第十二羽
第二章、開始
今日は二話投稿
ピピピ……ピピピ……、と俺を起こすには到底足らない電子音が響く。
――刹那。
パカッと大きく天井が開き、上から大量の手榴弾(全てピンが抜けている)が落ちてきた。
当然、半覚醒どころか五分の一、いや、十分の一も覚醒してなかった俺にそれが避けれる筈もなく、そもそも起きてたとしても避けれる筈もなく。
一片の情緒すら持たない圧倒的な熱と爆風が俺の部屋を蹂躙した。
「ぅ、がぁあああ、ぁあああああ!」
赤い炎熱と見えない爆風に吹き飛ばされていると認識したのは次の数瞬だった。
ベッドから放り出され、空中に浮かぶ身体に向けて無機質な銃口が向けられていた。
壁から生えている黒いマシンガンの数は軽く二十を超えていた。
それらが全て自動で俺の身体目掛け、発射された。
「ががががあがががががが!」
ダラララララララララララ、と容赦ない掃射音が響く中、止めとばかりに穴のあいた天井から巨大なミサイルが、マシンガンが引っ込み代わりにロケットランチャーが。
俺目掛けて発射された。
*****
「あー、痛かった」
「兄上、気付いてます? 貴方も既に充分人外です」
「え、改造した時人外にはしないって言ってなかったっけ」
「……全く、記憶力の悪い兄上ですねえ。そんなこと一言も言ってませんよ」
そうだっけ?
まあ羽切朱音が言ってるんだし、記憶力――というか頭脳関係においては妹のほうが圧倒的に勝ってるわけだし間違いないか。
「そうですよー、だから気の所為です」
「そっかそっか、まあ今日もまた無事に起きることができたしいいや」
ごちそうさま、と手を合わせる。
我が家のご飯係りは妹なので、妹に向けて。
「はい、おそまつさま」
妹は、黒いグリップに赤いボタンが付いてるもの――便利スイッチとやらのスイッチを押した。
食器が自動食器洗い機の中にワープした。
……もう一々突っ込まねえ。
羽切朱音。天才科学者。『世界を変えることが出来る七愚人』の一人。
黒い長髪をカチューシャでかきあげており、表情の変化の乏しさに定評のある白衣の美少女である。
もっと長々と説明してもいいが、今回の主人公は妹では無い。
故に説明はこのくらいでいいだろう。
今回の主人公は、脳筋、色黒、準最強の三拍子揃った俺の弟、
『二十人の仙人候補』が一人、羽切勇大の物語である。




