ラッキーマン』に気付かせる為に箱を壊して捨てたが……

チョコレートという"食物"は捨てるには忍びない!


だから、取っておいた!


しかし、このチョコレートは私は食べられない。

供物であるからな!

ルチアーノよ、良ければ食してくれ!」


ずいっと差し出される

ハンカチに包まれたチョコレートに、

ルチアーノの顔が思わずクシャッとなる。


(ロクシー先生の言う通りだ……!!

アンジュちゃん……本当に敬虔なクリスチャン過ぎますよ……!!)


ルチアーノの心の中の叫びに、全く気付かないアンジュは――

お汁粉を再び口にすると、

「甘ーい❤️❤️❤️美味しーい❤️❤️❤️」

と無垢な笑顔を浮かべていた。




遥斗が軽音部の部室でギターを弾き終わると、

部長の佐原がパチパチと手を叩いた。


「一ノ瀬、今日絶好調じゃ~ん!

何か良いことでもあったの?」


ギターをスタンドに立て掛けると、

遥斗が答える。


「ありましたよ」


「何?何?」


佐原先輩が好奇心丸出しの顔で、

遥斗に寄って来る。


遥斗は静かに言った。


「俺の好きな人がね、

俺の気持ち、分かってくれたんです」


「え!?じゃあ両想い!?」


遥斗はまたも静かに答える。


「違います。

一生片想いです」


「何でそれが良いことなの~不毛じゃん!」


「不毛も良いもんですよ」


にっこり笑う遥斗に、

佐原は首を捻った。


そして、理事長室のパソコンの前の前にいるロクシーは――

深く息を吐いていた。


「……良し!

『一生片想い』ボーナススチルは出た!


もう……

『ラッキーマン』ことハルは、

アンジュちゃんに取って

『気高い信念の持ち主のクリスチャン』

で良い……!


ハルが恋してるからね!

ルートは進む!」


ルチアーノがネタ帳にペンを走らせる。


「なるほどです!

して次なる分岐点は!?」


ロクシーの目がギラリと光る。


「次は……

当て馬になれなかった当て馬の……

橘颯真くんとアンジュちゃんの出会いよ!


あの、

ルシアンがアンジュちゃんを庇って

雷まで落としたバレンタインイベントの時に……

颯真くんは……現場にいた!」


「でもっ……!

ルシアンに先を越されたでありますよ!?」


ルチアーノの上ずった声に、

ロクシーが不敵に笑う。


それは盤面を見据えた軍師の笑み。


「そう……。

アンジュちゃんを助けることは出来なかった……。

でもね、"あの時"のルシアンを見た!

ならば……道はある!」


そう言い切るロクシーに、

ルチアーノのネタ帳を持つ手が震えた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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