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57話 釣果は上々、でも成果は?

 俺の後をつけていた二人を気絶させて、縛り上げて。

 ひとまず動けないようにしてから、その場を後にして、あらかじめ決めておいた合流場所に移動した。


 シオンとナナ、大丈夫かな……?

 自然と足が速くなる。


「シオン! ナナ!」

「ご主人様!」

「クロードさん!」


 こちらも人気のない路地。

 そこにシオンとナナがいて、その周囲に四人の男達が倒れていた。


「大丈夫!?」

「はい、問題ありません」


 慌てる俺とは正反対に、シオンはとても落ち着いていた。


 疲れた、とか。

 怖かった、とか。

 そんな様子は微塵もなくて、なんてことない仕事を終わらせました、という感じ。


 すごいなあ。


「一応、私も鍛えていますから。この程度の輩にどうこうされることはありません」

「うん。そこは信じていたから別行動にしたんだけど……」


 でもやっぱり。


「心配なものは心配だから」

「……ご主人様……」

「ごめん。信用していないわけじゃないだけど……」

「はい、わかっています。その心配は私を想ってくださってのことであり……とても嬉しく思います」

「うん、ありがとう。シオン」


 笑顔を交わして。


「どきどき」


 ナナが興味津々という感じでこちらを見ていることに気がついて、我に返る。


「お二人は、このまま抱擁をしたり!? それだけではなくて、き、キスなんかも……!?」

「えっと……」

「も、申しわけありません、ご主人様……」

「シオンが謝ることじゃないよ」


 強いて言うなら俺のせい。

 ちょっと、こう……

 周囲のことが見えなくなっていた。


 色々と関係が進展して。

 色々な想いが湧き上がり。

 それで、少し舞い上がっていたのかもしれない。


 うん。

 ただ勢いに任せるだけじゃなくて、ちゃんと周囲を見て、考えていかないと、だな。

 親方やみんながよく言っていた。

 そうやって相手のことだけじゃなくて周囲のことも考えることで、それが結果的に自分達の幸せや未来に繋がっていくんだ、っって。


 俺にとっては尊敬する人生の先輩であり、家族のような人達。

 彼らに誇れるような人になれるように、がんばりたいと思う。


 とはいえ。

 今は、最優先すべきはナナの問題だ。




――――――――――




 俺達をつけていた連中を捕まえて、騎士団に突き出して。

 調査をしてもらったのだけど……


「なにも関連性がない……のですか?」


 夜。

 騎士団から戻ってきた俺は、そこで受けた話をシオンに共有して……

 そしてシオンは、そのようなことはありえない、という感じで怒り顔に。


「あの男達は、明らかにナナさんを狙っていました。その背後に、例の貴族……エルネスト・ルアが絡んでいることは明白です」

「うん。俺もそう訴えたんだけど……証拠がない、って」

「それは……」

「エルネストはとても用心深いみたいだ。男達にナナをさらうように命令したことは間違いないと思う。でも、書面を交わしたわけじゃなくて口頭で命令しただけ……形になる証拠がないらしいんだ」

「……男達はどう証言しているのですか?」

「今日捕まえたばかりだから、まだ全部を話しているわけじゃないと思うけど……一応、エルネストに命令された、って自白している人もいるらしい」

「それなら……」

「ただ、それも証拠というか、裏付けがとれないらしくて」

「……」

「内容が内容で……それと、相手も相手だからね。男達の自白をそのまま受け止めて動くわけにはいかないらしい」


 たぶん、男達は本当のことを話している。


 ただ……


 もしかしたら、その自白はエルネストを陥れるためのものかもしれない。

 もしかしたら、男達を罪を逃れるためにでまかせを言っているのかもしれない。

 そんな可能性を考えたらキリがない。

 確かな裏が取れない限り、騎士団も動きようがないのだろう。


「……せっかく、エルネストに繋がる情報が、と思ったのですが」

「うん。その気持ちはわかるけど……」


 エルネストが捕まることはない。

 ナナは狙われたまま。


 状況は進展しているようで進展しておらず。

 停滞したまま。


 どうにかして解決したいけど、ただ、俺達はただの冒険者。

 権力なんてものはないし、コネもない。

 そんな俺達にできることなんて、あるのだろうか?


「……いや」


 こうやってマイナスなことばかり考えても仕方ない。

 プラスになることを考えて……

 それを、どうにかこうにか突破口にしていきたい。


 どうする?

 俺達は、これからどうすればいい?


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よかったら見てください。

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