四十六 小さな聖女マリアちゃんの日常2《マリアのお話”》②
マリアちゃん視点
本選のトーナメント
アルバートさんと獣人の戦士さんの試合が始まる
メグミお姉ちゃんは初戦を勝利したよ
やっぱり強いなぁ…
後、ヒカリお姉ちゃんが王様達と並んで試合を見てた
ヒカリお姉ちゃんドレス着てたよ。白いドレスが似合ってた
流石に会いには行けなかったけど…お話したかったなぁ
あっ。メグミお姉ちゃんの初戦の相手さんが、運ばれてきた
あれ?この人は人族じゃないみたい
額に赤い宝石、背中に蝙蝠の翼がある
「お姉ちゃん!!」
治療室にわたしより、小さい子が慌てて入ってきた
「ほら、お姉ちゃんは無事だから静かにしましょうね。」
一緒に入ってきた黒髪のお姉さん…この人よく見かけた人だ!…あれ?…なんか見覚えあるような…?
こっち見てにこっと笑った。うーん…駄目だ分かんない…
「マリア!なにしてるの」
あっお仕事しなくちゃ。お姉さんはわたしの去り際に、お仕事頑張ってねって呟いてた
メグミお姉ちゃんの初戦のお相手、セレナーデさんは特に深い傷は無かったけど打撲が酷かった。鎧凹んでたよ?
運ばれてきた時、気絶してたけどメグミお姉ちゃんが手加減したのかな?
この位なら、わたしとクレアお姉ちゃんで治療できる
治療が終わると同時に、セレナーデさんが目を覚ます
「お姉ちゃん大丈夫?」
良く見ると、この子も額に赤い宝石があるし、背中を覆ってるマントが微妙に揺れてる
「あぁ…負けちまったのか…。まさか、このアタシが飛ぶ技でやられるとはねぇ…」
セレナーデさん、口では悔しそうに言ってるけど満足そう
その様子を見て、女の子は安心したのか笑顔を見せる
「これから貴方達どうするの?住む場所ないでしょ?」
黒髪のお姉さんの言葉で、セレナーデさんが複雑な表情する
「女魔族は比較的に受け入れられてるって言っても、魔族寄りな種族だから人族によっては襲われる事もある…」
セレナーデさん、女の子を撫でながら暗い顔で呟く
わたしには、セレナーデさんもこの女の子も悪い人には見えないけどなぁ
黒髪のお姉さんがわたしを横目で見てから、そうねぇ…って考える
「ルーファ様~、お呼びですか~?」
ふわふわと、隠すそぶりすらしない女魔族のお姉さんが扉を開けて入ってきた
「あら~?セレナーデ久しぶりね~」
「お前…ディーナ!?どうしてここに!?!?」
お二人ともお知り合いなの?
セレナーデさんが凄い睨んでる
「なにって~、ルーファ様に呼ばれたからよ~。ワタシは王都に住んでるし~。皆~ワタシがサキュバスなの知ってるわ~?」
デューナさん…話し方、ゆっくりなんだね
「その話し方どうにか出来ないのか?イライラする」
セレナーデさんがイライラし、デューナさん、無理よ~って返事する
「デューナ。この子とセレナーデの世話頼むわね。貴方なら女魔族が王都で、どうすれば安全に住めるか分かるでしょ?」
黒髪のお姉さん…ルーファさんがデューナさんにそう言うと、デューナさんは少し考えてから、ルーファさんに耳打ちする
ルーファさん、あら…そうなの?…なるほどね…って呟いてる
そのひそひそ話の際、わたしをちらちら見てたよ?なんでかな?
「そうね…デューナ、面倒見るのはお願いね。住む場所は…何とかするわ」
デューナさんは…はい~って返事してる
そんな様子を見て、セレナーデさんが不審に思ってるみたいだけど、なにも言わない。
ルーファさんは剣舞祭後に、迎えに来るって伝えるとお部屋を出ていった
わたしが女の子のマントを、ジーっと見てると不意に女の子と目が合った
女の子は少し考えると、わたしの方にとことこ寄ってくる
「お姉ちゃんなあに?」
「あ…えっと…」
マントの中が気になってたけど…見せてって言えないよ
「ん~?マント?」
女の子はマントを開くと背中から小さな蝙蝠の翼が見える
その翼をぱたぱた動かしてる。まだ小さくて飛ぶ力は無さそうだけど…かわいいね
「お姉ちゃんは、あたし達を嫌がらない?」
え?なんで嫌がるの?かわいいのに
小さな翼を見てほんわかしてるわたしを見て、セレナーデさんが…皆あんたみたいなら良いのにな…って呟いてる
色々大変だったみたい…
その後、セレナーデさんは女の子…ミューデちゃんと一緒にデューナさんと治療室から出ていったよ
ミューデちゃんが手を振ってくれたから振り返しといた
そして、アルバートさんが負けちゃった
治療室に来た時に、苦笑いしてた
続けて、人族の剣士さん、戦士さんと運ばれてくる
わたしは休憩してたから、分からないけど
レオニートさんも運ばれて来た
「メグミは強いな!まさか、覇王流まで使ったのに負けたぜ」
「黙って治療受けなさい!」
がははって笑ってるレオニートさんに、容赦なく頭をぱーんって叩くリーナさん
「リーナ、レオは頑丈だから気にする必要ない。」
その二人の様子に、エヴァさんは気にする様子もない
アルバートさんは、騒がしくしてすいません…って謝罪してる
やっぱり一番の苦労人ぽい
レオニートさん倒した技、メグミお姉ちゃんの見事なカウンターだったそう
わたしは、見てても分かんないだろうなぁ
四人は一通り騒いでから治療室を出ていった
いや、アルバートさんは終始謝ってた
それから少し経って、試合が始まる前にコロシアム内でドラゴンゾンビが意図的に召喚されて、周りが騒がしくなった
ドラゴンゾンビは出場者が試合前に召喚したらしい
…召喚者は召喚した際に潰されちゃったようだけど…
避難中に怪我した人や瓦礫に巻き込まれた人を治療しながら、わたしとクレアお姉ちゃんも避難誘導に従う
その時に、独特な雰囲気の女の子に会った
「貴方…面白い運命背負ってるね。いずれその恩を返す日が来る…それまで沢山の縁を紡ぐんだね」
すれ違う瞬間、その女の子がわたしにそう言った
振り向くと、女の子の姿がすでに居ない…
なんだったんだろう…
その後、しばらくしてドラゴンゾンビが討伐?された
討伐って言うか、浄化?昇天?
ヒカリお姉ちゃんが慈悲で救ったって噂になってる
やっぱり、天使様。凄いね
冒険者達がコロシアムの後始末をしてる中、
わたしとクレアお姉ちゃんは、引き続き怪我人の治療をする
出来ることをしないとね
すると、不意にドミニカさんが近付いてくる
「マリアとクレアよ。少し良いか?」
わたしが振り向くと、クレアお姉ちゃんが頷く
その様子を見てから、ドミニカさんは口を開く
「これから、マリアが住む場所についてなんじゃが…」
そっか…わたし王都に住むんだっけ…
「いきなり、一人で住めと言われても可哀想じゃと思ってな。色々と話した結果、ヒカリ達と住める家を用意すると決まった。あやつらは旅に出るじゃろうが、大きな屋敷でもあればいずれ戻ってくるだろうしの」
まぁ、屋敷についてはレティア姫が言っとったから間違いなく採用されるじゃろ。とドミニカさんが少し疲れぎみに呟いてる
「クレアもリアーデルに戻るまではそこに泊まるが良い。マリアも喜ぶだろうしの」
言い終わると、ドミニカさんは再び冒険者達の指揮を取り始める
…すでに、お屋敷が準備されてるの?
ヒカリお姉ちゃん達凄すぎない?
その後、セレナーデさん達と合流して
ルーファさんに連れられて、貴族街のお屋敷に案内される
まだ誰も居ないけど、凄い大きいお屋敷
ミューデちゃんもあんぐりとお口あけてる
わたしも同じお顔してると思う
ルーファさんが何か持ってこっちに来る
ルーファさん、なにもって来たの?
わたし達にもって来た物を渡すルーファさん
これお洋服?皆で着るの?
「あら~メイド服~。ここのメイドさんにでもなるの~?」
デューナさんの呟きにルーファさんが笑顔で頷く
「マリアちゃん。ヒカリ達を驚かせましょ?」
ルーファさん…それ面白そう!
わたしとミューデちゃん、デューナさんはすぐ着替える
セレナーデさんだけが、凄く渋ってたけど結局着替えた
…なんでクレアお姉ちゃんものりのりで着替えたの?
「じゃあ~、ワタシがみんなを立派なメイドさんにしてみせますね~。元王族専属メイドさんとして~」
ふぇ!?わたしもメイドさんになるの?驚かせるだけじゃなく?
ルーファさん…笑顔で手を振ってる…
これ、着替えた時点で確定だったみたい…嵌められた…




