三十二 堕天したラフィリスさんの場所
しばらく、私達の様子を見ていたドミニカさんは、改めてルーファさんに向き直す
「そろそろ、ラフィリスの居場所を話してくれ」
ドミニカさんの言葉に少し考えるルーファさん
「んー…まぁ貴方なら大丈夫かしら。魔人族の隠れ里の近くの洞窟内に眠っているわ」
ルーファさんはテーブルに地図を広げて、指を座す
んー…場所的に、ここから東南かな。山に囲まれてるよねそこ
ドミニカさん少し複雑な顔してる
「ドミニカからしたら、魔人族の所は嫌よね。私は使徒がそっちよりだから問題ないけど」
ルーファさん、貴方も大戦の経験者だしねぇ…と呟いてる
あっ…ドミニカさんやっぱり、魔人族との大戦経験者か
「ラフィリスが拐われる所にも居たから複雑よね。ラエルの泣き叫び凄かったし」
ルーファさんも経験者だね…ルーファさん貴方はどっちの見方だったの?
ルーファさんこっち見て、どっちかしらねー?と誤魔化してるし
「彼女達は、貴方達に少し近いのよ。姉妹型の天使だったから。まぁ少し違いがあるけど」
ルーファさん、恵の方を見てから妹が低級だったとか…と呟いてる
「なにより、姉が大天使だったのは同じね」
おぅ、つまり斬られたの大天使だったのか…しかも、妹に斬られるとか泣きたくなるね
拐われる時の気持ち少しわかるかも、私も泣き叫ぶだろうし
恵も、複雑な顔してるよ
多分、妹さんの気持ち想像してる
「まぁ、決定的な違いはラフィリスが低級天使で、姉との差に悩み苦しんで、その隙をつかれて拐われちゃったのよ」
後は分かる通りね…とルーファさん、ドミニカを見ながら話し終わる
後は貴方が話しなさいと目で合図送っているね
ドミニカさん、少し考えてから私を見て口を開く
「ラフィリスは…姉との差が広すぎて、その悩みを儂に言っておったんじゃ…しかし、儂もその差を埋める方法が分からず…困ってる内に…」
ドミニカさん…目に涙を浮かべてる…
「…私なら、姉さんと私に差があったなら…姉さんの役に立つことだけを考えるけど…」
恵は自分と妹さんを重ねたのか、思った事を呟いてる
んー…恵は優秀だから、そう思えるんだろうね
でも、役に立とうとしても足引っ張ったりしちゃうんだと思う
それで、余計に悩んじゃうから悪化しちゃう
私も恵より、劣ってるから少しわかるかも
まぁ私は、劣ってるなら頼ろうって判断したけど
「妹さん、焦っちゃったんだろうね…役に立たない自分じゃいつか捨てられるって…」
私の呟きに、ドミニカさんが頷いてく
「当の姉のラエルは、その事に気が付いていたのだが、本人が助ける訳にも行かず、見守っていたのだが目の前で拐われてしまったのだ」
その時は…ラエルが追い掛けようとして、泣き叫び暴れて…っとドミニカさんがため息吐いてる
おっ?聖杖剣が何時もより少し熱くなってる
この剣もしかして、意識ある?ありそうだよねこれ
「次に現れたとき、ラフィリスは洗脳されて堕天使になっていた…」
「まぁ、完全な洗脳じゃなくて堕天使化も中途半端だったけどね」
ドミニカさんの言葉にルーファさんが続けて言う
ルーファさん、自分の輪っかをつんつんして見せる
「確かに、そこまで黒くなっとらんかったが…」
「ふふ…魔人族だって低級でも天使を洗脳仕切れなかったってことよ。私があっちにいたら洗脳なんてやらせなかったわ」
だって…無駄に苦しめるだけだしってルーファさんが呆れ気味に首を振ってる
ルーファさん天使側だったみたいだね
まだ堕ちてなかったのかな?
「ちなみに、堕天は女神を否定、己の事を否定、世界のバランスを壊す、己の仲間を意図的に傷付ける、などなど沢山あるわ。堕天したかったら言ってね」
手伝うからとルーファさんが言うと、即座にドミニカさんがやめいと突っ込んでる
漫才かな?あっドミニカさんお怒り顔でこっち来ないでください…
痛い…叩かないで…
恵も呆れてないで助けて…えっ?自業自得?はい…すいませんでした…
「それじゃ、貴方達が行ける時に私が案内するわ。剣舞祭の後ね」
ルーファさん、案内してくれるんだね
「お主達が色々と大変になっとるのは知っとる。ヒカリが阿保したのが原因なのもな」
おうふ、致命傷だ。大丈夫じゃない
恵もうんうん頷いてるし
私を討伐する気かな?
そして、ルーファさん笑いすぎです
「と言うか、ルーファお主、こやつらを変な方に導くんじゃないぞ」
ドミニカさんの言葉にルーファさん笑ってごまかしてる
答えないし、少し不安あるんだけど…
恵は、ルーファさんの事睨んでるし
まぁ私達じゃ勝ち目ないし、付いて行くしかないけどね
「後ね、ラフィリスの助ける方法はラエルに聞いてね。」
ルーファさん、聖杖剣を指差してる
と、言われても聞き方わからないんですけど…
「ふふ、一緒に寝てみればいいんじゃないかしら?」
聖杖剣持って悩んでたら、ルーファさんが意味深な事教えてくれたよ
よし、試してみようね
ん?ドミニカさんが何か考えてる?
「メグミに剣舞祭出るように言ったが、優勝まで行くと少し面倒になるか…?どの道、ヒカリが聖女扱いだと素直に行かしてはくれぬだろう…」
あぁ剣舞祭の後の事か…すいません…私のせいです
「…ギルド関連で救出するか?」
「王族だと意味ないと思うわよー」
ドミニカさんの考えをルーファさんが容赦なくぶった切る
ドミニカさん、むぅって怯んでるよ
「まぁ、お姫様と王子様がどうにかしてくれるわよー。特に王子様がね」
ルーファさんいつの間にか紅茶飲んでるんだけど、王子様かー私ちょっかい出されるの確定ですかー
出されるの、剣舞祭になるよね確実に…恵が居ないの不安なんだけどー
恵も心配してるよ
私、頼りないもんねーラヴィさんに守ってもらおう
「そうそう、頼れる者を見つけたら早く加護与えて使徒にするんじゃよ。使徒は主を守ってくれるからのぅ」
あっ…ラヴィさんに加護与えてないね
帰ったらあげようね
だから、恵ちゃん呆れ顔でつつかないで…
「それじゃ、私は剣舞祭が終わったら貴方達の前に現れるわ。またねー」
ルーファさん言い終わると、空間を割って居なくなった
空間移動かな?便利そうだね
「全く、あやつは…。お主達は明日多分、朝から姫に拉致られるだろう。一日お城から出られんだろうからな」
あのお姫様ならやりかねないね
うん、朝から拉致られる
「ちなみに、メグミが優勝したらお主達のランクはBになるからの。」
ドミニカさんの言葉に私達がは?って反応すると、ドミニカさんがにやっと笑った
「剣舞祭は腕前の優秀な者ばかりだからの、ランクDとかだと示しがつかんのじゃ」
恵がやられた…と頭抱えてる
ドミニカさん、これはわざとですね。ランク上げるためにラヴィさんネタに使ったねこれ
ラヴィさんに弱い恵じゃ勝てないね。諦めよう
私達はにやにやしてるドミニカさんを後に、ギルドマスターの部屋から出て、受付の前まで来た
前に案内してくれた受付嬢さんがこっちに気が付いて頭を下げる
うん、前に会えないって言ったもんね
申し訳なさそうにしてるよ。でも受付嬢さんのせいじゃないし、気にしないでー
私は軽く手を振ってから、冒険者ギルドを出た
さて、明日はお姫様のお相手だーはぁ…




