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祓っていいとも!  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第1章

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第8話(4)屋上にて

                  ♢

「えっと……」

 講堂で天馬さんと3日前、校庭で功人さんと会った翌々日、図書室でジャッキーさんと会った翌日の昼休み、わたしは屋上で途方に暮れる。

「やあ、来ていたようだね」

「えっ⁉」

 ノリタカさんが屋上に姿を現す。……その現し方が問題だ。背中にジェットブースター――よく分からないが、十中八九、そういう名称だろう――を積んだノリタカさんが、ブースターを噴射させながら、校舎の外から屋上まで上昇してきたのだ。

「ははっ、君もどうだい? サイレンス=シズカ……」

「情報漏洩!」

「ん?」

 わたしが声を上げると、ノリタカさんが目を丸くする。

「と、とにかく、早く着地してください!」

「あ、ああ、りょ、了解………」

 ノリタカさんが屋上に着地する。

「はあ……」

 わたしはため息をつきながらノリタカさんをジト目で見つめる。

「悪かったよ………」

「……」

「君も使いたかったんだな、ジェットブースター……」

「違いますよ!」

 名称当たっていた! いや、それはどうでもいい。

「ただ、悪いね、このジェットブースターは一人用なんだ」

 まあ、大体そうだろうとも。背中に背負うかたちなんだし。複数人でどう使うんだ。

「それはどうでもいいんですよ」

「ええっ⁉」

「こっちがええっ⁉ですよ」

「ジェットブースターに心躍らないとは……驚きだな」

 ジェットブースターに心躍るJKがいたら教えてくれ。そりゃあ中にはそういう娘もいるかもしれないけれども。

「あの……」

「ちょっと待った」

 ノリタカさんはジェットブースターをボタンひとつでポケットに収納する。待って、その収納技術にはちょっと興味があるかも。

「おお……」

「……本題に入るとしようか」

「はい……」

 本題にもあまり興味はないのだが。ともかく、さっさと終わらせるとしよう。

「先の戦闘での敗北についてのデータをフィードバックし、共有したい」

「ああ、サメに負けた……」

「まずそこだ」

「え?」

「これは……なんなんだ?」

 ノリタカさんが空間にディスプレイを生じさせ、先日の戦闘の映像を流す。そしてノリタカさんは、サメの顔をした者を指差す。

「サメの顔をしたエイリアン……ですかねえ?」

 わたしは首を傾げながら、自信なさげに応える。

「確かかい?」

「いや、見たままを言っているだけですよ……」

 わたしは首を元に戻す。

「先日はバタバタとしていたが……サメなのに、何故二足歩行なんだ?」

「さあ?」

 わたしは再度首を傾げる。ノリタカさんは腕を組む。

「これはサメ型と呼称しても良いのだろうか?」

「まあ、顔は思いっきりサメなんだから良いんじゃないですか」

 再度首を元に戻したわたしは心底適当に応える。

「しかし、体の三分の二は人型だぞ?」

「見た目のインパクトはサメの頭部に取られているじゃないですか」

「三分の一だぞ」

「全体の半分くらい占めていると思いますけど」

「そうか?」

「そうですよ」

「う~ん……」

「攻撃は噛みつきによって行われたじゃないですか、サメとした方が覚えやすいかと」

「それもそうか」

 ノリタカさんは納得したようで、腕をほどく。

「じゃあ、これで……」

「待った」

「な、なんでしょうか?」

「君の撃退方法について、オレも習得しておきたい」

「え……」

「同じスペースポリスとはいえ、機密事項だというのは百も承知だ。しかし、サメのエイリアンと戦うには、あの力が必要なんだ、だから頼む!」

 ノリタカさんが頭を下げてくる。機密事項でもなんでもないんだが。

「えっと……顔を上げてください。ノリタカさん……」

「……」

「ノリタカさん?」

「………」

「ああ……デストロイ=ノリタカ」

「ああ!」

 やっと顔を上げた。面倒くさいな。

「えっと……特に難しいことはありません。空に向かって右手をかざし、スペースステーションからレーザー照射を受けて、力を授けてもらいます……」

「それだけかい?」

「それだけです。ああ、『スペースステーション、願います』とか、一応挨拶はしておいた方が良いと思いますけど」

「その結果が……『花崗岩』なのかい?」

「ま、まあ、そうですね……」

「何故に?」

「何故って……攻撃方法なんて思いつかないですし……武器をいきなり渡されても扱いきれないでしょうし……それなら、岩石で殴りつける他ないかなって」

 わたしは満面の笑みで告げる。

「そ、そんな……最先端のテクノロジーの結果が……岩?」

 無駄遣いをわたしが一番承知しているよ。

「まあ、そんな感じですかね……」

「スペースステーションの有効活用法かもしれないな。よし、オレもやってみる!」

 ってか、今まで活用してなかったんかい。その後、ノリタカさんのスペースステーションでのショッピングにしばらく付き合わされた。わたしの昼休みを返して欲しい。

お読み頂いてありがとうございます。

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