【非実在証明】プレゼント
彼からLINEが届いた。イブの朝に。
『ごめん。今日無理になった。少し遅くなるけど明日の夜に行く』
ディナーとか予約はしてない。
けど、どこかで外食しようって約束してた。プレゼントも用意してた。
来年の春には結婚するのに。
『仕事? 無理してまで来なくていいよ』
突き放したような文面になってしまう。
……嫌な私。
『必ず行くから、起きといて』
分かったとも嫌だとも返事をせずに、LINEの画面を閉じた。
ガチャリと玄関の鍵が開く音。
「あっ! 着替えといてって言い忘れてた!」
「……は? 出掛けるの?」
「ん! 急いで急いで!」
イラッとした。
もたもたと適当な服に着替えて、ノーメイクで彼の車に乗り込んだ。
「怒ってる?」
「……」
「あはは。ごめんな」
信号で停止中に頭を撫で撫でされた。
……絆されてなるものか。
連れてこられたのは、何だか見覚えのある一軒家。
以前、モデルハウス見学に来た家。
「なんでここ?」
「ん? これ、プレゼント」
ニカッと笑って家を指された。
私が住みたいと言っていた家。
サンタはいない。
だけど、私には彼がいる。
── fin ──
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