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私の妹(姉)が可愛すぎる!  作者: カオルコ
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間違いなくボケはアンタ

「くくくく…」

「くくくって…! なに笑ってんの説明しなさいよ!!」


怒気を強めるのも仕方がない。


殺されるとか言っといて説明もしないだなんて最低だなって思わない!? あまつさえ笑ってるだなんて…何かあったら責任とれるわけ!? バカじゃないの!!?


「バカではない」


「バカよ。勉強が出来るだけのただのバカ。一番使えないタイプだって経済アナリストが言ってたわ」


「経済アナリストに何が分かる? 現場を見てからいって欲しいものだな」


「論語読みの論語知らずって言いたいの? じゃあその殺されるって根拠を目撃した現場主義のアナタはさぞ説明に長けてるんでしょうね」


「…………」


なぜ黙る。


「…無理だからだ」


「だから何でよ」


「冗談だからだ」


「バッカじゃないの!!?」


こいつはホントに…!! 

何が冗談よドヤ顔で言ってんじゃないわよ!! ぶっ殺すわよ!!? このポンコツ!!!


「穏やかじゃないな」


「その原因をつくったのは誰だ! お前だ!!」


「一人でボケとツッコミを担当するのは無理がないか?」


「間違いなくボケはアンタよ。…まあもういいわ。で、ホントになんなの?」


「そのことなんだが…」


数分前と同じやり取り。

もういいからそういうの。早く要件いってよね。


「ああ、すまなかった。さっきの続きから言うと無論殺されるのは冗談なんだが…金髪について少し気になる噂を耳にしてな」


「噂? 珍しいわね。アンタがそんなこと気にするだなんて」


頭脳明晰。眉目秀麗。


頭もよくって顔も良い。その上、人当たりが良い涼は学校での評判がすこぶる高い。(もちろん上っ面だけど)


なのでそういった噂には疎いというより関わらないスタンスをとってることが多いんだけど…どうしちゃったの?


「まあ…なんだ…」


「うん」


「…知らない仲じゃないしな」


「…プッ」


「おい。いま笑っただろ」


「ふ~ん。ま、いいんじゃない。そういう事にしといてあげるわ」


なんだなんだそういうことか。


何かうだうだしてると思ったら単純に恥ずかしかったのね。香蓮のこと部員じゃないとか言いつつ夏休みも結構一緒に行動してたもんね。きっと情が湧いたのね。


で、どんな噂を耳にしたの?


「うちのクラスの奴らが浴場を盗撮するらしい」


「噂じゃないわよそれ!?」


思わず叫ぶ。


電話口で『ん、そうか?』とか言ってるけどあんたホントバカ。


それって修学旅行の定番じゃない! 絶対悪乗りでする奴でしょそれ!!?


「そういえば修学旅行で泊まる旅館があるだろ」


「え~と…確か『武蔵野』だっけ?」


「あそこの露天風呂で決行するとかなんとか」


「ほら噂じゃない! 決行って言っちゃってるじゃない!」


詳しく話しを聞いていくとどうやら昔来たことある奴が複数名いるらしく、前も似たようなことをしたとか何とか。


とりあえず最低だなとか、性欲クラスだなんて言葉は置いといて…


なんでそういう余計なこと教えてくるかなあこの部長さんは。


「知ってて言わなかったらもっと怒るだろ?」


「そりゃまあ…」


「だろ? とりあえず俺からも釘を刺しとくが完全に止めるのは無理だと思う。金髪はお前が守ってやれ」


「ちょっと体よくこっちに投げないでよ! クラス違うんだから無理よ!!」


「とか言いつつ何とかするのがお前だろ? 相談ならのる。じゃあまた明日な」


「ちょ…! …切りやがった」


受話器の向こうからツーツーと機械的な音が鳴り響く。


私はぽーんとベッドの上にスマホを投げると横になった。


普通に楽しみたかったなあとか何とか…そんなことを考えながら。


読んで下さりありがとうございます。


また更新します。

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