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天使姉妹の異世界旅  作者: kaito
一章、王国編
43/101

四十三 神核の残滓

今回の恵の視点はこれで終わり

ドミニカは、冷や汗をかきながら斧を握る

「ドラゴンゾンビ…しかも古龍…儂では手に余る…」

もともと、ドミニカは古龍との戦闘は経験してない、第三天使である

龍種との戦いは経験してるため、それなりには戦えてはいるが…

ドラゴンゾンビの爪を斧で防ぎ、距離を取る


それを狙ってたかの様に、ドラゴンゾンビは口から炎を吹く

火炎と言うより、火球のようなブレス

ただ威力は桁違いのようだけど

「っぬぅ!?」

慌てて避けるドミニカ

しかし、それも牽制だった

避けた先にドラゴンの尻尾が襲いかかる


ドミニカは咄嗟に斧を盾がわりに防ごうとしたが

もろに正面から受けて吹き飛び、コロシアムの壁におもいっきしぶち当たった

「ぐっ!?うぅ…」

そして、ドミニカを巻き込んで壁が崩れ落ちる


「よかった…生きてるわね」

崩壊した壁からルーファがドミニカを抱えて現れる

ドミニカは気絶してるようでぴくりとも動かないが…


私は呆然としていた…私達より遥かに強いドミニカがなにもできないでやられる所を見てしまったから…

姉さんも同じだったらしく、無言で見ている


ルーファはドミニカをそっと置くと、ドラゴンゾンビに向きなおす


「ガァァァァ!!」

ドラゴンゾンビは唸り声を上げると、コロシアムの壁や歓声席などを手当たり次第に破壊する

ルーファはひょいひょいと避けながら、懐まで近付く

「思ってる以上に腐敗してるわね」

顔を歪めるルーファ

多分、予想以上の臭いなんだろう

ドラゴンゾンビの周りに黒い液体が散らばってる

多分、腐敗した血肉

動く度に撒き散らしてるんだと思う


動く度に小さく唸り声を上げるドラゴンゾンビ

視界に入るルーファを爪で切り裂こうとする

が、ルーファはそれを簡単に避ける

その都度、剣で肉を削ぎ落とす

落ちた肉は熔けて、黒い液体溜まりに変わる

あの剣、古龍の鱗ごと斬り裂いてるみたい

凄い切れ味…


後、なんだかんだ冒険者達も集まってるけど

ドミニカが倒されてしまったのと

ルーファの圧倒的な戦いに手も出せず

ドミニカを救出するので精一杯だった

まぁ、私達同様に参加したらなにもできないだろうし


「ん~…どうしたものかしら…私、光魔法とかは苦手なのよね…」

ルーファはちらっと私達を見る

その後、距離を取り姉さんをじっと見てる

「…予想より…が早い?偶然かと思ったけど…まさかね…」

ルーファなにかぶつぶつ言ってる

あっでも、ドラゴンゾンビの攻撃はすべて避けてる


ん?姉さんさっきから黙ってるけど…

ドラゴンゾンビをじっと見てる?

「なんだろう…泣いてる?」

姉さんがぼそっと呟く

泣いてる?ドラゴンゾンビが?

死んでるんだよ?

姉さんはただドラゴンゾンビを見つめながら涙を流した

「そっか…苦しいんだね…。無理矢理、蘇生されたんだ…」

ね…姉さん?

姉さんの様子が少しおかしい

なんか瞳が金色に光ってない?


姉さんはゆっくり歩きだすと、いきなり歓声席から飛び降りた

ここ凄く高いんだよ!?姉さん!?!?

地面にふわりと着地すると、姉さんはまたゆっくりと歩きだす


まって、姉さん何処行く気?

危ないから行かないで!?


私も慌てて飛び降りる

転移で着地して衝撃を無くす


飛び降りてから周りを見渡し、姉さんを探す

ドラゴンゾンビの方にゆっくり進む姉さんの姿

私が慌てて姉さんの後を追おうとするが…

ルーファが慌てて、抱き止める

「ちょっ…邪魔…姉さん止めないと…」

でも、ルーファはきつく抱きしめ逃がさない

「駄目よ…行ったら貴方は確実に死ぬ」

だから姉さん止めないと…はなせ…


ドラゴンゾンビと目が合う…あっ…あぁ…


私が行ったら死ぬ…ドラゴンゾンビと目が合っただけで恐怖を感じる…天使になってから感じてなかったのに

この恐怖…多分、死の恐怖だと思う

体が動かない…震えが止まらない…


ルーファはそんな私を優しく抱えた

「ねぇ…さん…」

私は震えながらルーファにしがみつく

ドラゴンゾンビの爪や尻尾をルーファは私を抱えたまま避け続けている


ルーファはそんな私を優しく撫でながら、目で姉さんを追っている

なんでか…ルーファに撫でられてると安心する…

「…侵食が……のね…」

ん?ルーファがなにか呟いてるけどよく聞こえなかった


姉さんはドラゴンゾンビの懐まで近付いていた

なんか、姉さんを狙った攻撃はぶれて外れてる

そして、姉さん自身は止まらずに進む

姉さんは恐怖感じてないの?


標的が姉さんに移った瞬間、ルーファはドラゴンゾンビと距離を取る

…どうなってるの?姉さんにひとつも攻撃当たってない…

まるで、攻撃自体をすり抜けてるような…


姉さんはドラゴンゾンビの体にそっと触る

「苦しいよね…悲しいよね…身籠ってるのに死んじゃって…あげく死後も無理矢理、起こされるなんて…」

ドラゴンゾンビは姉さんに触られると、より激しく暴れ

コロシアムの半分が崩壊した


「大丈夫…落ち着いて…もう眠っていいの…疲れたでしょ?…そう眠って…」

姉さんが優しく撫で続けると、ドラゴンゾンビが静かに眠りに付く

まるで子守り歌を聴いた子供のように、静かに眠りそのまま動かなくなる


「…姉さん?」

ドラゴンゾンビが眠りに付いたのを確認した姉さんは、私の方に振り向く

…まだ、瞳が金色のまま

「貴方は、光?それとも別のなにか?」

ルーファが姉さんに問う

あれ?今…

「わたしは…神核の残滓…この体の持ち主は中で眠ってる…」

姉さんの瞳の輝きが薄くなる

「危害は加えてない…体借りただけ…持ち主には許可貰った…もう眠い…お休み…」

言い終わると、姉さんの体から力が抜けてふらつく

ルーファはすぐに、姉さんが倒れる前に抱える

…ルーファ、私達二人を同時に抱えてるよ

「無事そうね…」

姉さんはすやすや眠ってる

さっきのなんだったんだろう…ルーファはなんか知ってそうだけど…

ルーファは私達を抱えて嬉しそうにしてるから、聞きにくい…



結局、姉さんの事は聞けなかった

あの後、ドミニカが意識取り戻して私達と一緒に王族に報告行くことになったんだけど、コロシアムが半壊してるし

剣舞祭はどうしようもない

幸い、被害者が召喚した男一人だったから良かったけど

剣舞祭の優勝賞品は、今回だけ残ってた三人に渡される事になった

つまり、私も貰える

後、姉さんはしばらくして起きた。あんまり覚えてないって言ってたけど

心配だけはさせないでほしい…

…で、ルーファはいつの間にか居なくなってた

色々と聞きたかったのに…

まぁラフィリスの件でまた会うし、その時聞くから良いけど…




…真っ白い空間、神々しい金髪の女性が宙に浮く玉の中を覗いてる

その横に空間を割って、黒髪の女性が現れる

「フ・レ・ア・リ・ー・ド!!」

黒髪の女性かなりご立腹の様子

「!?待って!話し…痛ひ…ほっぺ引っ張らないでー」

金髪の女性はいきなり頬を引っ張られて痛がる

「なんで古龍のゾンビなんて用意したのよ!?あんなの使ったら妹達死んじゃうでしょ!!?」

黒髪の女性に言い寄られて、頬を擦りながら縮こまる金髪の女性

「でも…神核を起こすなら…あれ位しないと…」

金髪の女性少し涙目である

「それに、望がいるから大丈夫だと思ったの…」

そんな用意見て、黒髪の女性はため息を吐いた

「今はルーファよ…。だからってなんで古龍大戦の奴なのよ…あれだと私しか相手できないでしょ…」

金髪の女性が、あっ…って反応してる

つまり、忘れてたと…

「お仕置き必要かしら?私の大切な妹達の進化をさせるつもりが殺しましたじゃすまないわよ?」

再び頬を引っ張られる金髪の女性

「待って…許して…痛ひーゆるひてー!!」


…しばらくして、赤い頬を擦りながら金髪の女性が涙目で呟く

「…神核は侵食を始めたわ。今回は神核の残滓が出てきたけど、あれは本来なら現れることはないの。前の神核の持ち主の残り滓だから…希に相性が良くて残滓ごと融合する事もあるけど…」

「私の時には出てこなかったわね。」

「望…貴方の神核は、すぐに貴方と融合したのよ。神化してなかったら古龍王にはまず勝てなかったんだから」

「そうしたんだものね?」

金髪の女性が目を背ける、確信犯だからね


「ま…まぁ光の神核は元から光の中にあった物だから、なにが起こるか分からないのも事実よ。」

そう…光の暴走する原因は神核、元の世界の神の核を何故か光は持っていた

多分、あちらの神のミスだと思うけど

だから理由もなく殺され処理されるところだった…

それを、この世界の女神フレアリードと私が交渉してこちらに譲って貰った

私?堕天使じゃないわ。これは仮の姿。自由に動けるから便利なのよ

本当は、フレアリードに女神にされたルーファです。本名は天間望


光達の姉…長女です。彼女達が死ぬ十年前に事故死しました

小さい子供を庇って死ぬ、よくある転生もの

で、一番最初の天使にされて、他の転生者の天使と一緒に古龍王と戦い

皆が犠牲なる中、私は神化して古龍王をなんとか討伐

神界で原因のフレアを死んだ皆の代わりに叩いといた

私達に神核埋め込んで古龍王の討伐に行かせた本当の理由が、私と同等のお友達が欲しかったから。だからね…

狙い通りになったわけよ…四人犠牲に…


まぁ女神になったお陰で、妹達を理不尽な運命から救い出せたわけだけど…

妹達の事は、本来あまり手を貸しちゃ駄目らしい

けど、可愛い妹達を見守るだけなのも辛い

だから、間接的にお手伝いするつもりだった


けど、今回のドラゴンゾンビの件で止めた

あれは危うく死者出すところだったし、恵が恐怖で固まってたから戦闘してたら死んでた

妹達が死ぬ位なら私が手を出す


あっそうそう。天使は全員、転生者

前の見た目に近い感じの器をフレアが用意して

魂を心核に定着させる。心核はいわば魂の器

問題は、転生者の記憶が大半曖昧な事

私や妹達は死後、早く回収されたから記憶の損傷がなかっただけ

フレアは、地球の神が早く渡してくれてればその辺もなんとかできたのに。との事

私がすぐ引き渡された理由は知らない。フレアに聞いても、さあ?って言ってるし

女神の気紛れで埋め込まれた神核は私を含めて十個

まぁ目覚めた神核は私だけだし、大半が持ち主と一緒に消滅してる

残る神核は…特異性の光は除いて、ラエルの核と恵の核の二つ

ラエルの核は複雑な状態、恵の核については…深く眠りについてるあれはそうそう起きない


さて、フレアリードは少し反省したみたいだし

私は引き続き、妹達の様子見ながら手を貸そう

ん?フレアなにか言いたいの?過保護?誰のせいかしら?

…ほぼ最初から手を貸してた?…た、確かにドリアードやフェアリーに手を貸すように言ったし、愚かな吸血鬼は皆殺しにしたけど…

それだけよ?…姿見せる必要なかった?…あ、あれは…

…心配だったから近くに居たかったです…はい…


だって…久しぶりの妹達だもの…私からしたら数千年ぶりなのよ?過去の記憶は全く薄れないし、妹達見たら構いたくなるじゃない…

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