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エピローグ

「シン、お疲れ様だったね」

 少し疲れた顔お茶を飲んでいるのは俺の兄、イケメン王子と名高く、いずれくる王位継承戦で最有力となっているテンセイ=コウエンジ=アーヴィンだ。


「本当に疲れたよ、結局兵力では負けてるから倒すわけにも行かないし、脳筋兄はまず城内の支援者に話をしてからの説得になったしね。」

 さらに疲れた顔で返答する俺はシンセイ=コウエンジ=アーヴィン。ナマケモノ殿下と呼ばれ王位継承戦では兄を支援しているため眼中にはない。


「だってあれはシンが、まだ時間稼げると思うから先に城内説得してきてよってカッコよくいうからじゃん」

「違う違う、テンの記憶の俺はどれだけカッコいいんだよ。脳筋兄がどうしても城内の支援者から説得させてくれっていうから仕方なくだよ」

 予定通りなら脳筋兄がちゃっと言って終わるはずだったユリウス戦2回目も、脳筋兄が先にめんどくさい城内のお偉いさん方に話をしにいったから、クイル様がくるまでただひたすら時間を稼ぐことになってしまった。


 はやく帰りたいだの、ゆっくりお風呂に入りたいと言われながら、帰っていいと言っても帰らない3人娘に文句を言われながらなんとか時間を稼いでいた。


 途中からいなくなっていたアールは隠密部隊と一緒にユリウス側に情報が渡らないようにしており、ちょいちょい偽の情報を通したりして頑張ったんだ。


 そのあとクイル様とっておきの援軍


 というかクイル様本人が裏からユリウス軍を強襲して挟み撃ちにして終わらせた。


「ところでテン、俺がいない間、どうだった?」

「うん、南西部の連邦軍は阿鼻叫喚だったみたいだよ、いないはずのエヴァンス軍に強襲されてね。ロバートが来たって聞くだけで若い兵は逃げ出したらしい」

 ロバートが来た、連邦では子供を叱るときに使われる言葉である。ロバート様に散々にやられた連邦で怖いものの象徴と言えばロバート様のようだ。


「北東部の帝国は父上が出陣したからね、ボコボコにして無事帰ってきたよ。小兄が前線に放置されてるみたい」

「まぁあの親が負けるところは想像つかんね、南東部は?」

「あっちは大変だったらしいよ、なにせエーミィを攫ったうえで娶ったからね、しかもガイエス兄上がこっそり停戦交渉した次の日に。おかげでガイエス兄上の主力部隊は残ったまま南東部で活躍してる。とりあえずリュートさんだけでも南東部に送ったよ。だから多分大丈夫」

 リュートも反乱で裁きを受ける側だが、担ぐ神輿の脳筋兄はいないし、リュートなしだと前線がもたないという判断だな、しょうがない、俺やテンが行くわけにもいかないし。


「さて、昨日父上が帰ってきたみたいだけど、シンは何か聞いてる?」

「聞いてないな、聞いてないけど知ってはいるよ。多分今日、俺ら2人は呼び出しくらって、みんな集まって論功行賞かな」

 テンも想定通りといった感じで落ち着いて紅茶を飲む。

 論功行賞、まぁ頑張ったからテンは王太子、次期国王筆頭になって、俺は多分テンを支えてねって言われてお金貰えるかなー


「とりあえず楽しみだね、テンの王太子認定。」

 ニヤニヤしながらテンに話しかけると少し恥ずかしそうに、でも何かを決意したような顔をしていた。


「まだ気が早いよ、でもそうだね、ガイエス兄上に勝ったんだ、ガイエス兄上の道を潰したんだ。もう他の兄弟に負ける気はないよ。僕が次の王になるんだ、シン、これからも頼むよ」

 紅茶のティーカップで乾杯をするような仕草をして、遠くからの圧の強いメイドの視線を感じてすぐにやめる。

 2人で苦笑いしながら、いつものお茶会を続けた


 ---


「皆の者、よく集まってくれた、此度は我が王国内で起きた内戦についてだ。各位の尽力により大事にならず収まった、皆、お礼を言わせてくれ。」

 玉座に腰をかけ、圧倒的なオーラを放ちながら父上、すなわち、この国の王様、ニコラス=ケンリス=アーヴィンが言葉を放ち、そして頭を下げる。

 周りには代表的な貴族の当主や代理人が並んでおり、これから始まる反乱の主要メンバーの沙汰と、論功行賞を待つ。


 反乱の主要メンバーは連邦に唆されたということもあり、処刑等の騒ぎにはならず、少し領地を減らしたり、廃嫡になったりぐらいだった。

 ただ脳筋兄と並んで両親を裏切り反乱を主導したユリウスは「本来は王家の暴走を止める役割を担う公爵家、それも由緒あるフォーグラム家の嫡子が反乱を主導するとは」と言われ、廃嫡だけでなく労働奴隷として鉱山送りになった。

 いっぱい騒いでいたけど、何より大軍で寡兵の俺の軍に負けたのも無能の証、まぁ無理だろう。


 脳筋兄は想定通り、廃嫡し、南東部の前線送りとなった。

 それと連邦のお姫様は連邦側からの謝罪として身柄を拘束されてこちらに送られてきたらしい。

 まぁいいんだけど、正直邪魔だな、処刑しちゃいたい。

 

「さて、暗い話はここまでにしよう、今回この内乱を納めた我が子達に報いる話をしよう。まずは第一等、テンセイ。」

「ハッ」

 テンが王、父上の前に出る。


「シンセイとともによく納めてくれた。内緒で子供に婚約発表されたのは初めてだが、まぁ反乱軍を牽制するためだ、笑って許してやろう。あとでちゃんと紹介しにこい。」

「その節は本当に申し訳ありませんでした。」

 ニヤニヤしながら話す父上と少し困った顔で謝るテンセイ、いつもの俺と父上を見ている様で面白かった。


「テンセイ、おまえが王太子候補筆頭だ。各位、テンセイをしっかり支えるように。」

「ありがとうございます」

 父上は先ほどの厳しい目とは打って変わって優しい目でテンを褒める。

 大歓声に包まれ、その歓声のままテンや俺に付き従ってくれた騎士達も恩賞をもらう。


 レイとアキナは騎士爵、クリスは騎士爵と並ぶ内政よりの準男爵となっていた。


 そして最後に俺か、、、


 と思ってると傍から理想的なナイスミドル、マルキウス=フォン=フォーグラム侯がでてくる

 今回の反乱軍の首魁、ユリウスの父上であり、クリスの父上、俺にとっての義父にあたる。


「さて、マルキウスよ、此度の件、お主が息子であるユリウスを御せなかったことにも問題がある。」

「ハッ、その通りでございます。」

 先ほどまでの優しい目から厳しい目に変わり、マルキウス様を断罪する。


「フォーグラム公爵家は我が王国にてもっとも大事な家だ、このままでは我が王国もゆらぎかねん。そこで、マルキウスの後継者をこちらで指名しようと思っている」

「えぇ、私の愚息はユリウスだけでなく次男、三男とおりますが、覇気にかける次男に問題を起こす三男と頭を悩ませております。」

 父上とマルキウス様は徐々にニヤニヤしながら話をすすめていた。

 あーーー、なるほどね、とっても嫌な予感がしてきた。


「たしかマルキウスにはよく出来た娘がおったな」

「えぇ、クリスティーナといって、先ほど若輩ながら準男爵を承りました。しかしどうにも本人そんなやる気はないようで」

 とても芝居がかった声で父上とマルキウス様がやり取りを行う。

 

「なんだと、いや、確か我が息子がクリスティーナと婚約しておったな」

「おお、そうでしたそうでした」

 あー、頭が痛くなってきた、これ以上この芝居は見てられないな


「もういいよ、父上もマルキウス様も、棒読みがすぎる、2人とも演技はもっと上手でしょ」

 頭を抱えながら前にでると、父上とマルキウス様はすごく残念そうな顔をしていた。


「シンセイ、ここからが楽しくなるところなのに」

「シンセイ様、空気は読んでいただかないとー、せっかく練習したのに」

 練習ってなんだよ練習って


「もう、言いたいことがあるならハッキリ言ってください、2人のわざと棒読みな演技も、周りからの暖かい目や嫉妬の目も、もうめんどくさくて」

「その意やよし!シンセイ、お前にはフォーグラム家を任せようと思う!今日からおまえはフォーグラム公爵、シンセイ=フォン=フォーグラムだ!」

 あーーーーー、やっぱりか

 ガックリと項垂れる俺を見て満足そうな父上


「娘と、フォーグラム領をよろしくお願いしますね。」

 ニコリ大変満足そうな顔でこちらを見てくる。


「もちろん色々決めることはあるだろうが、これからは公爵家としてしっかりこの国を、テンセイを助けてやるんだぞ。ああ、安心しろ、3人の妻とロバートにはもう伝えてある。」

「もう、逃げ場はないんですね、、、わかりました。シンセイ=コウエンジ=アーヴィン、シンセイ=フォン=フォーグラムとしてこれからはこの国を支えましょう!」


 あーーーー、めんどくせぇ


 ---


「シン様、はやく行きましょう!私達の領地へ」

「異世界に急に転移してきて、一時はどうなるかと思ったけど、シンさんについていって、気づいたら公爵家の奥さんになるとは思わなかったなー」

「シンは王にも全然なれると思うんだけど」

 3人娘に絡まれながら馬車に荷を積み入れる。


「クリスは機嫌いいね」

「当たり前です!我が家に愛する旦那様と愛する2人の妻を連れて凱旋ですからね!」

 いつからレイとアキナはクリスの妻になったんだよ


「アキナ、ごめんね、こんなところまで連れてきて。住み慣れたってほどでもないけど、せっかく慣れてきた王都を離れて大丈夫?」

「大丈夫だよ、一日あれば王都にはこれるし、クリスやレイといるからね」

 異世界に転移してきて、ここまで俺の都合で連れ回してしまって申し訳ない。本当なら戦いも政争もなく、青春?ってのを過ごす年齢だったはずなのに。


「レイは、大丈夫だね」

「うん、大丈夫」

 そうだね、レイは大丈夫

 一緒にフォーグラム領へ行って早いとこ引き継ぎ終わらせて、怠けたいなぁ。


 そして出発のタイミングで、テンがやってきた。


「シン、いってらっしゃい。すぐに帰ってきてもいいからね。」

 少し寂しそうな顔をしながら、それでもしっかりとテンは送り出してくれた。

 

「テン、いってくるよ、これから今までみたいにお茶会したり、訓練したりは減ると思うけど、これもテンが王になるためだからね。というか、テンのためを思ってなかったら断ってるよ」

「わかってるよ、もう、シンありがとう。これからもよろしくね。」


 学校を卒業してから色々あった。

 成人の義を抜け出したり、フォーグラム領の問題を解決したり、転移者を拾ったり、黒のワイバーンを倒したり。

 そして脳筋兄と戦ったり。

 どれもめんどうだったけど、まぁまぁ楽しかったかな。


 フォーグラム領さえ安定したら、次の王はテンで決まりだし、もう少しゆっくりなまけよう。


「行ってくるよ、お兄ちゃん」


 ---


「いやー、悪いねシン、公爵様にこんなこと頼むのは申し訳ないと思うだけどね」

 ニヤニヤした顔でわざわざ公爵家を訪ねてきたのは俺の兄、イケメン王子と名高く、王太子候補として時期王となっているテンセイ=コウエンジ=アーヴィンだ。


「えぇぇぇぇ、またなにかもってきたの?」

 


一旦完結となります!

10000PVも超えて、こんな小説をご覧くださり本当にありがとうございます。


次作を構想中で、何話か書き溜めてからまた投稿させてください。


次はもっとルビや分の書き方を勉強してから投稿させてください

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