二十六 魔物に囲まれた豪華な馬車を救出しよう
特になにも起きずに、二つ目の村まで到着する
うん、護衛らしい事したの最初の盗賊だけだったね
「このまま、何もなければ良いねぇ…」
「護衛の依頼だからって毎回襲われるわけじゃないぞ。むしろ、初日に盗賊に襲撃されたのは稀なケースだ」
レオニートさんが馬車と同じペースで馬を走らして、私の呟きを拾う
護衛依頼の経験値が私達より高いんだろうね
「良くある魔物の襲撃っていっても、この道は比較的安全なのよね」
先頭を走ってた、リーナさんが速度を落とし、馬車の近くで呟いた
だいたい、はぐれウルフだしね
「このままなら、王都まで今日中に行けそうだな」
アルバートさんが二人を見て続けて呟く
それを聞いた二人は頷いてる
…エヴァさんは馬車の後ろを常に走ってる
「夜までには着けそうですね」
ラヴィさんが馬車の中から顔を出して周りを見てる
うん、少し予定より早く着きそうだね
「姉さん、これから行く王国はヴィルフリート王国の王都だからね」
恵、私が国名とか覚えないからって今言わなくても…
「ヴィルフリート王国の王都と言えば、国開催の剣舞祭がありますね。時期的にそろそろでしたよね?」
ラヴィさんが隣の商人さんに聞く
「確かにそうですね。優勝者には王が直接褒美をくれるのだとか」
商人さんは、この時期だからこそ王都に向かうらしい
人が集まる時にお金は動くからね
「恵、出てみる?」
私は刀の手入れをしてる恵に取り敢えず、きいてみる
「興味ない」
恵、鍛練とかはやるけど大会とかには興味しめさないんだよね
子供ころはやる気あったんだけどね
「メグミさんなら、優勝出来そうですけどね」
ラヴィさんの言葉に商人さん達も頷いてる
恵はチラッとラヴィさんを見て、刀の手入れに戻った
うん、恵はラヴィさん気に入ってる
あんまり人になつかない子だから珍しい
あっ恵と目があった
ちょ!?顔赤くしながら、刀で突きしないで危ないよー
ん…?なにか感じる?ちょっと探知魔法使おう
少し遠くで戦闘してる?数が少ない方は馬車と護衛かな?囲んでるのは魔物ぽいなこれ
あっ点が一つ消えた、一人やられたっぽい。
「恵、少し離れたところで戦闘してる。このままだと全滅する」
「姉さん、助けに行く?」
私は頷き、恵は分かったと刀を腰に差す
「商人さん、護衛中だけど少し離れたところで戦闘してるから、助けにいってきます。皆さんはこのまま王都に向かってください」
「ラヴィさん、皆、護衛頼みます」
私達は走ってる馬車から飛び降り、そのまま走り出す
「えぇ…あの子達すごい…」
ん?…ラヴィさんの声が聞こえたような…まぁいいか…
道を外れて、木々が生い茂る森に入る
「こんなとこに馬車?」
走りながら恵が呟いてる
魔物もいるし、危ないよね
最短ルートだとここ通るの?
しばらく走り、凄い豪華な馬車が見える
うん、なんか紋章まであるよ。すごい人が乗ってそう
おっと、魔物はオークの群れだね。あっリーダーまでいる
護衛さんは…ここにくるまでに三人やられたね
まだ息があるから助けられそうだけど
護衛さんは残り二人か…一人装備が違うから片方は隊長かな?
「姉さん、私が正面から行く。そしたら馬車に向かって」
恵が刀を抜き、走り出す
よし、私は怪我人の様子を見よう
恵は即座に背後からオークに斬りかかり、一匹を斬り捨てるとすぐさま次へと斬りかかる
オーク達はいきなり、奇襲を受け混乱する
「なんだか良くわからんが、好機!」
複数に囲まれて、劣勢だった隊長さんがオークに向かって剣を振り抜き、続けざまに隣のオークの体に剣を突き刺す
二人はオークが混乱してる間に、十数匹は二人に狩られた
オークリーダーも状況を見て、撤退を考えてるみたいだけど、恵のが速かった
「群れの長見つけた<首狩り>」
オークリーダーが振り向いた瞬間、恵が刀を縦に振り抜きオークリーダーの首を跳ねていた
オークリーダーを失った群れは散々に離れて逃げて行く
恵はその様子を見て、刀の血を払い鞘に戻す
護衛隊長さん恵を、無言で見てるよ
「止まれ!?何者だ!」
おっと私が残りの護衛さんに見つかった
でも、止まらない怪我の状態見たいから
倒れてる護衛さん三人は死ぬほどの重傷者はいないね
うーん、馬車を守ってた護衛さんに槍を向けられてるから、下手な事できない。早く治療したいんだけど…
「その者達は救援に来てくれたらしい。槍を下ろせ」
隊長さんの一言で槍を離してくれた
「助かったのですか?」
ん?馬車の中からドレスの女の子が出て来たよ…お姫様?
「姫様、ご無事でしたか?」
隊長さん、慌てて近くに行った。うん詳細話してる
お姫様かやっぱし、あっ恵が苦虫を噛み潰したような顔してるよ
「そうですか…貴女様方に助けていただいたのですね。ありがとうございます」
お姫様は頭を下げる。簡単に頭下げるのは不味いのでは?
ほら、隊長さん慌ててる
「私は、レティア・ヴィルフリート。ヴィルフリート王国の第二王女です」
レティア姫様は挨拶をすると、倒れてる護衛に近寄る
「私のせいで、犠牲になるなんて…」
まだ死んでないから殺さないであげてー
「あの、治療しますけど?」
このままだと可哀想だしね
「治療できるのですか!?お願いします!」
お姫様に手握られたよーやるから落ち着いてー
レティア姫様、少し照れてるけど落ち着いてくれたよ
じゃあやるよー
三人だし、まとめて行くかー
ん?恵が慌ててる?まあ良いかー
「傷付き哀れな者達に救いの癒しを<エリアヒール>」
あっ…ここにいる皆に魔法かかっちゃってる…やば
「範囲治癒…?もしや、聖女様!?」
お姫様真っ先に反応したよー
私ってお間抜けー…どうしよ…
恵、頭抱えてるし
傷治った護衛達にも感謝されるし、お姫様は私の手掴んでる。逃がしてくれなさそう…完全にやらかしたよー




