第十一羽
んで、後日談。
……ん? 白髪の老人、ロンリーの件はどうなったかって?
それなら今頃「輪切りにしてあげます」と張り切っていた羽切朱音が場所を特定、ハッキングし、オンラインの物体は全て破壊、輪切りにしただろう。
必要とあらば羽切勇大がロンリーとやらのアジトを物理的にぶち壊しに行くだろう。
言うのは二回目だが、この物語の主人公は俺の妹、羽切朱音だ。
要するに脇役はもう不要なのだ、引き立てはもう済んだ、あとは主人公が悪を倒して終わり。
それだけだ。
「はい、つーことでテスト終わったなー」
「そだねー」
あれから三週間、頑張って勉強したかいもあって、五人ともそれなりに手ごたえを感じる出来栄えだったらしい。
「トォマァアアアアアス!」
「……あそこで泣き叫んでるベアコンは?」
「試験中も熊のぬいぐるみ抱えてたら没収されたらしいぞ」
「ォトゥォオオオオオムゥァアアアアアアアアアスウウウウウ!」
「うるせえ!」
伊藤詩織が怒鳴り散らすと、ベアーコンプレックス――略してベアコンのプラチナヘアーは一目散に教室を飛び出した。
……飛びだしたくなるほど伊藤詩織が怖かったのか……それとも職員室に相棒を迎えに行ったのか……、恐らく両方だろう。
しかし今思ったのだが、伊藤詩織の紹介文にお嬢様口調と書いたが、撤回しよう。
こいつは女王様口調だ。
「……ったく、あ、そういえば羽切くんはどうだったの?」
「何が?」
「テストよテスト、出来栄えはどうだったの?」
「ああ、大体798くらいだと思う」
「え? 何が?」
「合計点数」
八教科中――である。
国語で凡ミスをしてしまったのだ。
「……え、何? 頭良くて仲の良い美人の女友達が二人いて、妹ちゃん可愛くて運動もできてイケメンって何そのリア充、逆に怖い」
「自分で自分のことを美人と申すか」
確かに美人だが。
「と、いうよりリア充って何さ」
「あー、リアルが充実してるやつのことよ、ちなみに逆は非リア充」
「……へー」
なら俺は――俺はどっちなんだろうな。
一般的観点で見たら、リア充なのだろう。
けど、俺の一人称的に言うと――――俺は明らかに非リア充なのだろう。
*****
「――ねえ、■■くん」
「んー? 何? ■■■ちゃん」
「■■くんは■■■のこと好き?」
「うん! 大好きだよ!」
「へへへー、どんなとこがー?」
「僕一人っ子だからかなー、妹みたいで大好き」
「妹、妹かー」
「父さんが言ってたんだ、兄とは妹を守るものだって、だから■■■ちゃんは絶対僕が守るよ!」
語り部は、事件に深くかかわる気が無いので、オチはつきません。
あくまで脇役は経過を手伝う者、解決は、主人公の役目です。
次回から第二章です。




